猛暑時代の新定番?ワークマンの「着る冷凍庫」と各社の最新“冷却ウェア”最前線

近年、夏の最高気温は年々上昇し、40度前後の猛暑日も珍しくなくなってきました。その中で、建設現場や屋外作業、配達業務など、炎天下で働く人たちの負担はますます大きくなっています。

こうした状況を受けて、作業服メーカーやアパレル各社が力を入れているのが、身に着けるだけで身体の熱負担を和らげる「冷却ウェア」です。今回は、その中でも特に話題となっているワークマンの「着る冷凍庫」を中心に、戸田建設の猛暑対策作業着、はるやま商事の小型ファン付きTシャツなど、最新の取り組みをわかりやすくご紹介します。

ワークマンの「着る冷凍庫」とは? 気温45度を想定した本気の猛暑対策ウェア

作業服やアウトドアウェアで知られるワークマンが発売した「着る冷凍庫」は、そのインパクトの強い名前も相まって大きな注目を集めています。

ニュースによると、この「着る冷凍庫」は気温45度の環境での使用を想定して開発された冷却ウェアで、発売後の売れ行きも好調とのことです。元々、建設現場や工場などプロ向けに強いワークマンですが、今後は一般向けラインナップを強化し、売上50億円規模を目指していると報じられています。

どんな仕組みで冷えるの?「着る冷凍庫」の特徴

「着る冷凍庫」という名前から、まるで冷蔵庫の中にいるように冷えるイメージを持つ方もいるかもしれません。詳細な内部構造についてはニュースでは簡潔に触れられているだけですが、既存の冷却ウェアの流れから、次のような特徴が考えられます。

  • ファン+冷却機構の組み合わせ
    空気を取り込むファンと、冷却材や冷却プレートなどを組み合わせることで、衣服内部の熱を効率的に逃がす仕組みが使われている可能性があります。
  • 高い耐久性と作業向け設計
    建設現場や屋外作業でも使えるよう、丈夫な生地や、動きやすさを重視した設計がなされていると考えられます。
  • 45度想定という開発コンセプト
    「気温45度を想定」と明言されているため、極端な高温環境でも一定の効果を発揮できるよう、冷却性能やバッテリー持続時間などを総合的に設計していることがうかがえます。

これまでの「ファン付き作業着」は、主に作業員向けのニッチな商品として扱われることが多かったのですが、「着る冷凍庫」はその延長線上にありながらも、一般ユーザーでも手に取りやすいネーミングと仕様で展開されている点に特徴があります。

なぜ今「着る冷凍庫」が売れているのか? 背景にある3つの変化

ワークマンの「着る冷凍庫」が好調な理由として、社会や生活の変化が大きく影響しています。

  • 1. 気温上昇と「危険な暑さ」の常態化
    日本各地で35度を超える猛暑日が増え、40度近い気温も珍しくなくなりました。外で長時間作業する人にとっては、熱中症対策が「あると便利」から「ないと危険」へと変わりつつあります。
  • 2. 働き方の多様化と屋外労働の増加
    配送ドライバー、フードデリバリー、イベント設営、農作業など、炎天下での仕事に従事する人は幅広い業種に広がっています。こうした人たちが、自分の身を守るために冷却ウェアを購入するケースが増えていると考えられます。
  • 3. ワークマンのブランド力と価格設定
    ワークマンは「高機能で低価格」というイメージが浸透しており、アウトドアやスポーツを楽しむ一般ユーザーからの支持も厚くなっています。そのブランド力が「着る冷凍庫」の認知と販売を後押ししていると言えます。

戸田建設の猛暑対策作業着:表面温度が最大22度低下

猛暑対策ウェアに力を入れているのは、専門メーカーだけではありません。大手ゼネコンの戸田建設も、独自の猛暑対策作業着を開発したと報じられています。

ニュースによると、この作業着は衣服の表面温度を最大22度低下させる効果があるとされており、建設現場で働く作業員の負担軽減を目的に導入が進められています。

「表面温度が22度低下」の意味と効果

「表面温度が最大22度低下」という数値は、非常にインパクトがあります。例えば、直射日光下で衣服表面が60度近くまで上がる状況でも、表面温度を大幅に抑えられる可能性を示しています。

もちろん、表面温度がそのまま体温低下につながるわけではありませんが、次のようなメリットが期待できます。

  • 衣服自体が熱くなりにくいため、肌への熱の伝わりが軽減される
  • 直射日光による“焼けつくような暑さ”を和らげることができる
  • 汗の蒸発と組み合わさることで、体感温度の低下が見込まれる

戸田建設のような建設会社が自ら作業着の開発・導入を進める背景には、現場の安全性向上はもちろん、熱中症事故を防ぐことで工事の遅延やリスクを減らすという狙いもあります。企業にとって、猛暑対策は従業員の健康を守るだけでなく、事業継続の観点からも重要な取り組みになっていると言えるでしょう。

はるやま商事の小型ファン付きTシャツ:ベスト以外を求める声に応える新商品

一方で、ビジネスウェアやカジュアルウェアを展開するはるやま商事も、ユニークな猛暑対策商品を発売しています。ニュースによれば、同社は小型ファン付きTシャツ1万7900円で販売開始しました。

これまで、ファン付きウェアといえば「作業ベスト」が主流でしたが、はるやま商事には「ベスト以外の選択肢が欲しい」という声が多く寄せられていたといいます。そうしたニーズを受けて生まれたのが、今回のファン付きTシャツです。

なぜTシャツ型が求められるのか?

ベスト型に比べたTシャツ型のメリットとして、次のような点が挙げられます。

  • 普段着に近い見た目で、人目のある場所でも着用しやすい
  • ベストの重ね着が苦手な人でも、違和感なく導入できる
  • インナー・ミドルレイヤーとしても使いやすく、着こなしの幅が広い

価格は1万7900円と、一般的なTシャツよりは高めですが、小型ファンやバッテリーなどの機構が組み込まれていることを考えると、冷却機能付きウェアとして妥当なレンジだと言えそうです。

オフィスカジュアルが許容される職場や、屋外と屋内を行き来する仕事に従事する人にとって、「一見ふつうのTシャツに見える冷却ウェア」は、日常に取り入れやすい選択肢になりそうです。

3社の取り組みに共通する「猛暑対策の新常識」

ここまで、ワークマンの「着る冷凍庫」、戸田建設の猛暑対策作業着、はるやま商事の小型ファン付きTシャツを見てきました。業種やターゲットはそれぞれ異なりますが、3つのニュースにはいくつかの共通点が見られます。

  • 1. 猛暑対策を「装備」で行う時代へ
    これまでは、こまめな水分補給や日陰での休憩といった“行動”での対策が中心でした。もちろんそれらは今も重要ですが、加えて「冷却ウェアを身に着ける」という発想が広く浸透し始めています。
  • 2. プロ用途から一般用途へ広がる
    建設現場や工場など、プロ向けに始まった技術が、ワークマンやはるやま商事を通じて一般消費者にも広がりつつある点が特徴的です。炎天下でのレジャーやスポーツなど、休日の場面でも活躍が期待されます。
  • 3. デザイン性と着用シーンの多様化
    「いかにも作業着」という見た目から、普段着に近いデザインへと進化し、ビジネスや日常生活にもなじむ冷却ウェアが増えています。これにより、より多くの人が導入しやすい環境が整いつつあります。

利用者視点で見る「冷却ウェア」選びのポイント

今後、冷却ウェアはますます種類が増えていくと考えられます。利用者の立場で商品を選ぶ際には、次のような点を意識するとよいでしょう。

  • どんな場面で使うか
    建設現場などハードな環境なら、ワークマンのような作業向け重視の製品が適しています。通勤や街歩き中心なら、はるやま商事のTシャツのように、見た目の自然さも重視したいところです。
  • 動きやすさ・重さ
    長時間着用する場合、冷却性能だけでなく重さやフィット感も重要です。ファンやバッテリーの位置、動きやすさを実際に試して確認すると安心です。
  • ランニングコスト
    バッテリーの持続時間や、交換・買い足しの費用もチェックポイントです。日々使うなら、充電のしやすさやバッテリーの耐久性も気になります。
  • 洗濯・メンテナンス性
    汗をかきやすい夏場に使うものなので、洗いやすさは非常に重要です。ファンやバッテリーを外して洗えるか、乾きやすい素材かどうかも確認したいところです。

企業にとっての猛暑対策ウェアの意味

今回取り上げたニュースは、個人の暑さ対策という側面だけでなく、企業の姿勢を映し出している点でも注目に値します。

  • 安全配慮義務とイメージ向上
    建設会社が猛暑対策作業着を導入することは、現場で働く人の安全を守るだけでなく、「従業員を大切にする企業」というイメージにもつながります。
  • 生産性の維持・向上
    暑さによる疲労や体調不良が減れば、作業効率の低下を防ぎ、ひいては生産性の確保にも寄与します。猛暑対策はコストであると同時に、投資とも言えるでしょう。
  • 新たな市場の創出
    ワークマンやはるやま商事のように、冷却ウェアを一般向けに展開する企業にとっては、猛暑は新たな需要を生み出すきっかけでもあります。気候変動という大きな課題に対して、ビジネスの側からできるアプローチの一つが、こうした商品開発だと言えます。

「着る冷凍庫」は今後のスタンダードになるのか

ワークマンの「着る冷凍庫」というネーミングは、インパクトがあるだけでなく、猛暑対策ウェアの今後を象徴する言葉にもなりつつあります。「飲む」「食べる」と同じように、「着る」ことで暑さをしのぐという発想が、これからの夏のスタンダードになっていく可能性があります。

すでに、今回ご紹介したように、

  • ワークマンの気温45度を想定した「着る冷凍庫」
  • 戸田建設の表面温度を最大22度低下させる猛暑対策作業着
  • はるやま商事の1万7900円の小型ファン付きTシャツ

といった商品が次々に登場しています。これらは、気候変動の現実を前に、人々がどう暮らし、どう働いていくかという問いに対する、一つの具体的な答えでもあります。

真夏の屋外での作業やスポーツ、レジャーが避けられない人にとって、冷却ウェアは命を守る装備になり得ます。また、通勤や買い物といった日常のシーンでも、負担を軽くし、少しでも快適に過ごすための心強い味方となるでしょう。

今後も、技術の進歩とともに、より軽く、より涼しく、より手頃な価格の製品が登場してくると考えられます。その中で、利用する側は自分の生活スタイルや働き方に合った一着を選び、企業は現場の声を取り入れながら、実用性と安全性を両立した製品を生み出していくことが求められます。

猛暑が当たり前になりつつある時代において、「何を着るか」は健康と安全に直結するテーマになっています。ワークマンの「着る冷凍庫」をはじめとする各社の取り組みは、その変化を象徴するニュースだと言えるでしょう。

参考元