京都の電池検査装置メーカー、片岡製作所が民事再生法を申請

2025年7月25日、京都市に本社を置く電池検査装置やレーザー加工装置の製造で知られる株式会社片岡製作所(以下、片岡製作所)が、京都地方裁判所へ民事再生法の適用を申請しました。負債総額は2025年1月期の決算時点で116億7,341万円にのぼる見込みで、地元のみならず産業界に大きな衝撃を与えています。

片岡製作所の企業概要と事業内容

片岡製作所は1968年8月に創業。レーザー技術を中核に据え、超精密加工機器の開発・設計・製造を手がけてきました。主力製品には次のようなものがあります。

  • 超精密穴あけ装置
  • 青色レーザー溶接装置
  • レーザー精密切断装置
  • ペロブスカイト太陽電池用レーザーパターニング装置
  • 二次電池検査システム(充放電、エージング、電圧検査など工程の自動化)

これらは自動車の電池をはじめ、最先端デバイスの製造工程に不可欠な装置として高い評価を得ており、イタリア、中国、台湾、アメリカ、ベトナムに現地法人、韓国には代理店を配置するなど国際市場でも事業を展開してきました。

申請の背景と今後の見通し

申請代理人は京都総合法律事務所の野﨑隆史弁護士が務め、監督委員には河本総合法律事務所の河本茂行弁護士が選任されました。負債総額は申請時点で116億7,341万円に達し、多くの関係者や取引先にとって大きな懸念材料となっています。

片岡製作所は長年にわたりレーザー技術の研究開発に投資し続けてきたものの、グローバルな半導体・電池市場の変動や競争激化、資金繰りの悪化が重なったことが今回の申請の主因とみられます。特に電池検査装置の分野は次世代電池の開発スピードの速さが要求されるため、技術開発費や設備投資の負担が経営を圧迫した可能性があります。

地域社会と産業界への影響

片岡製作所は京都市南区に本社を構え、地域経済に密着した企業でした。従業員の雇用維持、取引先への影響、そして地元産業の技術基盤の維持という課題が残るため、今後の民事再生手続きが円滑に進み、可能な限り事業再建が図られることが望まれます。

また、レーザー加工装置や二次電池検査装置の重要性は今後も高まることが予想され、産業界全体としても技術の継続・発展が期待されています。片岡製作所の技術力と経験は日本のものづくり産業にとって貴重な資産であり、再生計画の行方が注目されます。

まとめ

  • 片岡製作所は1968年創業のレーザー加工・電池検査装置メーカー。
  • 2025年7月25日に京都地方裁判所へ民事再生法の適用を申請。
  • 負債総額は約116億7,341万円と巨額。
  • 主力事業はレーザー精密加工装置と二次電池の検査システム。
  • 申請により地域経済や産業界に大きな影響が予想される。
  • 今後の再生手続きと事業の継続が注目されている。

片岡製作所の民事再生手続きはまだ始まったばかりであり、今後の動きに注目が集まります。関係者は速やかな事業再建と地域雇用の維持に向けて協議を進めているところです。

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