元ラストアイドル・安田愛里さん 麻布十番「安田食堂」を閉店へ 3年半の挑戦に幕
東京・麻布十番で飲食店「安田食堂」を経営してきた、元ラストアイドルの安田愛里さんが、自身の店を3年半で閉店することを発表しました。
26歳という若さでの決断には、「想像以上に簡単ではなかった」「妥協したくない」という、飲食店経営への真剣な思いと現実とのギャップがにじんでいます。
元アイドルから飲食店オーナーへ 麻布十番での3年半
安田愛里さんは、テレビ朝日系のオーディション番組から誕生したアイドルグループ「ラストアイドル」の元メンバーとして活動した後、芸能界での経験を生かしつつ、新たな挑戦として飲食店経営の道を選びました。
場所は都内有数の人気エリアである麻布十番。グルメ激戦区として知られ、地元住民だけでなく、ビジネスパーソンや観光客も多く訪れるエリアです。
そんな街で安田さんが立ち上げたのが、「安田食堂」。
コンセプトは、気取らずにおいしい料理を楽しめる、どこか「家のごはん」を思わせるような温かい食堂スタイル。
オープンから約3年半、常連客やファンに支えられながら、若きオーナーとして厨房やホールに立ち続けてきました。
「妥協したくなくて」食材にもこだわり
安田さんが飲食店経営で大事にしてきたのは、「妥協をしない」という姿勢でした。
特にこだわったのが食材選び。
野菜や肉、魚、調味料に至るまで、品質や生産者の思いが感じられるものを選び、コストがかかっても「自分が納得できるもの」を提供することを優先してきました。
メニューには、食べ慣れた家庭料理をベースにしつつ、若い感性ならではの工夫を取り入れた料理が並びました。
「アイドル時代から応援してくれている人たちに、ちゃんとしたものを食べてほしい」「食を通じて自分らしさを表現したい」という思いから、仕込みや下準備にも時間をかける毎日だったといいます。
しかし、こだわればこだわるほど、原価率は上がり、仕込みやオペレーションにも負担が積み重なります。
「味や品質で妥協したくない」という信念と、「経営を成り立たせる」という現実。その板挟みの中で、安田さんは日々、難しい判断を迫られてきました。
「想像以上に簡単ではなかった」飲食店経営の現実
26歳の若さで飲食店のオーナーとなった安田さんは、今回の閉店について、「想像以上に簡単ではなかった」という率直な心境を明かしています。
飲食店経営は、表から見ると「おしゃれ」「楽しそう」といったイメージもありますが、実際には、早朝から仕込みを行い、深夜まで営業、片付け、事務作業と、休む暇がない日々が続きます。
また、昨今は食材価格や光熱費の高騰、人件費の上昇など、飲食店にとって厳しい環境が続いています。
加えて、麻布十番という立地は、集客のメリットがある一方で、家賃や運営コストも高くなりがちです。
こうした要因が積み重なり、「店として続けていくこと」と「自分の理想を貫くこと」の両立が、次第に難しくなっていったことがうかがえます。
安田さんは、「アイドルを卒業してからも、自分の手でなにかを作り、届けたい」という思いで、あえて厳しい道に挑戦しました。
それでも、「続ける」という選択ではなく、「ここで一度、店を閉じる」という決断をした背景には、オーナーとしての責任感と、これからの人生の時間をどう使うかという真剣な葛藤があったと考えられます。
「安田食堂」閉店という苦渋の決断
今回の「安田食堂」閉店は、報道でも「苦渋の決断」と表現されています。
3年半という期間は、決して短くはありません。
アイドル活動からの転身という注目もありつつ、単なる話題性に頼るのではなく、「一つの店」として地元に根づこうと努力を重ねてきた時間でもあります。
常連客の中には、「彼女が頑張っているから応援したい」と足繁く通った人も多かったはずです。
そうした支えがあったからこそ、安田さんにとっても、「閉店」という選択は簡単に下せるものではなかったでしょう。
それでも、あえて「終わり」を決めることは、経営者として大きな覚悟の表れでもあります。
閉店を決める理由は一つではありません。
経営状況、体力面やメンタル面の負担、今後のキャリアプラン、プライベートとの両立など、さまざまな要素が絡み合います。
今回、安田さん自身も「楽しいことばかりではなかった」としながらも、最後まで店づくりに真剣に向き合ったからこそ、「妥協せずにやり切ったうえでの決断」といえるでしょう。
ファンと地域に愛された3年半
「安田食堂」は、単なる飲食店という枠を超えて、ファンと地域の人をつなぐ場所にもなっていました。
ラストアイドル時代から応援してきたファンにとっては、「会いに行ける店」であり、アイドル時代とはまた違った形で、安田さんを身近に感じることができる場だったはずです。
一方、麻布十番という街に住む人や働く人にとっては、「若いオーナーが頑張っている店」として、日常の食事や飲み会で利用する、身近な食堂だったことでしょう。
店を通じて生まれた会話や出会い、思い出は、閉店後もそれぞれの心に残り続けます。
また、「元アイドルが飲食店を経営している」という話題性だけでなく、「料理がおいしい」「雰囲気がいい」という理由で足を運んだ人も多く、味と空間づくりに対する評価も少なからずあったと考えられます。
そうした時間と経験が、今後の安田さんの人生にとって、大きな財産となっていくはずです。
26歳、次のステージへ――これからの安田愛里さん
今回の閉店を機に、安田愛里さんは26歳で新たな節目を迎えます。
ラストアイドルとしての活動、そして麻布十番での飲食店経営という、二つの大きな挑戦を経てきた彼女にとって、ここから先のキャリアはまさに「第3章」といえるかもしれません。
現時点では、閉店後の具体的な活動について詳しい情報は示されていませんが、これまでの歩みから考えると、
- 食の分野での経験を生かした発信やプロデュース
- メディアやイベントでの活動
- これまでの挑戦をもとにしたトークや執筆
といった可能性も考えられます。
ただし、何よりもまず大切なのは、3年半走り続けてきた心と体を少し休め、自分自身と向き合う時間を持つことかもしれません。
「想像以上に簡単ではなかった」と語るほどハードだった飲食店経営をやり遂げたことで、見えてきた景色や学びは計り知れないものがあります。
今回の閉店は、一見すると「終わり」のニュースですが、26歳という年齢を考えれば、それは同時に新たなスタートラインでもあります。
アイドル時代から続くファン、そして「安田食堂」で彼女を知った人たちは、それぞれの場所から、次のステージでの活躍を静かに、しかし力強く見守っていくことでしょう。
飲食店を目指す若い世代へのメッセージにも
今回の「安田食堂」閉店のニュースは、単なる芸能ニュースにとどまらず、飲食店を志す若い世代への一つの現実的なメッセージにもなっています。
「好きだから」「楽しそうだから」という気持ちは、挑戦の原動力になりますが、それだけでは続けていくことが難しい世界であることは、多くの経営者が口をそろえて語るところです。
安田さんが大切にしてきた「妥協しない姿勢」は、どんな仕事にも通じる価値観です。
一方で、「続けること」だけにこだわらず、「引く勇気」「区切りをつける決断」もまた、同じくらい尊重されるべきものです。
今回の決断は、そうした現実と向き合ったうえで出されたものであり、その過程での悩みや葛藤は、今後どこかで彼女自身の言葉として語られる機会があるかもしれません。
飲食業界はもちろん、何か新しいことに挑戦しようとする人にとって、「うまくいくこと」だけでなく、「やめること」「変えること」も選択肢の一つであるという視点を、そっと教えてくれるニュースでもあります。
「安田食堂」が残したもの
3年半にわたって麻布十番に店を構えた「安田食堂」は、閉店という形でその役目を終えますが、そこで過ごした時間や積み重ねられた日常は、簡単に消えてしまうものではありません。
カウンター越しに交わされた会話、常連客との何気ないやりとり、初めて訪れたファンの緊張と喜び――そうした一つひとつが、この店ならではの「物語」でした。
そして何より、「元アイドルだからこそできること」と「一人の料理人・経営者としてやりたいこと」の間で悩みながらも、最後まで前を向いて店に立ち続けた安田愛里さんの姿は、多くの人の記憶に残り続けるはずです。
看板の灯りは消えても、「安田食堂」で培われた経験と出会いは、これからの安田さんの活動のどこかで、きっと別の形となって息づいていくことでしょう。



