NECが「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026熊本」に協賛――自然とテクノロジーで未来の社会を描く
熊本市の熊本城ホールで開催される国際会議「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026(GLOBAL NATURE POSITIVE SUMMIT 2026 KUMAMOTO JAPAN)」に、NECおよびNECグループ各社が登壇・出展し、自然と共生する新しい社会づくりへの貢献を表明しました。このサミットは、自然の損失を止め回復へと転じる「ネイチャーポジティブ」の実現に向け、世界中の行政、企業、市民が集い議論する重要な場です。
会期は2026年7月14日(火)〜15日(水)、会場は熊本県熊本市中央区桜町にある熊本城ホールで、世界各国の有識者や企業が集まり、生物多様性保全と経済活動の両立に向けた最新の知見や取り組みが紹介されます。同時開催の展示会「NATURE TECH!」は入場無料で、環境負荷低減に貢献する製品・サービスが多数披露される予定です。
シンク・ネイチャーによる協賛――「ネイチャーポジティブ」を社会に広げる
今回のサミットには、ネイチャーポジティブに関する発信や連携を進める団体・企業が多数協賛しており、その一つが「シンク・ネイチャー」です。シンク・ネイチャーは、自然環境を「守るべき対象」としてだけでなく、企業や地域の価値を高める「資本」として捉え直し、自然と経済の好循環をつくることを目的とした取り組みを続けています。
協賛の背景には、世界的に広がる「ネイチャーポジティブ」の流れがあります。ネイチャーポジティブとは、生物多様性の損失を食い止め、2030年までに「自然を回復軌道に乗せる」ことを目標とする考え方で、2022年に196カ国が合意した「グローバル生物多様性枠組(GBF)」の実施を加速するためのキーワードとなっています。
シンク・ネイチャーは、この国際的な枠組みのもとで、日本発の自然共生ビジネスを広げることをねらいとしており、熊本で開催される第2回サミットへの協賛を通じて、企業・自治体・市民との対話や連携を一層深めたい考えです。
ネイチャーポジティブ・イニシアティブ代表が語る「自然は収益に直結する」という経営の視点
サミットを主催する「ネイチャーポジティブ・イニシアティブ(Nature Positive Initiative)」は、国際自然保護連合日本委員会やICLEI日本などと連携し、生物多様性保全と社会・経済活動の橋渡し役を果たしています。その代表は、今回のサミットに向けて、「自然は企業収益に直結する」というメッセージを繰り返し発信しています。
一見すると「自然保護」と「収益」は相反するものと思われがちですが、代表は次のようなポイントを強調しています。
- 自然資本は事業の基盤:水、土壌、生態系サービス(洪水緩和、気候緩和、景観価値など)は、多くの産業にとって不可欠な基盤であり、これらが失われれば事業そのものが持続できなくなる。
- リスク低減が競争力につながる:自然災害や水不足、資源枯渇は、事業中断やコスト増加につながる重大なリスクです。自然保全や生物多様性配慮は、こうしたリスクを低減し、中長期的な収益安定につながる。
- 新市場・イノベーションの源泉:自然に配慮した製品・サービス、自然再生型のインフラや地域づくりなど、「ネイチャーポジティブ」を軸にしたビジネス領域は世界的に拡大しており、新たな収益機会を生み出している。
代表は、こうした観点から「ネイチャーポジティブはCSRの延長ではなく、経営戦略そのもの」であるとし、企業に対して、サプライチェーン全体で自然への影響を可視化し、目標設定と投資判断に組み込むことを呼びかけています。
また、2026年のサミットは、生物多様性条約(CBD)第17回締約国会議(COP17)の数カ月前に開催されることから、世界がグローバル生物多様性枠組の進捗を評価する重要な節目となると位置付けられています。代表のメッセージは、単なる理念ではなく、国際交渉や各国の政策にも影響を与え得る「実務的な視点」として注目されています。
NECファシリティーズ、「水」をキーワードに環境負荷低減サービスを「NATURE TECH!」に出展
今回のサミットに合わせて開催される展示会「NATURE TECH!」には、NECグループの施設管理・環境ソリューションを担うNECファシリティーズが出展し、「水」をキーワードにした環境負荷低減サービスを紹介します。
「NATURE TECH!」は、サミット会場である熊本城ホールの1階展示スペースなどを活用して開催されるもので、自然とテクノロジーを掛け合わせた様々な製品・サービスが展示されます。入場は無料で、事前登録なしで来場できるため、一般市民や学生も最新の環境技術に触れることができます。
NECファシリティーズが掲げる「水」を軸にしたサービスは、具体的には次のような方向性で展開されています。
- 水使用量の見える化と最適化:建物や工場などにおける水使用量をセンサー等で収集し、データを統合して分析することで、無駄な使用を削減し効率的な運用を支援するソリューション。
- 水循環の改善と再利用の促進:雨水利用、再生水の活用、排水処理技術などを組み合わせ、施設全体の水循環の質を高める取り組み。
- 地域の水環境への配慮:地下水や河川に負荷をかけない排水計画や、自然災害時の浸水対策など、地域の水環境と調和した施設運営を支える技術。
こうしたサービスは、単に企業の水道料金を削減するためのものではなく、地域の水資源を持続可能な形で利用し次世代につなぐための取り組みでもあります。水は、農業、工業、日常生活のすべてに関わる「生命線」であり、その管理を自然と調和する形で行うことは、ネイチャーポジティブの実現に不可欠な要素です。
NECファシリティーズの出展は、NECグループが「デジタル技術」と「環境配慮」を組み合わせ、社会価値の創造につなげる姿勢を示すものでもあり、来場者にとっては、自社・自施設の水利用を見直すきっかけとなることが期待されています。
NECのサミット登壇・出展――デジタルで自然を“見える化”し、守り、活かす
NECは、サミットの会期中に国内外の有識者とのパネルディスカッションへの登壇と、展示会「NATURE TECH!」への出展を予定しています。これにより、自然環境と社会をつなぐデジタル技術の可能性を、多くの参加者に発信します。
NECが注目するポイントは、次のような点です。
- 自然の「見える化」:衛星データやセンサーなどを活用して、森林や湿地、水資源、生物多様性の状態を可視化し、政策立案や企業の意思決定に役立てる取り組み。
- 地域・企業が連携できる基盤:自治体や企業、市民が共通のデータや指標を使いながら、自然の保全状況を把握し、協働プロジェクトを進めるためのプラットフォームづくり。
- ネイチャーポジティブ経営の支援:自然関連財務情報開示(TNFD)などに対応するため、企業が自社の自然への依存と影響を評価し、中長期の経営に反映させるためのツールやサービス。
これらの取り組みは、ネイチャーポジティブ・イニシアティブ代表が語る「自然は収益に直結する」という考え方と深く結びついています。自然を「見えないリスク」ではなく、「見える資本」として捉え直し、デジタル技術で可視化することで、企業は投資判断や事業戦略をより確かなものにできます。
NECは、環境省や自治体、国際機関などと連携しながら、自然環境データの利活用や、市民参加型の環境モニタリングなどにも取り組んでおり、サミットでの登壇・出展は、その成果や方向性を国内外に示す機会となっています。
熊本で開かれる「第2回」サミットの意味――世界の転換点に日本の知見を
グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026は、「第2回」の開催となり、日本・熊本での実施が発表されています。日程は7月14日(火)・15日(水)の会議に加え、16日(木)には熊本県内各地へのエクスカーション(現地視察)が予定されています。
熊本市と周辺地域は、豊かな地下水や森林、農文化など、自然と人の暮らしが密接に関わる地域として知られています。その地で国際会議が開かれることは、自然を守り活かす地域の知恵を世界に伝えると同時に、世界の知見を地域にも取り込む双方向の学びの場をつくることにつながります。
サミット本体への入場は有料で、公式サイトからの事前参加登録が必要となりますが、一定期間は「早割」や「超早割料金」が設定されており、多様な主体が参加しやすいよう工夫されています。一方で、同時開催の展示会「NATURE TECH!」は入場無料とされ、市民や学生が気軽に来場できるよう配慮されています。
熊本市も、サミット開催に伴い、関連イベントや市民向けの取り組みを実施することを発表しており、まち全体でネイチャーポジティブのムーブメントを盛り上げる構えです。
「自然は収益に直結する」時代に、NECは何をめざすのか
ネイチャーポジティブ・イニシアティブ代表が語る「自然は収益に直結する」という言葉は、従来の「環境対策はコスト」という考え方からの大きな転換を意味します。自然環境や生物多様性を守ることは、次のような形で企業の収益と結びついていきます。
- サプライチェーンの安定:農産物や水資源、木材などの供給が安定することで、原材料価格の急騰や供給停止のリスクを軽減し、収益の安定につながる。
- ブランド価値の向上:環境配慮型の製品やサービスを選ぶ消費者や投資家が増えるなかで、ネイチャーポジティブな取り組みはブランド信頼や市場での選好度を高める。
- 新規事業の創出:自然再生型のインフラ、環境モニタリングサービス、自然体験を活かした観光・教育事業など、自然を活かした新たなビジネスが生まれる。
NECは、こうした潮流を踏まえ、デジタル技術を通じて自然を守りながら活かす社会づくりに貢献することを目指しています。NECファシリティーズによる「水」をテーマとしたサービス出展は、その中でも、「自然資本」としての水をどのように賢く、やさしく使っていくかを具体的に示す取り組みと言えます。
企業にとってのネイチャーポジティブは、単なる「環境配慮」ではなく、事業の継続性と成長性を高めるための戦略的な選択です。今回のサミットで示される各社の取り組みや、NECグループの実践は、多くの企業や自治体にとって、自らの経営やまちづくりを見直すヒントになるでしょう。
市民・企業・行政がともに「自然と共にある豊かな未来」を描く場に
グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026熊本は、世界的な政策議論の場であると同時に、日常の暮らしの中で自然と向き合うきっかけを与えてくれる場でもあります。展示会「NATURE TECH!」で紹介される技術やサービスは、私たちの生活や仕事の中に、自然へのやさしさと賢さを取り入れるための具体的なアイデアに満ちています。
NECやシンク・ネイチャー、ネイチャーポジティブ・イニシアティブのような企業・団体の取り組みは、専門的なものに見えますが、その根底にあるのは、「自然の恵みを次の世代にもつなぎたい」というシンプルで優しい想いです。水を大切に使うこと、森や海の豊かさに目を向けること、地域の自然とともに暮らすこと――その一歩一歩が、世界全体のネイチャーポジティブにつながっていきます。
熊本から発信されるこのサミットは、日本各地、そして世界中の人々に、自然とともに歩む未来の姿を思い描くきっかけを与えてくれるでしょう。そして、NECをはじめ多くの企業・団体がその実現に向けた具体的な道筋を示すことで、「自然は収益に直結する」という言葉が、単なるスローガンではなく、実感を伴う現実へと変わっていくことが期待されます。




