米研究所「ロシア・ウクライナ両軍の死傷者は最大200万人」 侵攻の長期化で損失拡大
ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は、両軍の死傷者が合計で最大200万人を超えたとする分析を公表しました。報道によると、ロシア軍の損失が特に大きく、戦争の長期化が人命と軍事力の両面で深刻な負担になっていることが浮き彫りになっています。
CSISの推計では、ロシア軍の死傷者・行方不明者は約140万人に上り、そのうち40万~45万人が死亡したとされています。 一方、ウクライナ軍の死傷者は約52万5000~62万5000人で、死者は12万5000~15万人と見積もられています。 これらを合計すると、両軍の死傷者は最大200万人規模に達する計算です。
この数字は、侵攻開始から約4年半が経過する中で、戦闘がいかに消耗の大きいものになっているかを示しています。AFPは、この状況を「スターリングラードを超える惨状」と伝え、歴史的な大激戦を上回るほどの人的損失だと報じました。 第二次世界大戦後の米軍の戦死者数と比べても、ロシア軍の損失は桁違いと受け止められています。
CSISは、2026年前半にロシア軍の死傷率が大きく悪化したとも分析しています。報道では、ウクライナ軍1人が死傷する間にロシア軍が8人近く死傷する水準に達したとされ、ロシア側が戦場で厳しい局面に置かれていることが示されました。 また、ウクライナ側の無人機を活用した反撃が、ロシア軍の動きを制約しているとみられています。
ロシア側についてCSISは、「軍事的な主導権」を失いつつあると指摘しています。 前線での損害が続く一方で、支配地域の拡大は進まず、むしろ戦果に見合わない代償を払い続けているという見方です。 こうした状況は、兵力の消耗だけでなく、装備や補給、国内世論にも影響を及ぼしているとみられます。
一方で、ウクライナ側も大きな犠牲を強いられています。推計では、死傷者は50万人台後半から60万人台前半に達し、死者も10万人台半ばにのぼる可能性があります。 侵攻の長期化は、前線の兵士だけでなく、国内の社会や経済にも重い負担を残しています。
報道によれば、米研究機関はロシアに対し、さらなる経済制裁の強化が必要だとの認識も示しました。 物価高騰や国民生活への圧迫が続くなか、戦争継続のコストが一段と重くなっているとの分析です。 戦場での損失と国内の疲弊が同時に進むことで、ロシアの戦争遂行能力にも影響が出る可能性があります。
ただし、これらの数字はあくまで米シンクタンクによる推計であり、実際の死傷者数には幅があります。 戦時下では正確な統計の把握が難しく、各国や機関ごとに推計方法も異なります。それでも、複数の報道が共通して伝えているのは、両軍とも極めて大きな人的損失を出しているという点です。
戦争が長引くほど、前線で失われる命の重さは増していきます。今回の分析は、ウクライナ侵攻が単なる軍事衝突ではなく、歴史的規模の消耗戦になっている現実を改めて示しました。



