阿部巨人の「マシンガン継投」と育成放棄疑惑――昭和レジェンドOBが突きつけた苦言とは

読売ジャイアンツの阿部慎之助監督が今シーズン採用している大胆な投手起用策「マシンガン継投」が、大きな議論を呼んでいます。
中継ぎ投手を小刻みに次々と投入するこのスタイルは、勝利を重ねる一方で、OBや評論家からは「野球を勘違いしている」「育成放棄だ」といった厳しい声も上がっています。

「マシンガン継投」とは何か?

マシンガン継投とは、試合展開を問わず、リリーフ投手を短いイニングで次々と投入していく継投策を指す言葉です。元々は、横浜ベイスターズで多用された小刻みな継投を揶揄する表現として、ネットスラング的に広まった用語ですが、今やプロ野球ファンにはすっかりおなじみのフレーズになりました。

  • 先発投手が比較的早い回で交代
  • 1イニング、あるいは数人の打者だけで交代する中継ぎ投手
  • 左右の打者に応じて、細かく投手を入れ替える

このように、まるでマシンガンのように次から次へと投手をつぎ込んでいくことから「マシンガン継投」と呼ばれています。
2024年から巨人の指揮を執る阿部慎之助監督は、この継投策を積極的に採用し、試合終盤のリードを守り切る形を確立しつつあります。

阿部巨人の「マシンガン継投」が生まれた背景

阿部監督がマシンガン継投を多用する背景として、いくつかの要素が指摘されています。

  • リリーフ陣の充実:今季の巨人は、中継ぎ・抑え陣が好調で、勝ちパターンの系統がはっきりしている。
  • 先発投手のイニング不足:若手や外国人を中心とした先発陣は、球数やスタミナの面で長い回を投げ切れないケースも多い。
  • データ野球の浸透:打者との相性や左右の有利不利など、データに基づいて継投を決める傾向が強まっている。

とくに、ある試合では、先発投手が6回・87球・無失点という好投を見せながらも交代となり、その後も複数の投手を小刻みに投入する采配が取られました。
このような「勝っている状態でも早めに先発を替え、継投で逃げ切る」方針が、今の阿部巨人の特徴だと言えます。

昭和のレジェンド投手が放った辛辣な一言

こうした阿部監督のマシンガン継投について、昭和を代表するレジェンド投手たちは厳しい見解を示しています。
週刊誌系メディアのインタビューでは、堀内恒夫氏や江本孟紀氏らが、遠慮のないコメントを連発しました。

とくに象徴的だったのが、あるレジェンドの
「野球を勘違いしている」
という言葉です。

彼らが問題視しているポイントは、次のような点です。

  • 先発投手が好投しているのに、決めた球数や回数で機械的に降板させてしまう
  • リリーフ投手を「使い捨て」のように短いイニングで何度も登板させることで、シーズン後半の疲弊が心配
  • 投手自身がピンチを切り抜ける経験や、長いイニングを投げる経験を積めなくなる

昭和のエースといえば、完投・完封が当たり前で、1人で試合を作り上げる存在でした。その価値観からすれば、現在のように先発が6回程度で降板し、リリーフ陣総動員で勝ちを拾うやり方は、どこか「落ち着かない」「投手の自立を阻む」ものに映るのかもしれません。

「育成放棄なのか?」と問われる巨人の現状

マシンガン継投への批判と同時に、「育成放棄なのか?」という、さらに重い言葉も向けられています。
週刊女性PRIMEなどが報じた記事では、巨人OBであり、名将として知られる広岡達朗氏が、阿部監督の采配・育成姿勢について辛辣な評価をしています。

広岡氏は、巨人が自前の若手選手をなかなか一軍で「使い続けて育てる」段階に踏み切れないことに苦言を呈し、ライバル球団の東京ヤクルトスワローズの若手選手たちの活躍を引き合いに出しました。

  • ヤクルトは若手を思い切って起用し、多少のミスや不調があっても我慢して使い続けている
  • 結果として、若手が実戦での経験を積み、チームの層が厚くなっている
  • 一方で巨人は、短期的な勝敗を優先し、ベテランや即戦力に頼る傾向が強い

阿部監督も、ヤクルトの若手の躍動について
「見習うところもあるな」
とコメントしたと報じられていますが、その受け止め方についても「どこか他人事のようだ」と、OBからは厳しく見られています。

広岡達朗氏「いっそ今季は最下位でいい」の真意

広岡達朗氏は、巨人の現状に対して「いっそ今季は最下位でいい」とまで発言しています。
一見すると過激な言葉ですが、その裏には明確な意図があるとされています。

広岡氏の主張を整理すると、次のような考え方が見えてきます。

  • 目先の勝利よりも、数年先を見据えた「本当のチームづくり」が必要
  • 若手を育てるには、失敗しても起用し続ける覚悟が不可欠
  • 中途半端にAクラス争いを続けるより、思い切って世代交代に舵を切るべき

つまり、「最下位でも構わないから、一度チームをゼロから作り直してはどうか」というメッセージなのです。
マシンガン継投で勝ちを拾いながらも、若手野手・先発投手が十分に育たないままでは、長期的に見て巨人の未来が明るいとは言えないのではないか――そんな危機感が、この言葉の背景にあります。

マシンガン継投と「育成」は本当に両立しないのか

では、マシンガン継投と若手育成は、本当に相反するものなのでしょうか。
専門家やファンの間でも意見は分かれています。

マシンガン継投に肯定的な見方としては、次のようなものがあります。

  • シーズン前半で勝ち星を重ねることは、チームに余裕や自信をもたらし、若手を起用しやすい環境を作る
  • リリーフとして短いイニングから経験を積ませることで、登板の場数を増やし、若手投手の場慣れにつながる
  • データに基づいた継投は現代野球の潮流であり、古い精神論だけに頼るべきではない

一方で、否定的・懸念する見方はこうした点を挙げます。

  • 先発投手が長いイニングを投げる経験が積めず、「エース」と呼べる存在が育たない
  • 投手陣の負担が大きく、シーズン後半に疲弊してチームが失速するリスク
  • 「ダメならすぐ交代」というメッセージになり、選手が失敗を恐れて小さくまとまってしまう可能性

どちらの意見にも一理ありますが、重要なのは「マシンガン継投そのものが悪いかどうか」ではなく、チーム全体の戦略の中で、どのような位置づけで継投策を使っているのかという点でしょう。

阿部監督に求められる「短期と長期」のバランス

阿部慎之助監督は、就任早々から「勝てるチームを作る」ことを求められる、非常に難しい立場に立たされています。
常勝球団を標榜する巨人において、「育成のために負けてもいい」というスタンスを貫くのは、現実的には簡単ではありません。

しかし、OBたちの厳しい言葉の根底には、「阿部監督なら、巨人の未来を託せる」という期待も含まれているように見えます。
その上で、あえて耳の痛い進言をしている、とも捉えられます。

阿部監督に求められるのは、次のようなバランス感覚かもしれません。

  • 短期的な勝利:マシンガン継投なども駆使しながら、シーズンを戦い抜く
  • 長期的な育成:若手をある程度「我慢して使う」期間を意識的に作る
  • 役割分担の明確化:勝ちパターンの継投と、育成を優先する場面を使い分ける

例えば、シーズン終盤で順位がある程度固まった状況や、点差が大きく開いた試合などで、若手先発や野手に思い切ったチャンスを与えるやり方も考えられます。
その上で、優勝争いのかかった重要な場面では、マシンガン継投を含む「勝ちに行く采配」を取る、といったメリハリをつけることも可能です。

ファンが見守る中で問われる「阿部流」の真価

マシンガン継投を巡る議論は、単に継投の是非だけではなく、巨人という球団が今後どのようなチーム作りをしていくのかという、より大きなテーマにつながっています。

昭和のレジェンドOBたちが繰り返し口にする「育成」の重要性は、どの球団にも共通する課題です。ヤクルトのように若手が台頭するチームもあれば、補強とベテランに頼らざるを得ないチームもあり、そのスタイルはさまざまです。

阿部慎之助監督は、キャッチャーとして長年巨人を支え、投手・野手双方の気持ちを理解している指揮官です。その阿部監督が、OBの苦言や世間の評価をどう受け止め、これからどのような「阿部流」を作り上げていくのか――。
マシンガン継投が今後も続くのか、あるいは若手育成へと舵を切るのか。ファンとしては、勝敗だけでなく、そのプロセスをじっくり見守っていきたいところです。

いずれにしても、この「マシンガン継投」と「育成放棄」論争は、シーズンを通して巨人の戦い方を考える上で、重要なキーワードになり続けるでしょう。
昭和のレジェンドたちの厳しい言葉が、阿部巨人をさらに強く、そして“育つチーム”へと変えていくきっかけとなるのか、注目が集まります。

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