香港、資産運用とファミリーオフィス誘致で存在感を強める 「境外資産管理中心」争いに変化

香港が、世界の富裕層資産を扱う拠点として再び注目を集めています。最新の報道では、香港がスイスを上回り、世界最大の境外資産管理中心になったと伝えられました。

あわせて、香港政府はファミリーオフィスや基金の誘致を進めるため、税制の見直しを含む制度整備を急いでいます。財経担当の陳浩濂氏は、来月に税務修訂草案を提出する方針を示し、基金や家族オフィスの香港誘致をさらに進めたい考えを示しました。

世界の富の流れに変化、香港がスイスを上回る

香港の資産運用業界は、長年にわたりアジアの国際金融ハブとして機能してきました。香港は中国本土との近さ、国際金融インフラ、税制面の利点などを背景に、プライベートバンキングやヘッジファンド、資産管理の分野で強みを持っています。

今回の報道が示すポイントは、そうした香港の地位が単なる地域拠点にとどまらず、世界の境外資産管理の中心としての評価にまで広がっていることです。 境外資産管理とは、自国以外の市場や制度を使って富裕層の資産を運用・保全する仕組みを指し、国際金融都市の競争力を測る重要な指標の一つです。

ファミリーオフィス誘致を支える制度づくり

香港政府が力を入れているのが、ファミリーオフィスの誘致です。ファミリーオフィスは、超富裕層や一族の資産を中長期で管理する専門組織で、投資運用だけでなく、資産承継や税務、慈善活動の管理なども担います。

香港では、ファミリーオフィスの規模は大きく、運用資産が10億ドルから100億ドル以上に及ぶケースもあるとされています。 こうした拠点を呼び込めれば、金融機関、法律事務所、会計事務所など関連産業にも波及効果が見込まれます。

今回の動きで注目されるのは、政府が「誘致」だけでなく、エコシステムの整備を重視している点です。制度や税制、人材育成を組み合わせることで、単発の拠点誘致ではなく、継続的に資産運用ビジネスが集まる環境を作ろうとしています。

税制改正で国際金融機関を呼び込む狙い

陳浩濂氏が示した来月の税務修訂草案は、基金や家族オフィスの香港進出を後押しする政策の一環とみられます。 報道では、税制面の見直しが、国際的な基金やファミリーオフィスにとって香港をより使いやすい場所にする狙いを持つと伝えられています。

香港はこれまでも、国際金融センターとしての地位を維持するため、税制や規制の整備を進めてきました。 こうした取り組みは、アジアの他の金融都市との競争が激しくなる中で、香港の魅力を保つために重要だとみられます。

一方で、制度の魅力だけでなく、実際に事業を運営する環境が整っているかどうかも重要です。ファミリーオフィスに必要な専門人材、資産管理の知見、国際法務、金融インフラがそろって初めて、拠点としての価値が高まります。

香港の強みは「中国」と「国際」の両面

香港が資産運用拠点として強い理由の一つは、中国本土との接点国際市場への接続力を併せ持つ点です。香港は中国金融資本市場の開放や人民元国際化の流れの中で、国際金融センターとしての役割を強めてきました。

さらに、香港はアジアの国際資産管理ハブとして、越境プライベートウェルスマネジメントやヘッジファンド分野でも存在感を持つと指摘されています。 今回の報道は、その地位が改めて評価されていることを示しています。

また、香港基本法第109条は、香港の国際金融センターとしての地位を維持することを行政当局に求めています。 これは、香港が制度面でも金融都市としての役割を重視していることを示す根拠の一つです。

今後の焦点

今回の話題で重要なのは、香港が単に「資金が集まる場所」ではなく、資産運用・税制・人材・制度を組み合わせて、世界の富裕層ビジネスを取り込む拠点として再評価されている点です。

今後は、税務修訂草案の内容や、ファミリーオフィス誘致に向けた具体策がどこまで実効性を持つかが注目されます。 また、香港がスイスに代わる境外資産管理中心としての地位をどこまで維持できるかも、国際金融市場の関心事になりそうです。

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