BYD、韓国でEV補助金対象外に 釜山モビリティショーでは新型PHEVを強くアピール

中国の電気自動車(EV)大手BYDが、韓国でのEV購入補助金の支援対象から外れました。韓国政府の評価基準を満たせなかったためで、補助金の打ち切りは、韓国市場で存在感を広げるBYDにとって大きな逆風となります。一方で、釜山モビリティショーでは約413万円の新型PHEVを投入し、価格競争力で市場に強い印象を与えました。

韓国の気候エネルギー環境部は30日、今年初めて導入した「電気自動車普及事業遂行者選定評価」の結果を公表し、参加した35社のうち27社を選定したと発表しました。選定されなかった企業は補助金支援の対象から外れますが、その中にBYDが含まれていたことが注目されています。

無公害車統合ホームページで確認できる今年のEV購入補助金支給対象車種のメーカーや輸入会社の中でも、BYDだけが選ばれませんでした。気候エネルギー環境部は先月、外国メーカーに不利だと指摘されていた項目を調整し、定性評価の項目を大幅に減らす方向で基準を修正していましたが、最終的にBYDは基準を満たしていないと判断された形です。

この問題は、韓国でのBYDの販売戦略にも影響しそうです。韓国市場では、EV普及を後押しするために補助金制度が重要な意味を持っています。韓国政府は過去にも補助金の見直しを進めており、中央政府と地方自治体を合わせた支給額が減ることで、消費者の実質負担が増えると報じられてきました。

その一方で、BYDは価格面の強みを前面に出しています。「2026釜山モビリティショー」では、約413万円という価格設定の新型PHEVが話題を集め、競合メーカーにも強い警戒感を与えました。韓国市場では、EVだけでなく、充電環境や価格、補助金の有無が購入判断に直結するため、BYDの低価格戦略は引き続き注目されます。

BYDの副総裁は、韓国について「非常に成熟した市場」と評価し、日本市場にも言及しました。韓国ネット上ではこの発言に対し、「信頼できない」といった反応も出ており、企業イメージや発言への受け止め方にも温度差が見られます。

韓国では近年、EV普及を巡って補助金政策が揺れています。需要拡大を見込んで補助金を見直したものの、実際の普及は想定ほど進まず、政府が再び支援を拡充するなど、制度設計の難しさが表面化してきました。 こうしたなかで、外国メーカーへの評価基準がどのように適用されるのかは、今後も大きな焦点になります。

BYDにとって今回の補助金対象外は、単なる一時的な不利にとどまりません。韓国市場での信頼確保、販売拠点の整備、アフターサービスの充実など、補助金以外の部分でも競争力を示す必要があるからです。とくに電気自動車は、価格だけでなく、充電設備、保守体制、ブランドへの安心感が購入の決め手になります。

一方で、BYDが釜山モビリティショーで見せたような低価格路線は、韓国の消費者にとって無視できない魅力です。補助金が受けられなくても、車両価格そのものが抑えられていれば、一定の需要をつかめる可能性があります。市場では「補助金」と「価格競争力」のどちらが強く作用するかが、今後の販売動向を左右しそうです。

韓国の自動車業界では、今回のBYDの扱いをきっかけに、EV補助金制度の公平性や透明性を改めて問う声も出ています。補助金は環境政策の一部であると同時に、国内外メーカーの競争条件を左右する政策でもあります。そのため、各社の受け止め方には大きな差があり、今回のBYD除外は今後の制度運用にも影響を与える可能性があります。

電気自動車をめぐる韓国市場は、政策、価格、ブランド戦略が複雑に絡み合う局面に入っています。BYDは補助金という追い風を失いましたが、低価格モデルの投入で存在感を保とうとしており、韓国市場での攻防はさらに激しくなりそうです。

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