日本地図で読み解く「人口が増えるまち」――滋賀県草津市・兵庫県神戸市北区・北海道南幌町に共通するもの

日本地図を広げてみると、人口が減っている地域が多い中で、静かに、しかし着実に人口を増やしている自治体が点在していることに気づきます。
今回取り上げるのは、関西で人口増加率トップとなった滋賀県草津市、移住策の工夫で人口増加に転じた兵庫県内26市町村(神戸市北区など)、そして25年ぶりに人口増に転じた北海道南幌町です。
それぞれ日本地図の違う場所に位置しながら、「子育て支援」「移住促進」「暮らしやすさ」という共通のキーワードで結びついています。

日本地図で見る「人口が増える地域」

まずは、日本地図上で今回の3つの地域の位置をイメージしてみましょう。

  • 滋賀県草津市:近畿地方、琵琶湖の南東側に位置し、京都府と隣接するエリア
  • 兵庫県神戸市北区:近畿地方西部、神戸市の内陸部に広がる、自然豊かな住宅・農村混在エリア
  • 北海道南幌町:北海道石狩平野の一角で、札幌市の東側に位置する農業が盛んな町

日本地図で見ると、これらは決して同じタイプの地域ではありません。
都市近郊のベッドタウン、中核市の一部としての郊外エリア、広大な農地を抱える地方の町と、その性格は大きく異なります。
それにもかかわらず、共通して「人口減少の流れに逆らって増加に転じている」という点が、今大きな注目を集めています。

関西で人口増加率首位――滋賀県草津市の強さ

ニュース内容1でも伝えられているように、関西エリアで人口増加率が首位となったのが滋賀県草津市です。
日本経済新聞の報道によると、人口増加率は3.3%で、関西の中でも突出した伸びを示しています。

草津市は、滋賀県の中でも早くから人口増加が続いてきた自治体として知られており、総務省の国勢調査データでも2010年から2020年にかけて着実に人口が増えています。

では、なぜ草津市は人口を伸ばすことができているのでしょうか。ポイントは大きく3つあります。

  • 交通アクセスの良さ
    JR草津駅と南草津駅には新快速が停車し、京都や大阪への通勤・通学がしやすい「通勤圏」として人気を集めています。
    都市部へのアクセスと、比較的ゆとりある住環境の「いいとこ取り」ができることが、若い世代の移住や定住に結びついています。
  • 子育て支援策の充実
    報道では、人口増加の背景として子育て支援の充実が強調されています。
    保育・教育環境の整備や、子育て世帯が安心して住み続けられる施策が、若いファミリー層を呼び込みました。
  • 長期的な都市計画と住宅供給
    草津市は長年にわたり住宅地の整備を進めてきており、1990年代以降、一貫して人口が増えてきた歴史があります。
    新しい住宅地やマンションの供給とインフラ整備が組み合わさり、「住みたい」と思う人が実際に住める受け皿になっています。

日本地図の上では、京都・大阪の東側、琵琶湖のほとりに位置する草津市。
その立地を生かしつつ、子育て支援と都市機能の整備を進めた結果、「関西で人口が最も増えるまち」という評価を得ることになりました。

兵庫県で26市町村が人口増へ――神戸市北区の取り組み

ニュース内容2では、兵庫県内の26市町村が人口増に転換したことが伝えられています。その中で、神戸市北区を例に、移住策の工夫や地域の魅力づくりが紹介されています。
兵庫県は、県全体としては人口減少に直面していますが、その中でも地域ごとの工夫によって人口を増やす自治体が現れている点が特徴です。

神戸市北区は、日本地図で見ると神戸市の北側に広がる広大なエリアで、市街地と農村地域が混在する、多様性のある地域です。
ここ数年で増えているのは、「都心から少し離れた、自然の多い環境で暮らしたい」というニーズに応える形での移住や転入です。

兵庫県内で人口増加に転じた26市町村では、次のような取り組みが共通して見られます。

  • 移住支援策の強化
    お試し住宅、移住相談窓口、オンラインでの移住セミナーなど、移住を検討している人が一歩踏み出しやすい工夫が進んでいます。
  • 子育て・教育環境のアピール
    保育所や小中学校、学童保育、地域の子育てサロンなど、「子どもを育てる環境が整っている」ことを積極的に情報発信しています。
  • 空き家の活用
    空き家を改修し、移住者向け住宅として貸し出すなど、地域の課題を解決しながら新たな住民を受け入れる取り組みが広がっています。

こうした取り組みは、単に人口を増やすためだけではなく、地域コミュニティを維持し、活気を取り戻すためのものでもあります。
日本地図上で見ると、兵庫県内の多くの市町村が、神戸・阪神間・播磨・但馬・淡路など、多様なエリアごとにそれぞれの強みを活かしながら人口減少に立ち向かっている姿が浮かび上がります。

北海道南幌町――25年ぶりの人口増、その背景にある育児支援

ニュース内容3で紹介されている北海道南幌町は、札幌近郊に位置する農業の盛んな町です。
この南幌町が25年ぶりに人口増に転じたというニュースは、「地方の小さな町でも工夫次第で人口減少を食い止められる」という希望の象徴として、全国的に話題になりました。

人口増加に大きく貢献したとされるのが、手厚い育児支援策です。
具体的な制度の詳細は自治体の公式発表などを参照する必要がありますが、ニュースでは、出産や子育てに関する経済的支援や、子育て世帯が暮らしやすい環境づくりが評価されています。

南幌町の事例が注目される理由は、次のような点にあります。

  • 大都市近郊の「地方」だからこそできる暮らし方
    札幌市への通勤も視野に入れつつ、ゆとりのある住環境や自然豊かな子育て環境を選ぶ家族が増えています。
  • 明確でわかりやすい支援策
    「この町に住めば、子育てにこれだけのメリットがある」と、具体的にイメージできる制度設計と広報が行われています。
  • 長年の人口減少からの転換
    25年ぶりに人口増に転じたことで、「本当に効果が出ている」ことが数字として確認できました。この実績が、さらに関心を呼び、新たな移住のきっかけにもなっています。

日本地図で見ると、北海道という広大なエリアの中で、札幌近郊の一町が人口動態を好転させたことは、他地域にとっても大きな参考事例となっています。

3つの地域に共通するキーワードは「子育て」と「移住」

ここまで、滋賀県草津市、兵庫県の26市町村(神戸市北区など)、北海道南幌町という3つの事例を見てきました。
日本地図上では離れた場所にあるこれらの地域ですが、その成功の背景には、次のような共通点が見られます。

  • 子育て支援の充実
    草津市も南幌町も、ニュースの中で特に子育て支援が人口増加のカギとして取り上げられています。
    兵庫県内の人口増加に転じた市町村でも、保育や教育環境、子育て世帯への支援が重視されています。
  • 移住・定住策の工夫
    神戸市北区を含む兵庫県内26市町村では、移住相談や空き家活用など、移り住む人を具体的に受け入れるための仕組みづくりが進んでいます。
    南幌町も、子育て支援とセットで移住促進を図ったことで、人口増加に結びつきました。
  • 近隣都市とのほどよい距離感
    草津市は京都・大阪圏、神戸市北区は神戸・大阪圏、南幌町は札幌圏と、それぞれ大都市から通える距離にあります。
    大都市の利便性を享受しつつ、より広い住まいや自然環境を求める人々にとって、魅力的な選択肢となっています。

日本地図を見ながらこうした地域を探してみると、「大都市のすぐ外側」に位置する自治体が人口増加のポテンシャルを持っていることがわかります。
そこに、子育て支援や移住施策といった「政策」が加わることで、人口減少の流れを変える力が生まれているのです。

「人口が増えるまち」から見える、これからの地域づくり

人口減少が進む日本にとって、今回のような「人口が増えている自治体」のニュースは、単なる明るい話題にとどまりません。
日本地図のあちこちで起きているこうした変化は、これからの地域づくりを考えるうえで、いくつものヒントを与えてくれます。

例えば、

  • 大都市だけでなく、その周辺部や地方都市が新たな生活の拠点になりうること
  • 子育て支援や移住支援は、単発の施策ではなく総合的なまちづくりの一部として取り組む必要があること
  • 「暮らしやすさ」をきちんと伝える情報発信が、人口動態にも影響を与えうること

などです。

日本地図を眺めながら、自分が住んでいる地域や、ゆかりのある場所を重ねて考えてみると、「この地域の強みは何だろう」「どんな人が住みたくなるだろう」といった視点が生まれてきます。
今回取り上げた草津市、神戸市北区を含む兵庫県内の26市町村、南幌町のような取り組みは、全国各地の自治体にとっても、そして私たち一人ひとりにとっても、これからの日本の姿を考える手がかりとなるはずです。

日本地図上のさまざまな地域が、それぞれの個性と工夫で「選ばれるまち」を目指し始めています。
人口減少という大きな流れの中で、それでも一歩ずつ前に進もうとする地域の姿から、私たちは多くを学ぶことができます。

参考元