ピート・アロンソをめぐる再評価――2016年MLBドラフトを振り返る
メジャーリーグでは、毎年のように「過去のドラフトを今の視点でやり直したらどうなるか」という企画が話題になります。
なかでも近年注目を集めているのが、ニューヨーク・メッツで頭角を現し、その後ボルティモア・オリオールズに移籍した強打の一塁手ピート・アロンソです。
この記事では、2016年MLBドラフトをめぐる最新の議論や「ビッグミス」と呼ばれる指名、一方で「レッドラフト(やり直しドラフト)」企画で高く評価されるアロンソの存在に焦点を当て、分かりやすくご紹介します。
ピート・アロンソとはどんな選手か
まずは、ニュースで名前をよく見るようになったピート・アロンソがどんな選手なのかを、あらためて整理しておきましょう。
- 本名:ピーター・モーガン・アロンソ(Peter Morgan Alonso)
- 生年月日:1994年12月7日(フロリダ州タンパ出身)
- ポジション:一塁手(右投右打)
- 身長・体重:191cm/111kg
アロンソはメジャー屈指の長距離砲として知られ、デビュー以来、ホームランを量産してきたスラッガーです。
2026年シーズンはボルティモア・オリオールズに所属し、6月19日時点で打率.247、本塁打16本、打点48という数字を残しています。
2025年オフにはフリーエージェント(FA)として注目を集め、最終的にオリオールズと5年総額1億5500万ドル(約240億円)の大型契約を結びました。
これは、年平均約3100万ドルという、リーグでもトップクラスの条件です。
2016年MLBドラフトとは?
ニュースのキーワードとなっている「2016年MLBドラフト」は、アロンソをはじめ、現在のメジャーを代表する多くのスター選手を生み出した年として、今あらためて注目されています。
ドラフトとは、各球団が将来有望な高校・大学・海外選手を順番に指名していく制度です。
2016年のドラフトでも全体1位指名から順に、多くの有望株がプロの世界へと飛び込みました。その一方で、
- 期待されたものの、なかなか結果が出ていない選手
- 下位指名や中位指名からスターに伸し上がった選手
といった“明暗”も、時間の経過とともにはっきりしてきました。
この「明暗」が、いま各メディアで話題になっている「ビッグミス」や「レッドラフト」の議論につながっています。
「ビッグミス」――期待と結果のギャップ
最近の特集記事では、「2016年MLBドラフトでの最大の“ミス”」という切り口で、当時高く評価されていたものの、現時点では実績が追いついていない選手が話題に挙げられています。
具体的な名前としては、当時の上位指名組であるミッキー・モニアックやニック・センゼルなどが取り上げられ、「結果論としてはもっと他の選手を指名すべきだったのではないか」という議論が交わされています。
これらの特集は、「当時のスカウトや球団は何を見て評価したのか」「どこにリスクがあったのか」といった点を検証するもので、ドラフトの難しさを象徴するテーマともいえます。
レッドラフト企画で再評価されるアロンソ
一方で、同じ2016年ドラフト組の中でも、今になって評価が急上昇している選手もいます。
その代表格がピート・アロンソです。
「レッドラフト」と呼ばれる企画では、「もし2016年ドラフトを今の成績をもとにやり直したら、誰が何位で指名されるか」を検証します。
そこではアロンソの指名順位が大きく上がるとする見方が主流になっています。
さらに、同じ年のドラフトから出てきたボー・ビシェットやコービン・バーンズらと並び、アロンソは「トップレベルの当たり指名」として再評価されています。
つまり、当時は上位指名ではなかった選手が、その後の活躍によって「本当はもっと早く指名されるべきだった」とみなされているわけです。
アロンソの実績が評価につながる理由
アロンソがレッドラフト企画で高く評価される背景には、これまで築き上げてきた実績があります。
- メッツ時代からの安定した本塁打数・打点
- 打線の中核を任されるクリーンナップの存在感
- 勝負どころでの一発や長打で試合を決める「一振りの怖さ」
MLB公式サイトなどでも、アロンソはFA市場の「目玉」としてたびたび取り上げられてきました。
2025年時点での成績として、162試合出場、打率.272、出塁率.347といった数字が紹介されており、長打力だけでなくシーズンを通してプレーできる耐久性も評価されています。
こうした継続的なパフォーマンスが、「2016年ドラフトで最も成功した野手のひとり」という現在の評価につながっています。
オリオールズとの大型契約が示す価値
2016年ドラフトからの“出世頭”とされるアロンソは、2025年オフにFAとなり、多くの球団が獲得に興味を示しました。
メッツとの再契約交渉は決裂し、他球団への移籍の可能性が高まったと報じられます。
最終的に、アロンソはボルティモア・オリオールズと5年1億5500万ドルの契約で合意。
これはオリオールズにとっても大きな転換点とされ、「ついに大物を仕留めた」と表現されるほどのインパクトがありました。
契約内容のポイントとしては、
- 契約期間:2026年〜2030年の5年間
- 総額:1億5500万ドル(約240億円)
- トレード拒否条項(一部制限付き)を含む
- オプションやオプトアウト条項なしと報じられている
年平均約3100万ドルという金額は、アロンソが現在のMLBにおいて一塁手としてトップクラスの価値を持つことの証といえます。
2016年ドラフトの「明暗」とアロンソの象徴性
2016年ドラフトをめぐる「ビッグミス」と「レッドラフト」の特集を眺めると、ピート・アロンソの存在は、ある種の“象徴”として浮かび上がってきます。
一方には、
- 全体1位など、非常に高い順位で指名されながら、期待されたインパクトを残せていない選手たち
他方には、
- アロンソのように、当初は「そこまで注目されていなかった」が、その後の努力と成長でリーグを代表するスターになった選手たち
がいます。
ドラフトは未来を予測する作業ですが、どれだけデータやスカウティングを重ねても、「100%当てる」ことはできません。
だからこそ、数年後に振り返ると「ビッグミス」と言われる指名が生まれる一方で、アロンソのような“大当たり”も生まれるのです。
ファンにとっての楽しみ方――レッドラフトは「もしも」の世界
こうしたレッドラフト企画や「ビッグミス特集」は、あくまで結果が出そろった“今”の視点から過去を振り返る、いわば「もしも」の世界です。
実際のドラフト当日は、各球団が限られた情報や時間の中で最善の決断を下しており、「あのときなぜこの選手を取らなかったのか」と責めるのは簡単ではありません。
それでも、
- 「あの年の1位は、今やり直すと誰になるだろう?」
- 「このチームがアロンソを指名していたら、今の戦力はどう変わっていた?」
といった想像は、ファンにとって大きな楽しみのひとつです。
アロンソ、ビシェット、バーンズといったスターたちが並ぶ「レッドラフト」のリストを眺めることで、ドラフトの奥深さや、選手たちの努力の積み重ねに思いを馳せるきっかけにもなります。
オリオールズでのアロンソに注がれる期待
現在、アロンソはオリオールズの主砲として、再建から脱却を目指すチームをけん引する役割を担っています。
オリオールズは2025年シーズン、ア・リーグ東地区最下位に沈みましたが、アロンソの獲得は「チームが本気で勝ちに行く」というメッセージとして受け止められています。
強打の一塁手としてだけでなく、クラブハウスでのリーダーシップや、若手選手に与える影響も含めて、アロンソの存在は非常に大きなものになりつつあります。
2016年ドラフトから続くアロンソの物語は、まだ途中です。
「ビッグミス」と「大成功」が入り混じる2016年組の中で、彼が今後どのようなキャリアを積み重ねていくのか――その一打席一打席が、これからも注目を集めていくでしょう。


