Valveが新型ゲーミングPC「Steam Machine」を発表――Steam Deckの6倍パワー&据え置き型で家庭のゲーム体験が変わる
Valveの新たな挑戦:Steam Machineが再登場
2025年11月12日(米国時間)、世界最大級のPCゲームプラットフォーム「Steam」を運営するValveは、新型ゲーミングPC「Steam Machine」を発表しました。過去に同名で展開された製品の後継となる本機は、据え置き型のコンパクトな筐体にSteam Deckの約6倍を誇る演算性能を備え、4K解像度 60FPSの高画質で快適にゲームが楽しめるというまさにPCゲームファン垂涎の最新ハードウェアです。
この新型Steam Machineは2026年初頭に日本を含む各国で発売が予定されており、国内では公式販売パートナーKOMODOが対応します。価格や発売日などの詳細は年明け以降に発表されることになっています。
コンパクト&静音設計でリビングに溶け込む新筐体
近年の家庭用ゲーミングの流れに乗り、今回のSteam Machineは約160mmサイズの立方体デザインを採用。テレビの下や書斎の机の上など、さまざまな場所で設置可能な汎用性の高さも本機の魅力です。静音性も高く、寝室やリビングでも動作音を気にせず遊べます。さらに筐体下部にはカスタマイズ可能なLEDライトを内蔵し、ダウンロードやアップデート時は状態に応じてライトの色や発光パターンが変化して知らせてくれます。
圧倒的スペック――Steam Deckから6倍へ進化
- CPU:Semi-custom AMD Zen 4(6コア12スレッド)、最大4.8 GHz、TDP 30W
- GPU:Semi-custom AMD RDNA3(28コンピュートユニット)、2.45 GHz最大、TDP 110W、レイトレーシング対応
- メモリ:16GB DDR5 RAM + 8GB GDDR6 VRAM
- ストレージ:512GBまたは2TB SSDモデル。MicroSDによる拡張も可能
- 映像出力:DisplayPort 1.4(最大4K@240Hz、8K@60Hz)、HDMI 2.0(最大4K@120Hz)、HDR・FreeSync・CEC対応
- ネットワーク:有線LAN(1Gbps)、Wi-Fi 6E(2×2)、専用Bluetoothアンテナ
- USB端子:USB-C(10Gbps、3.2 Gen2)、Type A(前面2、背面2)
Steam Machineでは最新のアーキテクチャ「AMD Zen 4」を採用したセミカスタム6コア12スレッドCPUと、RDNA3世代の高性能GPUが搭載されています。一般的なPCゲーミング用途はもちろん、AAAタイトルも4K/60FPSで快適に動作し、FSR対応による映像性能の最適化やレイトレーシングにも対応しています。従来のSteam Deck(RDNA2/8CU世代)から約6倍の処理性能を実現。
ストレージは512GBと2TBの大容量モデルが発売予定で、microSDカードによる拡張にも対応。高速通信規格USB-Cや、映像出力ではDisplayPort 1.4・HDMI 2.0といった高品位規格を搭載し、複数ディスプレイ環境にも柔軟に対応します。ネットワーク面でもWi-Fi 6E、Bluetooth専用アンテナ、1Gbps LANポートでオンラインプレイやストリーミングが快適に行える点が特長です。
SteamOSによる快適なゲーム環境と拡張性
本機はArch LinuxベースのSteamOSがプリインストールされており、従来のWindowsとは異なる安定した環境でSteamライブラリを楽しめます。さらに「Proton」互換レイヤーによって多数のWindows用ゲームにも対応し、PCゲームの快適な体験を据え置き型で実現しています。Steam Deck同様のユーザービリティを提供しつつ、パワフルなハードウェアによる超美麗グラフィックをリビングでも手軽に堪能できるのです。
コントローラー新モデルで快適操作、「COMODO Station」も始動
発表会では新型「Steam Controller」も同時公開され、Steam Machineには同梱される予定です。Steam Deck風のトラックパッドや高精度磁気サムスティック、低遅延の独自無線規格(最大レイテンシ8ms、ポーリングレート4ms)など、PCゲームに最適化された操作性が特徴。バッテリー持ちは35時間以上と実用性も十分。また他社製コントローラーや周辺機器も利用可能です。
今後は国内販売パートナーKOMODOが運営する「Steam Deckストア」が「KOMODO Station」へ統合され、Steam MachineやSteam DeckなどのValveハードウェア製品の購入・サポートがワンストップで行える体制となります。
Valve製品の動向:Index VR販売終了、新型デバイス群の誕生
Valveは今回の新型Steam Machine発表と合わせ「Index VRヘッドセットの生産終了」もアナウンスしました。長年に渡り高品質なVR体験を提供してきたIndexですが、今後はより画期的なVR/AR製品「Steam Frame」など新型デバイスに注力していくとのことです。VRジャンルのハードウェア開発も新たな節目を迎えつつあります。
家庭のエンターテインメントをリードするSteam Machineの可能性
Valveの新ハードウェア戦略は「PCゲームをリビングで手軽に楽しむ」という大きな流れに合致していると言えるでしょう。小型の筐体・静音設計・圧倒的スペックは、従来PCでは難しかったリビングでの快適なゲーム体験を提案。
またSteamOSという環境が、従来以上に安定した運用とシンプルなインターフェースを実現。PCゲームユーザーだけでなく、家庭用ゲーム機しか触れたことがないユーザーにも入りやすい設計となっています。Steam Machineによってゲーム体験の幅は大きく広がり、Valveはユーザーの顔とリビングそのものを狙ったイノベーションを押し進めています。
新製品への期待と今後の展望
Steam Machineは2026年初頭より順次出荷予定であり、今後公式販売パートナーより発売日・価格などの詳細情報が出される見込みです。付属する新型Steam Controller、そして統合されるKOMODO Stationにも要注目です。Index VR販売終了による次世代VRハード「Steam Frame」など、Valveのハードウェア戦略は2026年以降も目が離せません。PCゲームを取り巻く環境の変化と共に、Steam Machineが家庭のゲーム新時代の起点となることを期待しましょう。


