女芸人No.1決定戦「THE W」終了へ――M-1と歩んだ女芸人たちの現在地

日本テレビの人気お笑いコンテスト番組「女芸人No.1決定戦 THE W」が、今年の開催を見送り、番組としては一度「終了」となることが報じられました。この記事では、そのニュースの概要とともに、お笑い界で長く活動してきたコンビ「はりけ~んず」の動きや、「M-1グランプリ」との関係性をやさしく整理してお伝えします。

「THE W」が今年は開催されず…番組は一度終了に

日テレ系で毎年開催されてきた「女芸人No.1決定戦 THE W」は、女性芸人の中から「一番おもしろい女芸人」を決める大会として、2017年のスタート以来、多くの笑いとスターを生み出してきました。
しかし、最新の報道によると、今年は大会自体が開催されず、レギュラーの年1回開催としては終了となる方針が示されています。

ニュースでは、番組自体を完全にやめてしまうというよりも、今後は「不定期開催」の形が検討されているとされています。つまり、これまでのような「毎年必ずある決定戦」という形から、企画やタイミングを見ながら行う特番的な開催へと変わっていく可能性が高いということです。

背景としては、お笑いを取り巻く環境の変化や、配信・SNSなど発表の場の多様化、そして賞レースそのものの在り方が改めて見直されていることなどがあるとみられています。これは「THE W」に限らず、さまざまなコンテストやバラエティ番組が直面している共通のテーマでもあります。

「THE W」とはどんな大会だったのか

改めて、「THE W」がどのような大会だったのかを簡単に振り返ってみましょう。

  • 女性芸人に特化した賞レース
    「女芸人No.1決定戦」の名の通り、出場資格は女性芸人(プロ・アマ問わず)でした。
    コンビ・トリオ・ピン芸人・ユニットなど、人数や形態は自由で、芸歴や事務所も問われませんでした。
  • 優勝賞金1000万円
    優勝者には賞金1000万円が贈られ、お笑い界でもトップレベルの高額賞金レースとして位置づけられていました。
  • 日テレ系で生放送の決勝
    決勝戦は日本テレビ系で生放送され、多くの視聴者がリアルタイムで見守る「冬のお笑いイベント」の一つとなっていました。
  • 女性芸人の活躍の場を拡大
    出場者・ファイナリストからは、のちにバラエティ番組やドラマ、CMなどで活躍する芸人も多く、女性芸人の認知度を一気に高める役割を果たしてきました。

とくにここ数年は、芸風の幅広さも注目されていました。コント、漫才、一人芝居、歌ネタ、キャラクターものなど、女性芸人ならではの視点や発想がぶつかり合う場として、多くのお笑いファンの支持を集めてきました。

「不定期開催」へ――女芸人たちにとっての意味

「今年の『THE W』は開催されず、今後は不定期開催も」という報道は、多くの芸人やファンに少なからずショックを与えました。とはいえ、完全終了ではなく「形を変える」可能性が明確に示されている点は重要です。

女芸人にとって、「THE W」は以下のような意味を持つ存在でした。

  • 自分を知ってもらう大きなチャンス
    テレビでネタを披露し、多くの人に名前と顔を覚えてもらう絶好の機会でした。
  • 「女性芸人」にスポットを当てる舞台
    男女混合のコンテストではどうしても男性芸人が目立ちがちな中で、女性だけが主役になれる場であったことは大きな意味があります。
  • ネタ作りの目標
    毎年末の大会を目標に、1年間ネタを練り上げる芸人も多く、創作意欲をかき立てる装置でもありました。

その意味で、「毎年必ずある大会」ではなくなることは、活動のリズムや目標設定にも影響を及ぼすと考えられます。一方で、「不定期開催」だからこそ、特別感のある大会として準備期間を長く取れる新しい形の企画を盛り込みやすいといった可能性もあります。

M-1と歩んだベテラン「はりけ~んず」の現在

女性芸人の賞レース「THE W」のニュースと並行して、M-1グランプリを知り尽くしたベテランコンビ「はりけ~んず」にも注目が集まっています。彼らは、長年にわたり「M-1グランプリ」の前説芸人として大会を支えてきたコンビです。

最近、「はりけ~んず」は初の自伝本を出版し、過去の大会を振り返る中で、19年前の敗者復活戦の思い出など、これまで詳しく語られてこなかった裏側を明かしています。敗者復活戦は、決勝進出を逃した芸人たちが最後のチャンスをかけて挑む場であり、そこには多くのドラマや悔しさ、そして笑いが詰まっていました。

また、別のインタビューでは、芸歴36年で初めて相方に心配されたというエピソードも披露されています。長く「前説芸人」としてステージを温める役割を担ってきた「はりけ~んず」が、ある日ついに「プレーヤーになった日」の心境を語ったことで、大きな反響を呼びました。

ここでいう「プレーヤー」とは、単に舞台に立つこと以上に、自分たちが中心になってお笑いの流れを作り、観客の注目を一身に集める存在になるという意味合いが強いといえます。長年裏方に近い役割を担ってきた彼らだからこそ、その瞬間の重みや喜びが伝わる内容となっています。

「前説芸人」と賞レース――支える側から見たお笑いの世界

「はりけ~んず」は、M-1グランプリの会場で、観客を温める前説を長年務めてきました。前説芸人は、放送にはほとんど映らないものの、本番の盛り上がりを左右する重要な役割を担っています。

観客が緊張していたり、会場全体がまだ温まりきっていない状態では、どんなに面白い漫才でも100%の力を発揮しづらくなります。そこで前説芸人は、

  • 会場を笑いでほぐす
  • 拍手やリアクションの練習をしてもらう
  • その日の観客の空気をつかむ

といった役割を担い、本番の芸人が全力を出せる環境を整えます。

そんな「支える側」に長く立ってきた彼らが、自分たちの歴史を振り返る自伝を出し、「プレーヤー」について語るという動きは、お笑いの世界が単に「勝ち負け」だけではなく、そのプロセスや支える人々にも光を当て始めていることの象徴ともいえます。

「THE W」終了とベテランの言葉が投げかけるもの

「THE W」が今年は開催されないというニュースと、「はりけ~んず」が語るM-1の歴史やプレーヤーの喜び。これらは一見別々の話のようですが、実はお笑い賞レースの「これから」を考えるヒントになっています。

賞レースは、もちろん「勝てば嬉しい」「名前が売れる」という大きなメリットがあります。しかし同時に、プレッシャーの大きさや、結果だけで評価されてしまう怖さも抱えています。その中で、「はりけ~んず」のように、長くコンテストの現場に立ち続けてきた芸人の言葉は、とても説得力があります。

彼らのエピソードからは、

  • 表舞台だけでなく、裏方や前説など、多くの役割でお笑いは支えられていること
  • 「いつプレーヤーになるか」は芸人それぞれのタイミングであり、焦らず続けることの大切さ
  • 賞レースの結果だけが全てではなく、そこで生まれる経験や出会いが芸人を成長させること

といったメッセージが読み取れます。

「THE W」が形を変えようとしている今だからこそ、目に見える「結果」だけでなく、お笑いに関わる人たちの歩みや感情に目を向けることが、ますます重要になってきているのかもしれません。

女芸人たちのこれから――舞台はテレビの外にも広がる

「THE W」のレギュラー開催が終わりを迎えたからといって、女芸人たちの活躍の場がなくなるわけではありません。むしろ、最近では次のような場がどんどん広がっています。

  • 配信プラットフォームや動画サイト
    ネタ動画や企画動画を自分たちで配信し、ファンと直接つながる芸人が増えています。
  • SNSでの発信
    短いコント風動画や日常の一コマを通じて、芸人自身のキャラクターや考え方が伝わりやすくなっています。
  • 劇場・ライブシーンの充実
    若手からベテランまで、多くの女芸人が劇場ライブに積極的に出演し、テレビとは違う距離感の近い笑いを届けています。

賞レースは、その中の一つの大きな舞台に過ぎません。もちろん、「THE W」が担ってきた役割はとても大きく、簡単に代わりになるものはありませんが、笑いを届ける手段や場所は確実に増えています

また、過去の「THE W」出場者やファイナリストは、その経験をもとに、バラエティやラジオ、ラジオ配信、ドラマ、執筆活動など、多方面で活躍の場を広げています。
これは、「一つの賞レースの終わり」が、必ずしも「キャリアの終わり」を意味しないという、心強い事実でもあります。

ファンにできること――笑いを受け止める側として

賞レースの形が変わっていく中で、ファンにできることもたくさんあります。

  • 劇場や配信ライブを観に行く・購入する
  • ネタ動画や番組を観て、面白かったら周りに紹介する
  • SNSで感想を投稿し、芸人本人に届くようにする

こうした一つひとつの行動が、芸人にとっての「次の一歩」を後押しします。
「THE W」や「M-1」といった大きな大会はもちろん特別ですが、それ以外の日常的な活動の中にも、たくさんの笑いとドラマが詰まっています。

「はりけ~んず」が語るような、長い年月をかけて培われた経験や、プレーヤーになるまでの道のりは、これからの女芸人たちにも、きっと重なる部分があるはずです。賞レースの有無に関わらず、そうした物語に耳を傾け、笑いを楽しむ姿勢が求められていると言えるでしょう。

おわりに――変わりゆくお笑い賞レースの時代に

女芸人No.1決定戦「THE W」が今年は開催されず、番組としては終了というニュースは、お笑い界にとって大きな節目の一つになりました。
同時に、「M-1グランプリ」を長年支えてきた「はりけ~んず」が自らの歩みを語り、プレーヤーとしての喜びや苦悩を明かしているタイミングでもあります。

賞レースの在り方が見直される今、笑いの形も、芸人の戦い方も、観客の楽しみ方も、少しずつ変化しています。けれど、「人を笑顔にしたい」「自分のネタを届けたい」という根っこの思いは、これからも変わらないはずです。

テレビの大きな舞台でも、配信の小さな画面でも、劇場の一番後ろの席でも――。
私たちが笑いを受け止め、楽しみ、広げていくことで、新しい世代の女芸人たちも、そしてベテラン芸人たちも、また次のステージへと歩みを進めていくでしょう。

参考元