トランプ前大統領来場で警備強化 NBAファイナル第3戦、MSGのニックス公式ウォッチパーティーが中止に

ニューヨーク・ニックスのNBAファイナル第3戦を前に、ニューヨークの中心部・マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)周辺では、いつもとは違う緊張感が高まっています。ドナルド・トランプ前大統領が第3戦を観戦する予定であることから、ニューヨーク市警(NYPD)とシークレットサービスが警備体制を大幅に強化し、その一環としてMSG前の公式屋外ウォッチパーティーが中止されることになりました。

第3戦はニューヨーク開催 スパーズとのファイナル、熱気高まる中での異例対応

ニックスは現在、NBAファイナルでサンアントニオ・スパーズと対戦しています。第3戦の舞台はニューヨーク・マンハッタンのマディソン・スクエア・ガーデン。地元開催のファイナルゲームということで、通常であればMSG前の「Plaza 33」を中心に、数多くのファンが集まり、大型スクリーンで試合を楽しむ屋外ウォッチパーティーが行われるはずでした。

これまでの試合でも、MSGのウォッチパーティーには多くのニックスファンが集まり、勝利の瞬間には大歓声とともに大きな盛り上がりを見せてきました。 ところが第3戦では、状況が大きく変わっています。その理由が、トランプ前大統領の来場です。

「Game 3限定」で屋外ウォッチパーティー中止 警察とシークレットサービスが判断

ニューヨーク市警は、NBAファイナル第3戦当日について、マディソン・スクエア・ガーデン周辺での屋外ウォッチパーティーを行わないと発表しました。 MSGの広場「Plaza 33」で予定されていた公式ウォッチパーティーに対する許可申請は、市の許可局がNYPDと協議した上で不許可とされたと説明されています。

MSG側も声明を発表し、第3戦のみ屋外ウォッチパーティーは実施しないこと、その判断が「シークレットサービスとの完全な連携のもと」で行われたことを強調しました。 また、ホワイトハウス側は「これは大統領(前大統領)個人に対するものではない」と説明していると報じられていますが、実際には大統領経験者の来場に伴う厳重な警備要請が、決定の大きな要因になっているとされています。

NYPDとシークレットサービスは、大規模イベントと要人警護を同時に行う場合、周辺エリアの安全を最優先に考えざるを得ないとし、MSG直近での大規模な屋外観戦イベントは、今回の条件下では「受け入れがたい」と判断した、と説明しています。

背景にある「人出増加」と「行動の過熱」への懸念

ニューヨーク市としては、第3戦を迎えるにあたり、元々アリーナ周辺での人出の多さや、一部のファンの過熱した行動に懸念を抱いていたと報じられています。 近年、プレーオフや大型スポーツイベントでは、会場外での人だかりや交通の混乱、時には軽度のトラブルが問題視されることもありました。

そうした中で、今回はさらにトランプ前大統領が試合を観戦する予定であることが判明し、警備上のハードルが一段と上がりました。 大統領経験者の警護は、現職同様に極めて厳格な基準に基づいて実施されます。そのため、周辺道路の追加封鎖や、観客・通行人の動線管理など、多くの対策が必要になります。

NYPDの担当者は、「最高レベルの公共の安全」を確保する責任があるとし、その観点から、MSG至近での屋外ウォッチパーティーを今回は認めない措置を取ったと説明しています。 こうした経緯を踏まえると、今回の決定は「スポーツイベント」と「要人警護」という二つの大きな要素が重なった、かなり例外的なケースと言えます。

MSG館内は試合開催 入場者には「TSA式」の厳格な持ち物検査

屋外ウォッチパーティーが中止となる一方で、MSGの館内では予定通り第3戦が開催されます。 ニックスは地元ファンの声援を背に、スパーズとの大一番に臨むことになります。

しかし、館内に入るファンにも通常以上の警備体制が敷かれます。ニックスは土曜日の時点で、厳格な「ノーバッグポリシー」(基本的にカバン類の持ち込み禁止)を導入すること、そして入場時には「TSA(空港保安)式」のスクリーニング手続きを行うことを発表しました。 これは、空港の保安検査場のように、金属探知機や荷物検査を含む、より細かいセキュリティチェックが実施されることを意味します。

ファンにとっては負担が増える形になりますが、要人警護と数万人規模の来場者が同時に存在する環境では、安全確保のためにやむを得ない措置と受け止める必要がありそうです。

代替のファンイベントも セントラルパークやブルックリンで観戦機会

「MSG前のウォッチパーティーがないならどこで観られるのか?」というファンの声に対し、ニューヨーク市と関係者は、別の観戦の場も用意しています。第3戦当日、セントラルパークのウォルマンリンクブルックリン・ボウルなどで、ファイナル観戦イベントが実施される予定です。

これらの会場では、MSG前ほどの規模ではないものの、ファン同士が集まって応援できる環境が整えられています。特にセントラルパークのイベントは、これまでもプレーオフ時に多くの人が集まった実績があり、家族連れや友人グループで楽しめる屋外観戦スポットとして人気です。

また、シリーズ全体としては、NYPDが一時的に停止していたMSG周辺でのウォッチパーティーに対する禁止措置を解除

「Game 4以降は再開見込み」 ファンには一時的な我慢を要請

MSG側は声明の中で、「Game 3のみ屋外ウォッチパーティーは行わない」と明記し、第4戦では再開する見通しであると説明しています。 つまり、今回の措置は、あくまでトランプ前大統領が来場する第3戦に限った、一時的な特例対応と位置づけられています。

NYPDとシークレットサービスの協議の結果、第3戦当日はMSG直近での大規模な屋外イベントを同時並行で行うことはリスクが大きいと判断されたためであり、トランプ氏が来場しない試合では、従来通りのウォッチパーティー開催が可能とみられています。

ファンからすると、「地元でのファイナル第3戦を屋外で一緒に観戦できないのは残念」という気持ちがある一方で、安全優先の判断という点ではある程度理解が広がっているようです。ニューヨーク市としても、セントラルパークや他の会場でのイベントを通じて、少しでも多くの人に安心して試合を楽しんでもらいたい考えです。

警備強化の中でも続く「ニックスファンの熱狂」

今回のウォッチパーティー中止は、スポーツと政治・治安対策が交差する、非常に象徴的な出来事と言えます。大統領経験者が観戦に訪れるという意味でも注目度は高く、その影響がファン文化の一部である「屋外観戦イベント」にまで及んだ形になりました。

それでも、ニックスファンの熱量が冷めることはありません。MSGの館内では、厳重なセキュリティをくぐり抜けて入場したファンが、いつも通りの大声援でチームを後押しすることでしょう。また、セントラルパークやブルックリンの会場、自宅のテレビの前でも、多くの人が同じ時間にニックスを応援し続けます。

ニューヨークという大都市ならではの複雑な事情が絡む中で迎えるNBAファイナル第3戦・ニックス対スパーズ。MSG前のウォッチパーティーがないという異例の状況でも、バスケットボールを愛する人々の気持ちは一つです。安全への配慮と、スポーツへの情熱。その両方をどう両立させるかが問われる一戦となっています。

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