和歌山県で梅の収穫が本格化 南高梅は3年連続の不作、小梅は生育順調

和歌山県の梅の産地で、今年も収穫の季節が本格的に始まりました。みなべ・印南では南高梅の収穫が進む一方、田辺市では小梅の収穫が始まり、希少品種「パープルクィーン」の手摘みも最盛期を迎えています。

和歌山県は全国有数の梅の産地として知られており、初夏の風物詩でもある梅の収穫は、地域の暮らしや食文化を支える大切な営みです。今年は品種ごとに状況が分かれていて、南高梅は3年連続の不作となる一方、小梅は生育が良く、順調な収穫が見込まれています。

南高梅は3年連続の不作 みなべ・印南で収穫が始まる

和歌山県みなべ町と印南町では、主力品種の南高梅の収穫が始まりました。南高梅は大粒で果肉が厚く、梅干しや梅シロップなどの原料として高い人気がありますが、今年は3年連続の不作となっています。

梅の産地では毎年、天候や開花の時期、実のつき方によって収穫量が変わります。とくに南高梅は和歌山県を代表する品種だけに、収量の増減は生産者にとって大きな関心事です。今年も収穫作業は始まったものの、例年と比べて実りが少なく、農家は一つひとつの実の状態を確かめながら丁寧に作業を進めています。

南高梅は和歌山県の梅産業の中心を担う存在であり、梅干し用としてはもちろん、加工品の原料としても重要です。そのため、不作が続くことは地域経済にも少なからず影響を与えます。生産者にとっては、品質を保ちながら限られた収穫量を確保することが、今年の大きな課題となっています。

田辺市では小梅の収穫が始まる 約630トンの出荷見込み

一方、田辺市では小梅の収穫が始まりました。今年は生育が良好で、約630トンが京阪神を中心に出荷される見込みです。小梅は梅干しにするだけでなく、梅シロップや梅ジュースの材料としても親しまれており、家庭でも使いやすいサイズが特徴です。

小梅は南高梅に比べると粒が小さいものの、用途が広く、需要も安定しています。今年は生育が良いことから、収穫作業も比較的順調に進んでいるようです。収穫された梅は選果や箱詰めを経て、市場や量販店などへ届けられ、関西圏の食卓を支えます。

和歌山県の梅は、味の良さや品質の高さで知られています。とくに田辺市周辺は古くから梅栽培が盛んな地域で、生産者は長年にわたり土づくりや樹の管理を重ねてきました。こうした積み重ねが、安定した品質の梅を支えています。

希少品種「パープルクィーン」も最盛期 梅酒や梅ジュースに人気

田辺市では、希少品種「パープルクィーン」の収穫も最盛期を迎えています。パープルクィーンは、小梅の中でも特徴のある品種で、梅酒や梅ジュースづくりに向いていることで知られています。鮮やかな色合いも魅力のひとつで、見た目にも楽しめる梅として注目されています。

収穫は一粒ずつ手摘みで行われており、生産者は実を傷つけないよう慎重に作業しています。手間はかかりますが、そのぶん丁寧に収穫された梅は、加工したときの風味や仕上がりにもつながります。

生産者は「梅酒や梅ジュースを楽しんで」と呼びかけており、旬の時期ならではの味わいを家庭で楽しんでもらいたい考えです。梅は古くから保存食や飲み物の材料として親しまれてきましたが、近年は自家製の梅シロップや果実酒を楽しむ人も増え、改めて注目を集めています。

和歌山の梅文化を支える収穫の現場

和歌山県の梅の収穫は、単なる農作業ではなく、地域の文化や産業を支える大切な季節の仕事です。南高梅、小梅、パープルクィーンと、品種ごとに表情は異なりますが、いずれも生産者の手で丁寧に育てられ、初夏の味として全国へ届けられます。

今年は南高梅で不作が続く一方、小梅は生育が良く、明るい話題も見られました。品種によって状況が分かれる中でも、現場では品質を大切にしながら収穫が進められています。和歌山県の梅づくりが、今年も季節の移ろいとともに静かに始動しています。

参考元