近畿大学が見せる2025年の挑戦——ラグビー強化と地域連携、そして進化する学生ライフ

はじめに

2025年の近畿大学は、その多角的な取り組みと活気のある学生活動により、再び大きな注目を集めています。本記事では、近年著しい成果を上げているラグビー部の最新戦力分析、地域社会と共に歩むイベント「近大DAY」、そして多様化する学生生活の新たな取り組みまで、多方面から近畿大学の<今>を丁寧に解説します。

2025年度・近畿大学ラグビー部の戦力分析

歴史的快進撃から迎える新たなシーズン

2024年度、近畿大学ラグビー部は22年ぶりの全国8強という快挙を達成し、関西大学Aリーグでも堂々の3位という結果を残しました。歴代最高成績タイのこの成果により、大学ラグビー界での存在感が一段と増しています。しかし、主力として活躍してきた4年生の卒業により、今季は選手層の「戦力ダウン」が懸念されています。そのなかで、どのような戦略で今シーズンを乗り切ろうとしているのでしょうか。

勝負のカギを握る大型FW陣

近畿大学は「サイズのあるFW(フォワード)」に焦点を当て、パワフルな戦い方を武器にシーズンを戦います。指揮官・神本健司監督は「今年は特にFWのサイズが去年よりも大きい。重たいFWで勝負したい」と明言しています。セットプレー(スクラムやラインアウト)に多くの時間を割き、フィジカルの強さを最大限に生かす練習が続けられてきました。

  • ラインアウトの躍進 近畿大学のLO(ロック)には197cmのU23日本代表・能勢涼太郎(4年)、188cmの時光未來(2年)ら、空中戦を制する高さとパワーを持つ選手が揃っています。昨期の課題だった「敵陣ゴール前でのモール攻撃」でもトライにつながる迫力が出てきています。
  • 夏季練習試合の好成績 2025年8月の夏季練習試合では、青山学院大学に54-24、日本大学に38-19、専修大学に80-7と見事なスコアで勝利しており、FWのみならず全体の連携にも手応えを感じさせています。

主力交代と次世代エースの台頭

昨シーズンから主力だった選手12名が卒業した影響もあり、各ポジションにはフレッシュな戦力がチャレンジし、競争と成長が加速しています。1年次からレギュラーを務めてきた稲場巧(現・静岡ブルーレヴズ)、No8の古寺直希、WTB植田和磨(現・神戸スティーラーズ)らの抜けた穴を埋める新たなエース候補の活躍が期待されています。

春シーズン・リーグ戦の戦績

  • 同志社大戦:26-22で勝利
  • 京都産業大戦:12-54で敗北
  • 関西大戦:64-19で勝利し3位を獲得
  • 東海大・関西学院大戦でも勝利を収め、実力校としての地位を示しました。

混戦が続く関西Aリーグのなか、2年連続の大学選手権出場を目指し、近畿大学の挑戦は続きます。

地域とともに歩む「近大DAY」の開催

FC大阪と共催、学生の力で地域を元気に

「近大DAY」は、近畿大学とプロサッカークラブ・FC大阪による合同イベントです。2025年も開催され、多くの学生・地域住民が参加しました。このイベントは、大学と地域スポーツを結ぶ新たなプラットフォームとして定着しつつあります。

  • 学生パフォーマンス 近畿大学生によるダンス、音楽、パフォーマンスが会場を盛り上げ、スポーツ観戦以外の楽しみも提供。近大生らしい創造性あふれる舞台が評価されています。
  • 学生・地域のブース出展 さまざまなサークル、研究室が出展したブースには、地域の人気グルメや大学の研究成果が並び、子どもから大人まで多くの参加者が交流しました。
  • スポーツと地域貢献 イベントそのものが、キャンパスの枠を超えて地域へ貢献し、新しいコミュニティづくりのきっかけとなっています。

この「近大DAY」のような取り組みは、近畿大学が「開かれた大学」として評価される大きな理由の一つです。スポーツ文化とアート、地域社会との連携は今後さらに深化していくでしょう。

近畿大学附属福岡高校、進化する体育祭——初の屋内開催で熱中症対策

安全で楽しい体育祭の挑戦

2025年9月9日、近畿大学附属福岡高校は例年の校庭開催を変更し、初めて市内の屋内施設で体育祭を実施しました。これは猛暑や熱中症対策の強化という社会的背景を受けたもので、生徒・教職員・保護者からも大きな反響がありました。

  • 熱中症リスクの軽減 屋内施設での開催により、30℃を超える外気温から解放され、安心して競技や応援に集中できる環境が整いました。水分補給の徹底や休憩スペースの配慮もあり、体調不良者は大きく減少しました。
  • プログラムの進化 陸上競技、集団演技、伝統のリレーやクラス対抗など、例年通りの種目はそのままに、屋内ならではの照明や演出を生かした新しいプログラムも加わりました。
  • 一体感のある空間づくり 体育館を活用することで一体感が高まり、生徒同士・学年を超えた交流や感動の瞬間が生まれました。保護者や地域住民向けの見学スペースも整い、地域連携の場としても新たな価値が生まれています。

近大ブランドの源泉は「挑戦し続けること」

附属校・本学・クラブ活動——さまざまな場面で、近畿大学の「挑戦し続ける力」は確実に受け継がれています。部活動の底上げ、地域とともに育むイベント、変化する社会で柔軟に対応する学生支援。これらの実践一つひとつが、近大生の未来を豊かにし、日本の高等教育や地域社会にも良い影響を与えています。

おわりに——地域とともに未来へ歩む近畿大学

2025年の近畿大学は、ラグビー部のフィジカル重視の戦略や学生・地域連携イベント、新しい形の学校行事を通して、その存在感をさらに高めています。近畿大学が掲げる「実学教育」と「社会貢献」の精神は、これからも受け継がれ、時代を切り拓く力となるでしょう。

参考元