「スーパーエルニーニョ」今夏発生か、気象機関が警戒強める 海水温は“過去ないくらい高い”状態

今夏、太平洋の海面水温が異常に高い状態を背景に、エルニーニョ現象が発生する可能性が高まっています。世界気象機関(WMO)は6~8月の発生確率を80%と見込み、複数の気象機関が強い注意を呼びかけています。

エルニーニョは、熱帯太平洋の海面水温が平年より高くなる現象で、日本を含む世界の天候に大きく影響します。気象庁の監視情報でも、今後夏までにエルニーニョが発生する可能性が高いとされており、発生時期が近づいていることがうかがえます。

発生確率は上昇、専門機関の見方も一致

今回の注目点は、複数の予測機関がそろって発生リスクの高さを示していることです。気象庁は2026年夏にエルニーニョ現象が発生する確率を70%と予測し、春時点の50%から引き上げました。 一方、WMOは6~8月の発生確率を80%としており、かなり高い水準です。

海外メディアや解説記事では、今回の海面水温について「過去ないくらい高い」との表現もみられ、発生した場合は強い現象に進む可能性があると報じられています。 ただし、現時点で重要なのは、発生の可能性が高いという段階であり、必ず大規模化するとは断定できない点です。

エルニーニョとは何か

エルニーニョ現象は、太平洋赤道域で貿易風の流れが弱まり、南米沿岸付近から中部太平洋にかけて海面水温が平年より高くなる現象です。 この海水温の変化は、海だけの話ではなく、大気の流れにも影響し、世界各地の天候を変えます。

日本では一般に、エルニーニョが発生すると冷夏・暖冬の傾向が出やすいとされています。 夏は太平洋高気圧の張り出しが弱まりやすく、冬は西高東低の気圧配置が弱まりやすくなるためです。

気候変動と重なると影響は深刻化する可能性

今回もう一つの焦点は、気候変動との重なりです。エルニーニョそのものでも異常気象は起こりますが、地球温暖化で基礎となる気温や海水温が高くなっているため、影響がより強く表れる可能性があるとみられています。 そのため、同じエルニーニョでも、過去と同じような影響にとどまらないおそれがあります。

報道では、欧州中期予報センター(ECMWF)のモデルが、今後さらに強い海面水温偏差を示す可能性を示唆しているとされ、歴史的に強かった1997~1998年や2015~2016年級の現象に近づく可能性も指摘されています。 ただし、これはモデル予測であり、実際の強さは今後の推移を見極める必要があります。

日本への影響は何に注意すべきか

エルニーニョが発生すると、日本では梅雨末期から夏にかけて、天候の見通しが変わることがあります。 具体的には、気温の上がり方や雨の降り方に変化が出る可能性があり、農業、電力需要、熱中症対策など幅広い分野への影響が考えられます。

特に、海水温の高まりは台風の発生・発達にも関係するため、今後は台風シーズンの進み方にも注意が必要です。もっとも、個別の台風の進路や勢力は、エルニーニョだけで決まるわけではなく、複数の要因が重なって決まります。

今後の見通し

現時点で各機関が示しているのは、今夏にエルニーニョが始まる可能性が高いという見方です。 気象庁とWMOの見通しはいずれも強めで、海面水温の高さがその背景にあります。

今後は、エルニーニョが実際に発生するかどうかに加え、どの程度の強さになるかが焦点になります。気象庁や各国の監視情報を確認しながら、天候の変化に早めに備えることが重要です。

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