スバル「エクシーガtS」と「BRZ tS」に見る、STIコンプリートカーの魅力
スバルのSTIコンプリートカーは、ベース車の持ち味を生かしながら、走りの質をさらに高めた特別仕様として注目を集めてきました。とくにエクシーガtSとBRZ tSは、限定台数で登場したこともあり、今あらためて話題になっています。
今回のニュースでは、2012年に登場した「エクシーガtS」と、2015年に発売された「BRZ tS」シリーズ第2弾が取り上げられています。どちらもSTIが手を入れた限定車で、スバルらしい走りをより強く感じられるモデルとして位置づけられました。
ステーションワゴン風ミニバンとして登場した「エクシーガtS」
「エクシーガtS」は、スバルのミニバンであるエクシーガをベースにしたモデルで、ステーションワゴンのような伸びやかな雰囲気を持ちながら、3列7人乗りを実現していたのが特徴です。
ベース車の実用性を保ちながら、STIによって走行性能を引き上げた点が大きな魅力でした。エクシーガtSは限定300台で、375万円という価格で2012年に登場しています。
搭載されるエンジンはEJ20型の2.0リッター水平対向4気筒ターボで、最高出力は225ps、最大トルクは33.2kg・mとされています。 さらに、フルタイム4WDを採用し、全長4740mm、全幅1775mm、全高1650mmというサイズで、ファミリー向けの使いやすさと走りの楽しさを両立していました。
STIコンプリートカーとしてのエクシーガtSは、単なる装飾モデルではありません。STIの歴代モデル紹介でも、専用エンブレムや専用装備を備えた特別な1台として紹介されており、走りにこだわるユーザーへ向けた明確なメッセージが込められていました。
走りを前面に出した「BRZ tS」シリーズ第2弾
一方で「BRZ tS」は、2ドアスポーツカーであるBRZをベースにしたSTIコンプリートカーです。2015年にはシリーズ第2弾として、300台限定、399万円から発売されました。
BRZ tSは、エクシーガtSのような実用重視のモデルとは方向性が異なり、より純粋に運転の楽しさを追求したモデルです。STIによる専用チューニングで、走行性能やハンドリングの質を高めたことが特徴でした。 こうした限定車は、スバルのモータースポーツ文化やSTIの技術力を身近に感じられる存在として支持されてきました。
「tS」という名前が示すもの
スバルのSTIコンプリートカーに付く「tS」は、特別な走りを持つモデルであることを示す記号のようなものです。外観では「tS」や「STI」のエンブレムが与えられ、見た目からも通常モデルとの違いが分かるようになっています。
ただし、その本質は見た目の変化よりも、走りの中身にあります。サスペンションや制動、ボディの一体感など、日常走行でも違いを感じやすい部分に手が入ることで、ベース車とはひと味違う完成度を持たせているのが特徴です。エクシーガtSの試乗記でも、質感の高い仕上がりが印象として紹介されていました。
限定車ならではの注目度
エクシーガtSもBRZ tSも、いずれも300台限定という希少性が大きな話題になりました。 限定車は生産台数が少ないため、中古車市場でも一定の注目を集めやすく、今でも検索される機会が少なくありません。
特にエクシーガtSは、7人乗りの実用性を持ちながらSTIの手が入った点がユニークでした。ミニバンやワゴン系の使い勝手を求めつつ、走りの楽しさもあきらめたくないという層にとって、非常に魅力のある選択肢だったといえます。
BRZ tSはその逆に、走りを最優先にしたモデルとして、スポーツカー好きの関心を集めました。どちらもスバルが得意とする水平対向エンジンと4WD、あるいはFRスポーツの素性を生かしながら、STIの技術で個性を際立たせた点に共通点があります。
スバルとSTIが積み重ねてきた限定コンプリートカーの系譜
今回取り上げられた2台は、スバルとSTIが長年積み重ねてきた限定コンプリートカーの系譜をよく表しています。エクシーガtSは「家族で使えるのに走りも楽しい」という方向性を示し、BRZ tSは「本格スポーツカーをさらに磨き上げる」という方向性を示しました。
どちらもベース車の魅力を消さずに、STIならではの味付けで価値を高めている点が共通しています。こうしたモデルは、単なる特別仕様車ではなく、スバルらしさやSTIの思想をわかりやすく伝える存在として、今も多くのファンに記憶されています。



