5月31日は特別な満月「ブルームーン&マイクロムーン」 夜空をゆっくり見上げてみませんか

5月31日の夜空には、ちょっと特別な満月が昇ります。「ブルームーン」であり、さらに「マイクロムーン」という条件も重なった、めずらしい満月です。
この記事では、「ブルームーンって月が青く見えるの?」「マイクロムーンって何?」という素朴な疑問に、やさしい言葉でお答えしながら、今週の夜空の楽しみ方をご紹介します。

そもそも「ブルームーン」とは?月が青くなるわけではない

「ブルームーン」という言葉を聞くと、「本当に青い月が見えるの?」と思ってしまいますが、ブルームーンだからといって月が青く光るわけではありません
天文学や暦の世界で使われる「ブルームーン」には、いくつかの定義がありますが、もっともよく使われるのは次の意味です。

  • ひと月の間に満月が2回起こったとき、2回目の満月を「ブルームーン」と呼ぶ

暦の都合で、だいたい2〜3年に1回ほどしか起こらない、という珍しさから、「ブルームーン」は「めったに起こらないこと」「とても珍しいこと」の象徴としても使われています。英語の慣用句「once in a blue moon(めったにない)」もここから来ています。

なお、大気中のちりや煙、火山噴火の影響などで、月が本当に青っぽく見えることも、歴史上にはありました。ただし、このように「色として青く見える月」と、暦上の現象としての「ブルームーン」は、別の話として区別して考えるのが一般的です。

なぜ「ブルー」?名前の由来と意味

「ブルームーン」という名前の由来については、諸説ありますが、現在一般的に使われている定義は、20世紀半ばの英語圏の暦・天文解説記事で広まったと言われています。
英語では「blue」には「憂うつ」「さびしさ」といった意味もあるため、季節や暦のリズムから少しはみ出した「特別な満月」を、象徴的に「ブルー」と呼ぶようになったとも解釈されています。

いずれにせよ、ブルームーンだから空が青く染まるわけではありません。見た目は、いつもの満月とほとんど変わらない、明るく黄色〜白っぽい月です。
ただ、「今夜はブルームーンなんだ」と知って眺めることで、いつもの月よりほんの少し特別に感じられる、それがブルームーンのいちばんの魅力かもしれません。

今回の満月は「マイクロムーン」でもある

5月31日の満月には、もうひとつの特徴があります。それが「マイクロムーン」です。
月の公転軌道は、きれいな円ではなく、少し楕円形をしています。そのため、

  • 地球に最も近づいたときの満月を「スーパームーン」
  • 地球から最も遠ざかったあたりの満月を「マイクロムーン」

と呼ぶことがあります。
マイクロムーンは、スーパームーンと比べると、見かけの大きさが少しだけ小さく、明るさもわずかに控えめになります。ただし、その差は肉眼ではっきりわかるほど大きくはないため、「言われてみればそうなのかな?」という程度の違いです。

それでも、「珍しいブルームーン」かつ「マイクロムーン」という条件が重なるのはそう多くはありません。「大きくて迫力のあるスーパームーン」とは逆の、落ち着いた、遠くからそっと見守るような月の姿を楽しめる夜になるでしょう。

世界で撮影されたブルームーンの姿:イタリア・カラーショの城と満月

ブルームーンは、日本だけでなく世界中で話題になる現象です。
たとえば、2024年8月には、イタリアのカラーショという街にある城の背後に、ブルームーンでもある満月が沈んでいく様子が撮影されています。古い石造りの城と、地平線近くまで下りてきた大きな月が重なる光景は、とても幻想的で、世界中のニュースやSNSで大きな注目を集めました。

このように、ブルームーンそのものの「色」や「大きさ」が、普段と劇的に違うわけではなくても
・どこで見るか
・何と一緒に眺めるか(城、山、海、街の景色など)
によって、その美しさは何倍にもふくらみます。

日本でも、お城、海辺、山の稜線、高層ビル群など、月と組み合わせて美しく見える風景はたくさんあります。近くに高台があれば、月の出や月の入りを、街の明かりと一緒に眺めてみるのもおすすめです。

今週の夜空の楽しみ方:金星と木星の接近、しし座の“最後の雄姿”も

今週の夜空は、ブルームーンの満月だけでなく、金星と木星の接近や、しし座の見納めの時期とも重なっています。ひと晩で、いろいろな天体ショーを楽しめるチャンスです。

金星と木星の接近:明るい2つの星を探してみよう

金星と木星は、夜空でとても目立つ「惑星の主役」です。

  • 金星:太陽、月についで明るく輝く天体。「明けの明星」「宵の明星」として古くから親しまれてきました。
  • 木星:夜空で最も明るい惑星のひとつ。少し黄みがかった、安定した明るさが特徴です。

この2つの惑星が、今週は空の中で比較的近い位置に見える「接近」の時期を迎えます。
肉眼でも十分にはっきり見えるほど明るい星どうしなので、街中でも見つけやすいのがうれしいポイントです。
ブルームーンの明るい光のそばで、少し控えめながらもしっかり光っている金星や木星を探してみると、「月と惑星の共演」という、また違った楽しみ方ができます。

しし座の“最後の雄姿”を見届ける

春から初夏にかけての夜空を彩ってきたしし座も、そろそろ見納めの時期に入ります。
しし座は、「?」マークを左右反転させたような星の並び(鎌の形)と、その後ろに伸びる三角形の星々で構成されています。ライオンが堂々と寝そべっているようなイメージで、星座早見表やアプリでも見つけやすい人気の星座です。

しかし、季節が進むにつれて、しし座はだんだんと西の空へと傾き、観察できる時間が短くなっていきます。
ブルームーンの夜は、満月の明るさで暗い星がやや見えにくくなりますが、それでも、しし座の中でも明るい星々は確認できます。
「春の星座が、夏の星座にバトンを渡すタイミング」に立ち会えるという意味でも、今週の夜空はとても味わい深い時間帯です。

ブルームーンを安全&快適に楽しむためのポイント

せっかくのブルームーンの夜を、できるだけ快適に楽しむために、いくつかのポイントをご紹介します。

  • 月の出・月の入り時刻をチェック
    満月は一晩中出ているイメージがありますが、実際には「どの方角から何時ごろ昇るか」「いつ沈むか」が日ごとに変わります。天気予報サイトや、天文情報アプリなどで、5月31日の月の出・月の入りの時刻をあらかじめ確認しておくと、見逃しを防げます。
  • ビルや山に遮られない場所を探す
    月の出・月の入りは、地平線近くの低い位置で起こるため、建物や山に隠れて見えないことがあります。東西方向に視界が開けた公園や河川敷、高台などを選ぶと、より長い時間ブルームーンを楽しめます。
  • 双眼鏡やカメラがあればさらに楽しい
    肉眼でも十分楽しめますが、双眼鏡があると、月のクレーターや海(暗く見える斑点)まで、よりくっきりと観察できます。カメラで撮影する場合は、明るすぎて白飛びしないよう、露出を少し抑えると、模様がきれいに写りやすくなります。
  • 長時間の観察は首や腰に負担も
    空を見上げ続けていると、首や腰に負担がかかることがあります。ときどき姿勢を変えたり、ベンチやレジャーシートに座ったり寝転んだりしながら、無理のない体勢で楽しみましょう。
  • 夜の気温と防寒対策
    日中が暖かくても、夜は意外と冷え込むことがあります。長時間外にいる場合は、薄手の上着やひざ掛けなどを用意しておくと安心です。

子どもと一緒に「月の不思議」を話してみよう

ブルームーンの夜は、子どもと一緒に空を見上げて、月や星の話をするきっかけにもなります。
たとえば、こんなテーマで話してみるのもおすすめです。

  • なぜ満月になるの?
    月は地球のまわりを回りながら、太陽の光を反射して光っています。太陽・地球・月の位置関係が一直線に近くなり、月の地球から見える側全体が太陽に照らされると、満月として見えることを、簡単な図で説明してみると、理解しやすくなります。
  • どうして月の形は変わるの?
    新月・三日月・半月・満月と、日々変わる月の形も、すべて太陽と地球と月の位置関係の違いによるものです。「今日はどんな形かな?」と、数日間続けて観察してみると、月のサイクルが体感的にわかってきます。
  • ブルームーンはどれくらいの頻度で起こるの?
    カレンダーを見ながら、「1か月の間に2回満月があるのは、だいたい2〜3年に1回くらいなんだよ」と話してあげると、「めったにない特別な日」という印象が、より心に残るかもしれません。

「めったにない」夜を味わう気持ちで

ブルームーンもマイクロムーンも、そして金星や木星の接近、しし座の“最後の雄姿”も、どれも自然が刻むリズムの中で生まれる現象です。
たとえ雲が出て、思っていたように見えなかったとしても、「今夜はこんな空なんだな」と、少しだけ空を気にかけてみることで、いつもの一日がほんの少しだけ特別なものになるかもしれません。

5月31日の夜、もし空が開けていたら、ぜひ外に出て、いつもより少しだけ長く夜空を見上げてみてください。
そこには、めったにないブルームーンと、静かに季節の移ろいを告げる星々が、変わらず輝いているはずです。

参考元