三菱「パジェロ」復活へ――新型クロスカントリーSUVとして本格派の走破性と伝統のメーターを継承
三菱自動車工業が、名門SUV「パジェロ」の車名を冠した新型クロスカントリーSUVを2026年秋に世界初公開すると発表し、クルマ好きの間で大きな話題になっています。本格的な悪路走破性を追求した新型パジェロは、同社のピックアップトラック「トライトン」のラダーフレームをベースにした堅牢な骨格を採用し、まさに「冒険心に応えるSUV」として生まれ変わります。
さらに、歴代パジェロで親しまれてきた3連メーターをオマージュした「マルチメーター」の搭載が予告されており、往年のファンにはうれしいニュースです。加えて、軽SUVとして人気を博した「パジェロミニ」を北米市場に投入する可能性も取り沙汰されており、「パジェロシリーズ」としての展開が一気に現実味を帯びています。
新型パジェロは「冒険心に応える」本格クロカンSUVへ
三菱自動車は、2026年秋に世界初公開する新型クロスカントリーSUVの車名を「パジェロ」に決定し、正式に復活させることを明らかにしました。2019年に国内向け生産を終了して以来、約7年ぶりの復活となるパジェロは、従来の「なんちゃってSUV」ではなく、同社自ら本格クロカンSUVと位置づけるモデルです。
新型パジェロの骨格には、既に販売されているピックアップトラック「トライトン」のラダーフレームを改良して使用します。ラダーフレームは、悪路走破性や耐久性に優れた構造で、オフロード志向のSUVやピックアップに多く採用されてきた方式です。この強靭なフレームをベースに、キャビンや前後サスペンションに専用の改良を施すことで、「パジェロ」らしい高い堅牢性と走破性を実現します。
かつてパジェロは、パリダカールラリーなど世界的なクロスカントリー競技で輝かしい戦績を残してきました。今回の新型モデルも、その「冒険」「挑戦」というDNAを受け継ぎ、市街地だけでなく山道や未舗装路などでも頼れる相棒となることが期待されています。
「トライトン」ベースのラダーフレームで悪路に強いパジェロへ
新型パジェロの特徴のひとつが、ベース車両となる「トライトン」のラダーフレームです。トライトンは、三菱自動車が世界各地で展開するピックアップトラックで、荷台を備えた商用・レジャー両用モデルとして人気を集めています。
今回の新型パジェロでは、このトライトン用に新開発されたラダーフレームプラットフォームをベースにしながら、SUVとして必要な乗用快適性や悪路走破性を高める改良が施されます。ラダーフレームは、モノコック構造に比べてねじれ剛性や耐久性に優れ、オフロードで大きな荷重がかかる場面でも車体のゆがみを抑えやすいのが特徴です。
具体的には、キャビン(乗員が乗る部分)や前後サスペンションがSUV専用の設計となり、悪路走行時の安定性と乗り心地の両立が目指されます。また、トライトンのプラットフォームは、将来的なPHEV(プラグインハイブリッド)やEVにも対応できるよう設計されているとされており、電動化との親和性も備えた土台となっています。
歴代パジェロの象徴「3連メーター」を受け継ぐ「マルチメーター」
新型パジェロのインテリアで注目されているのが、歴代モデルで印象的だった「3連メーター」をオマージュした「マルチメーター」の搭載です。従来のパジェロでは、ダッシュボード上に方位計、気圧計、高度計などをまとめた3つのアナログメーターが配置され、アウトドア志向のユーザーから高い支持を得ていました。
新型パジェロでは、この伝統的な3連メーターのコンセプトを受け継ぎつつ、現代のニーズに合わせて機能を進化させた「マルチメーター」が採用される予定とされています。具体的な表示内容は今後の発表を待つ必要がありますが、オフロード走行に役立つ車体の傾き情報、走行モード、駆動配分などを分かりやすく表示するインターフェースになる可能性があります。
このように、新型パジェロは最新の安全・快適装備を取り入れながらも、歴代モデルのファンが思わずニヤリとしてしまう「三菱らしさ」「パジェロらしさ」を大切にしている点が特徴です。
三菱の「フラグシップ」としての役割
三菱自動車は、新型パジェロをブランドのフラグシップ商品と位置づけています。フラグシップとは、メーカーの技術やブランドイメージを象徴する最上位モデルのことで、走行性能・安全性能・快適装備など、あらゆる面で高い水準が求められます。
説明会では、三菱自動車が掲げる「環境 × 安全・安心・快適」というテーマを体現するモデルとして、新型パジェロを位置づけていることが紹介されています。具体的には、悪路走破性に加え、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能などの先進安全技術、長距離ドライブでも疲れにくい快適な室内空間などが期待されます。
また、価格帯については正式発表前ですが、三菱の現行フラグシップSUVであるアウトランダーPHEVの上位グレードや、トライトンよりも高いレンジになると予測されています。パジェロが三菱ブランドの象徴的存在であることを踏まえると、装備内容に応じてミドル〜ハイエンドクラスのSUVとして位置づけられる見通しです。
「パジェロシリーズ」構想とパジェロミニの北米展開の可能性
新型パジェロの復活と同時に注目されているのが、三菱自動車が掲げる「パジェロシリーズ」の展開方針です。これは、従来の1車種としてのパジェロにとどまらず、サイズや用途の異なる複数モデルを「パジェロ」ファミリーとして展開していく構想です。
その中でも話題を集めているのが、かつて日本の軽SUV市場で人気を博した「パジェロミニ」を、北米市場に投入する可能性です。軽自動車規格のパジェロミニは、日本国内ではコンパクトなボディと本格的な4WD性能を両立した「ベイビー・パジェロ」として親しまれてきました。
海外メディアや自動車情報サイトでは、この「ベイビー・パジェロ」が、北米市場において新たな武器になる可能性が指摘されています。北米では、コンパクトで機動性が高く、オフロードでも頼れるSUVへの関心が高まっており、パジェロミニのようなモデルがラインアップに加われば、三菱ブランドの存在感を高める一手になると見られています。
さらに、将来的にはパジェロ(フルサイズ)、軽SUVのパジェロミニ、その中間サイズの「パジェロジュニア(仮称)」といった3兄弟構成でシリーズ展開される可能性も自動車メディアで紹介されています。これにより、「パジェロ」の名を冠するSUVが、さまざまなライフスタイルや予算に応じて選べるようになる構想が描かれています。
ユーザーにとっての魅力と今後の注目ポイント
新型パジェロの復活は、既存のパジェロファンはもちろん、これからSUVを検討しているユーザーにとっても、大きな選択肢の拡大につながります。特に次のような点が魅力として挙げられます。
- 悪路走破性の高さ:ラダーフレーム構造と4WDシステムにより、雪道や未舗装路、山道などでも安心して走れる可能性が高いこと
- 伝統と最新技術の融合:3連メーターをオマージュした「マルチメーター」など、歴代パジェロのエッセンスを残しつつ、最新の安全・快適装備を備える点
- シリーズ展開による選択肢の広がり:フルサイズのパジェロに加え、パジェロミニやパジェロジュニア(仮称)など、用途や予算に応じたモデルが増える可能性
一方で、正式な仕様・価格・グレード構成などは、今後の詳細発表を待つ必要があります。特に、日本市場向けのエンジンラインアップや、PHEV・EVといった電動化モデルの有無は、多くのユーザーが注目しているポイントです。
また、パジェロミニの北米投入や「パジェロジュニア」の登場については、現時点でメディアによる見通しや予測が中心であり、メーカーからの正式アナウンスは今後の動向次第となります。それでも、「パジェロシリーズ」という構想が示されたことで、三菱自動車がSUVラインアップの強化に本腰を入れていることは確かだといえます。
かつて世界のラリーシーンやアウトドアシーンを席巻した「パジェロ」の名が、再び道路に帰ってくることになります。本格的なクロカン性能と、現代的な安全・快適装備、それに伝統の意匠を併せ持った新型パジェロがどのような姿で登場するのか、今後の続報に注目が集まっています。


