ワークマン、新業態で地方都市を攻める――富山市と地方百貨店で広がる「ワークマンカラーズ」戦略
作業服やアウトドア用品で知られるワークマンが、新たな一歩を踏み出しています。これまで「WORKMAN」「WORKMAN Plus」「#ワークマン女子」など、さまざまなフォーマットで店舗展開を進めてきましたが、今回話題となっているのは新業態の出店と、「ワークマンカラーズ」ブランドのフランチャイズ展開強化です。
北陸地方の富山市への新業態初出店に加え、地方百貨店・ショッピングセンターを運営する清水屋による「ワークマンカラーズ」出店が報じられ、ワークマンの地方戦略や新たなブランド戦略に注目が集まっています。
ワークマンとはどんな企業?──作業服から日常着・アウトドアへ広がったブランド
まずは、ニュースの背景となるワークマンという企業について、簡単に整理しておきます。
ワークマンは、もともと建設現場や工場で働く人向けの作業服・作業用品専門店として全国にフランチャイズ展開してきました。
しかし近年は、
- 機能性の高いウェアが、アウトドアやスポーツ、さらに日常着としても評価されたこと
- 低価格ながら、防水・防寒・耐久性などに優れた製品が増えたこと
- 「#ワークマン女子」などの新業態で、女性客やファミリー層を積極的に取り込んだこと
といった理由から、これまでの「プロ向けワークウェアの店」というイメージから、一般消費者にも身近なブランドへと大きく変化してきました。
今回の新業態出店「ワークマンカラーズ」展開
ニュース内容1・3:ワークマン新業態、富山市に初出店
最初のニュースは、「ワークマン新業態、富山市に初出店」(北國新聞社)というものです。
見出しから読み取れる重要なポイントは、次の2つです。
- ワークマンが「新業態」で店舗を展開し始めている
- その新業態が、富山市に初めて出店する
ここでいう「新業態」とは、既存の「WORKMAN」や「WORKMAN Plus」「#ワークマン女子」などとは異なる、新しいコンセプトの店舗形式を指します。
ニュースの見出しが2本(ニュース内容1と3)ともほぼ同じ表現地域ニュースとしても、企業動向としても注目されていることがわかります。
富山市初出店の意味──北陸エリアでの存在感を強化
富山市への新業態初出店には、いくつかの意味があります。
- 北陸エリアにおけるブランド浸透の強化
富山県は、製造業や建設業が盛んな地域であると同時に、山や海など自然も豊かなエリアです。従来の作業服ニーズに加え、アウトドア、レジャー向けの機能性ウェアの需要も期待できます。 - 地方都市での新業態テストの場
新しい業態を、まず大都市圏ではなく地方中核都市で展開する「地域での受け止められ方」を検証しやすい市場 - 既存店舗とのすみ分け
すでに北陸にはワークマンの各種店舗が存在する可能性がありますが、新業態を別ブランドとして出店することで、ターゲット顧客や商品ラインナップを明確に分ける
つまり、富山市での新業態初出店は、単なる店舗数の拡大ではなく、次の成長ステージに向けた「実験」と「橋頭堡」
ニュース内容2:「ワークマンカラーズ」出店 清水屋、FC展開を強化
2つ目のニュースは、「『ワークマンカラーズ』出店 清水屋、FC展開を強化」 ここで新たに登場するキーワードが、「ワークマンカラーズ」と、店舗運営を担う「清水屋」、そして「FC展開(フランチャイズ展開)」
見出しから整理できるポイントは次のとおりです。
- ワークマンカラーズという新たなブランド(業態)が登場している
- 清水屋という企業が、この業態をフランチャイズ(FC)店舗として出店する
- 清水屋は今後もFC展開を「強化」していく方針を持っている
清水屋は、地方の百貨店やショッピングセンターを運営してきた企業として知られており、近年はテナント構成の見直しや新ブランドの導入を通じて集客力の向上 そうしたなかで、知名度が高く集客力も期待できるワークマンの新ブランド「ワークマンカラーズ」フランチャイズ事業を強化
「ワークマンカラーズ」とはどのような位置づけか
ニュースの見出しだけから詳細なコンセプトまでは読み取れませんが、「ワークマンカラーズ」という名称からは、次のようなブランドイメージが想像できます。
- 「色(カラー)」を前面に出したラインナップ
これまでのワークマンは、作業服由来ということもあり、黒・紺・グレーなどベーシックな色合いが中心というイメージがありました。
「カラーズ」という名前からは、カラーバリエーションを豊富にした日常着・カジュアルウェアや、ファッション性を意識したアイテムを展開する可能性が感じられます。 - 男女問わず楽しめる「ライフスタイル」志向
「#ワークマン女子」が女性を強く意識した業態だとすれば、「ワークマンカラーズ」は、性別や年代を問わず、より幅広い人が楽しめるライフスタイルブランド - 既存業態との差別化
「WORKMAN」=プロ向け・作業服、「WORKMAN Plus」=アウトドア・スポーツ寄り、「#ワークマン女子」=女性・ファミリー向け、といった整理に加えて、「ワークマンカラーズ」は色やデザイン性を軸にしたカジュアル寄りの新提案
いずれにしても、ワークマンがブランドポートフォリオをさらに細かく分け、顧客層ごとに最適な店舗体験を提供しようとしている
清水屋がFC展開を強化する狙い──地方百貨店とワークマンの相乗効果
ニュースでは、「清水屋、FC展開を強化」
- 地方百貨店の課題:来店客数の減少・テナントの入れ替え
ネット通販や大型ショッピングセンターの台頭により、地方百貨店は長年、来店客数の減少や売り場の空洞化といった課題に直面しています。その中で、集客力の高い専門店や話題性のあるブランドを導入すること - ワークマンブランドの集客力
ワークマンは近年、メディア露出も多く、「機能性が高くて安い」というイメージが浸透しています。
そのため、「ワークマンカラーズ」のような新ブランドでも、「ワークマンの新しい店ができた」という話題性 - FC展開強化による安定した収益モデル
清水屋が自社で一から独自ブランドを立ち上げ、商品開発から在庫管理までを担うのは大きな負担となります。一方、フランチャイズ店舗としてワークマンブランドを運営すれば、本部のノウハウや商品供給を活用しやすく、比較的安定した収益モデルを構築できる可能性があります。
このように、地方百貨店側の生き残り戦略ワークマンの新業態を広げたいという戦略
新業態・「ワークマンカラーズ」展開が地域にもたらすもの
ワークマンによる新業態出店や「ワークマンカラーズ」展開は、企業側の成長戦略であると同時に、地域の暮らしや買い物環境にも影響
- 選択肢の広がり
機能性の高いウェアが手頃な価格で手に入ることは、働く人だけでなく、子育て世代やシニア層「近場で気軽に立ち寄れるワークマンの新業態」 - 地域商業の活性化
新しいブランドの出店は、周辺エリアへの来店動機地域全体の商業活性化 - 雇用機会の創出
新店舗の開業に伴い、販売スタッフやパート・アルバイト地域密着型の雇用機会
このように、ワークマンの新業態は単に企業の話題にとどまらず、地域社会にも具体的なメリット
ワークマンの今後の展開をどう見るか
ここまで見てきたように、ワークマンは、
- 富山市への新業態初出店
- 「ワークマンカラーズ」を軸とした清水屋によるFC展開の強化
といった動きを通じて、地方都市・地方百貨店との連携を深めながら新しいブランド戦略を進めている
今後は、
- 「ワークマンカラーズ」がどのような商品ラインナップで、どの層に支持されるのか
- 富山市の新業態店舗が、地域でどの程度の利用者に広がっていくのか
- 清水屋以外のパートナー企業にも、同様のFC展開が広がっていくのか
といった点が、ワークマンの成長を占ううえでの注目ポイントになりそうです。
作業服専門店からスタートしたワークマンが、地方都市や地方百貨店と共に、どこまで生活者の日常に溶け込んだブランドとして定着していくのか
富山市の新業態と、「ワークマンカラーズ」の出店は、その流れを象徴するニュースだと言えるでしょう。



