良品計画が示した「海外で稼げる無印良品」への進化 決算で市場が注目した理由

良品計画の決算は、国内外でのブランド力の広がりをあらためて印象づける内容でした。とくに株式市場が驚いたのは、海外事業の伸びが業績全体を強く押し上げていることです。

良品計画が1月14日に発表した2026年8月期第1四半期決算では、営業収益が2282億2700万円で前年同期比15.4%増、営業利益は283億8300万円で29.3%増となりました。経常利益、親会社株主に帰属する当期利益もそろって2桁増となり、全段階で増益を確保しています。

今回の決算で目立ったのは、売上の増加だけではありません。生産の内製化による原価低減効果などで営業総利益率は52.6%へ改善し、販管費率も低下しました。つまり、単に売れているだけでなく、利益を残しやすい体質が進んでいることが示されました。

この流れを支えたのが海外事業です。欧米事業は営業収益124億円で17.1%増、営業利益28億円で25.3%増と大幅な増収増益でした。欧州事業、北米事業ともに「既存店+EC」の売上が2桁伸長しており、海外での無印良品の受け止められ方がより強くなっていることがうかがえます。

一方で国内事業は、EC販売停止の影響を受けました。それでも「既存店+EC」売上は前年を上回り、既存店売上は約7%増となりました。EC売上は約60%減でしたが、店舗売上の伸びが補い、営業収益1332億円、営業利益183億円と増収増益を確保しています。

この点は、良品計画の成長が国内だけに偏っていないことを示しています。国内の足元の変動があっても、海外の伸びが全体の成長を支える構図がはっきりしてきました。

良品計画の月次や決算情報をまとめる資料でも、海外事業の伸長が全体の増収をけん引していることが繰り返し示されています。2026年8月期第2四半期の決算でも、営業収益は4385億円で前年同期比14.8%増、営業利益は450億円で大幅増となり、増収分は国内より海外の寄与が大きかったとされています。

こうした数字が投資家の注目を集めた背景には、良品計画が「日本で強い小売企業」から、海外でも安定して稼げるブランド企業へ変わりつつあるという見方があります。無印良品はシンプルなデザインや生活雑貨の品質で知られていますが、その価値が日本以外でも浸透し、売上と利益の両面で結果につながっていることが今回の決算で確認されました。

また、海外での成長は、単なる店舗数の増加だけでは説明しきれません。既存店売上が伸びていることから、すでに展開している店舗の売れ行きも強く、ブランドの定着が進んでいるとみられます。

市場が驚いた理由は、良品計画の成長が一時的な要因ではなく、海外での販売力、利益率、ブランド浸透がそろって改善している点にあります。国内の事業環境に左右されやすい小売業の中で、海外収益の存在感が増していることは、企業の見方を大きく変える要素です。

なお、良品計画は中長期の計画でも世界での成長を掲げています。公開資料では、2028年8月期に営業収益1兆円を目指し、国内外での成長を進める方針が示されています。

今回の決算は、その目標に向けた足取りを裏づけるものとして受け止められています。無印良品という親しみのあるブランドが、海外でどこまで存在感を高められるのか。良品計画は今、国内小売の枠を超えて、世界市場での成長企業として見られ始めています。

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