Netflix初期のオリジナルドラマ『Between』、7月1日に配信終了へ

動画配信サービスNetflix(ネットフリックス)は、同社初期のオリジナルドラマシリーズのひとつである『Between(ビトウィーン)』を、7月1日付けで配信ラインナップから削除することが明らかになりました。作品がNetflix発のオリジナルシリーズでありながら、配信終了となる動きは、視聴者やファンのあいだで大きな話題となっています。

『Between』とはどんな作品?――若者たちの“閉ざされた町”サバイバル

『Between』は、カナダ発のSci-Fi(サイエンス・フィクション)スリラードラマで、閉鎖された小さな町を舞台に、突如謎の疫病によって21歳以上の大人が次々と死亡していくというショッキングな設定から物語が始まるシリーズです。生き残ったのは、10代を中心とした若者たちだけ。大人のいない世界で、彼らがどのように秩序を保ち、生活を成り立たせ、生き延びていくのかが描かれます。

物語の舞台となる架空の町は、疫病の拡大を防ぐために軍によって完全封鎖され、電話やインターネットといった外部との連絡手段もほとんど断たれた状態に置かれます。政府からの十分な支援も望めない中、主人公たちは限られた食料や物資を分け合い、ときには対立しながらも自分たちのルールを作り、町を維持しようと奮闘します。

大人が突然消え、頼るべき存在を失った若者たちが、「自由」と「責任」のあいだで揺れ動きながら、共同体を築いていく――そんなテーマも含まれており、単なるサバイバルドラマにとどまらない、人間ドラマとしての魅力も持った作品です。

主演はジェネット・マッカーディー――“カルト的人気”を集めた理由

本作が特に話題となった理由のひとつが、主演を務めるジェネット・マッカーディー(Jennette McCurdy)の存在です。彼女は、子役時代から人気ドラマに出演し、若い世代を中心に高い知名度を持つ俳優で、コメディ作品で知られていた一方、『Between』ではシリアスな表情を見せています。

『Between』は、全世界で大ヒットした作品というよりも、一部の視聴者から「カルト的な人気」を集めたシリーズとして語られることが多い作品です。設定のインパクトと、低予算ながらも工夫された世界観づくり、そしてジェネット・マッカーディーの演技が、じわじわと評判を呼びました。

大規模な宣伝が行われた作品ではなかったものの、「大人のいない世界で10代がどう生きるか」というテーマは、若い視聴者の共感を呼び、SNS上でも“知る人ぞ知るNetflixドラマ”として語り継がれてきました。

Netflix初期オリジナルの一角――「オリジナル戦略」黎明期の作品

現在のNetflixは、世界中で数多くのオリジナル作品を手掛けることで知られていますが、『Between』は、その「オリジナルシリーズ戦略」の比較的初期に位置づけられる作品です。Netflixがまだオリジナルコンテンツの数を増やし始めた段階で制作されたドラマであり、過渡期を象徴するタイトルのひとつと言える存在でした。

当時のNetflixは、外部スタジオや海外制作会社と提携しながら、配信プラットフォームとして独自のカラーを確立しようとしていた時期です。『Between』のような作品は、いわばその「試行錯誤の成果」であり、現在の多彩なオリジナルラインナップにつながる「実験作」としての意味も持っています。

こうした背景から、『Between』は、Netflixの歴史を振り返るうえでも、「初期オリジナルの顔ぶれ」として記憶されてきました。その作品が配信ラインナップから姿を消すことは、単に一作品が終了するという枠を超え、一つの時代が一区切りを迎える出来事として受け止めるファンも少なくありません。

なぜ「オリジナル作品」がNetflixから消えるのか

今回注目を集めているのは、Netflixオリジナルとされてきた作品が、Netflixから削除される点です。「オリジナルなのに、なぜ自社サービスで見られなくなるのか?」という疑問を持つ視聴者も多い状況です。

一般的に「Netflixオリジナル」と呼ばれる作品には、完全自社制作のタイトルだけでなく、他社が制作した作品の独占配信権を一定期間保有しているタイプの作品も含まれます。後者の場合、配信権の契約期間満了などを理由に、一定のタイミングでラインナップから外れることがあります。

『Between』についても、制作会社や放送局との契約、権利関係などの事情から、7月1日をもってNetflix上での配信を終了するスケジュールとなったとみられています。視聴者からすると「Netflixの作品」という印象が強くても、裏側では複雑な権利調整が存在していることが、今回の事例からも垣間見えます。

配信終了日は7月1日――視聴予定がある人は“視聴期限”に注意

今回の発表で特に重要なのは、配信終了日が明確に「7月1日」と示されている点です。すでに『Between』を視聴中の人、あるいは「いつか見よう」とリストに登録していた人にとっては、事実上の視聴期限を意味します。

  • これから視聴を始めようとしている人は、第1話から余裕を持って見始めることがおすすめです。
  • 途中まで視聴して止まっていた人は、7月1日までに見終えられるペースを逆算すると安心です。
  • 気に入ったエピソードや印象的なシーンは、どこまで視聴したかをメモしておくと、今後別のプラットフォームで再会できたときに思い出しやすくなります。

配信作品は、視聴者の都合に合わせて「いつでも見られる」イメージがありますが、実際には今回のように予告されたタイミングで終了することがある点には注意が必要です。特に、オリジナル表記のある作品でも、こうしたケースが増えつつあるため、気になる作品は早めにチェックしておくのが安心と言えるでしょう。

ファンの間で高まる“喪失感”とアーカイブへの不安

『Between』の配信終了のニュースを受け、作品を支持してきたファンのあいだでは、「もう一度見直しておきたい」「まだ最後まで見ていなかったのに」といった声とともに、複雑な感情も広がっています。特に、物理メディア(DVDやBlu-ray)での入手が難しいタイトルや、他の配信サービスでの扱いが未定の作品にとって、「配信終了=視聴手段の喪失」になりかねないためです。

近年、ストリーミングサービス各社が、コストや権利調整の観点から、過去作品の整理や削除を進める動きが見られます。そのなかには、熱心なファンを持つ作品や、ニッチながらも独自の存在感を示してきたタイトルも含まれており、「作品が突然見られなくなるのではないか」という不安が、視聴者の間にじわじわと広がっています。

『Between』のように、初期のオリジナルとしてサービスの成長を支えた作品が姿を消していくことは、ストリーミング時代のアーカイブのあり方を考えるうえでも、小さくない出来事と言えます。視聴者にとっては、気に入った作品は「いつかまた見る」ではなく、「見られるうちに、しっかり味わっておく」という意識も求められるのかもしれません。

Netflixとオリジナル作品のこれから

今回の『Between』配信終了のニュースは、Netflixが今後どのような作品に力を入れていくのかを考えるきっかけにもなります。初期のオリジナルが徐々に姿を消していく一方で、Netflixは現在も新たなドラマシリーズや映画、アニメ、ドキュメンタリーなど、数多くの新作を送り出し続けています。

ストリーミング市場の競争が激しさを増すなか、各社は「どの作品を残し、どの作品を手放すか」という選択を迫られています。その選択は、単に視聴数や話題性だけでなく、制作費や権利コスト、地域ごとの視聴状況など、さまざまな要因を踏まえて行われます。『Between』のような初期作品も、その流れの中でひとつの区切りを迎えたと見ることができます。

一方で、Netflixがここまで規模を拡大できた背景には、初期オリジナル作品にチャレンジした歴史があることも事実です。大作だけでなく、実験的な作品やニッチな題材のタイトルを送り出してきたことが、結果的に多様な視聴者を惹きつける土台となりました。その“黎明期”を象徴する一作が配信終了を迎えることは、サービスの世代交代を象徴する出来事ともいえるでしょう。

今から『Between』を見る人へのポイント

配信終了が近づいているとはいえ、今から『Between』を見始める価値は十分にあります。これから視聴を検討している人に向けて、いくつかポイントをまとめます。

  • 雰囲気重視のSFスリラーが好きな人におすすめ:派手なCGや大規模なアクションよりも、閉鎖空間での人間関係や心理描写を楽しみたい人に向いた作品です。
  • 10代・若者視点のドラマ:大人のいない世界で、若者たちがどう生きるかという視点が貫かれており、青春ドラマ的な要素も含まれています。
  • Netflix初期の空気を感じられる:現在の大作オリジナルとは少し違う、「試行錯誤の時代」のNetflix作品の雰囲気を味わうことができます。
  • 主演ジェネット・マッカーディーのシリアスな演技:彼女のキャリアの中でも、比較的シリアスな役どころを担った作品として注目することもできます。

すでに視聴したことがある人にとっても、配信終了前に改めて見直すことで、当時とは違った感想を持てるかもしれません。特に、コロナ禍などを経験した今、「隔離された町」「外部との遮断」というテーマには、以前とは異なるリアリティを感じる視聴者も多いでしょう。

「消えていく作品」をどう受け止めるか

『Between』の配信終了は、Netflixのひとつの作品の話であると同時に、デジタル時代のコンテンツ消費のあり方そのものに問いを投げかける出来事でもあります。かつてはDVDやBlu-rayといった物理メディアを手元に残すことで、作品を「自分のもの」として長く楽しむことができました。しかし、ストリーミング全盛の今、私たちが接している多くの作品は、「サービス側の判断で、ある日突然見られなくなる可能性」を常に抱えています。

その意味で、『Between』が7月1日をもってNetflixから姿を消すという事実は、視聴者に「見たいと思った作品には、できるだけ早く手を伸ばしてほしい」というメッセージを投げかけているようにも感じられます。配信サービスは便利で身近な存在である一方で、その裏側にある契約や権利の仕組みを意識することも、これからの時代を生きるうえで大切になっていきそうです。

Netflix初期オリジナルシリーズの一角を担ってきた『Between』。配信終了の日が近づく今こそ、その物語と向き合い、若者たちが閉ざされた町でどう生き抜こうとしたのかを、改めて見届けてみてはいかがでしょうか。

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