コア・モールディング・テクノロジーズ、メキシコ拡張とSMC事業推進で成長加速
2025年度の業績好調、2027年には3億ドル超の売上目指す
樹脂成形製品メーカーのコア・モールディング・テクノロジーズ(CMT)は、2025年度の経営成績を発表しました。同社は、メキシコ施設の拡張プロジェクトとシート成形複合材料(SMC)事業の拡大を通じて、今後の急速な成長を目指しています。
2025年度の経営成績と主な実績
2025年度通期の売上高は2億7,380万ドル、純利益は1,120万ドルを記録しました。第4四半期の売上高は7,470万ドルで、前年同期比19.5%の増加を達成しています。この堅調な成長は、新規プログラムの獲得と工具製造事業(ツーリング)の好調な推移に支えられています。
特に第4四半期のツーリング売上は1,900万ドルを超え、通期では「成長への投資」イニシアティブの成功により、6,300万ドル相当の新規受注を獲得しました。これらの新規プログラムは2026年から2027年にかけて本格始動する予定となっています。
メキシコ拡張プロジェクトの進展
同社は、メキシコでの事業拡張を戦略的な優先事項として位置づけています。2025年度は、メキシコ施設の拡張プロジェクトに650万ドルを投資しました。2026年度には、さらに1,800万ドルから2,000万ドルの追加投資を実施する予定です。
拡張計画には、マタモロス施設の改善とモンテレイへの新規工場建設の2つの主要プロジェクトが含まれています。マタモロス施設については既に工事が完了し、新しい施設からの出荷が開始されています。特に、ボルボの屋根製造プログラムについては、総額2,500万ドルの資本支出のうち、約2,000万ドルがマタモロス施設での展開に充てられています。
同社のCEO(最高経営責任者)であるデビッド・デュヴァル氏は、「2026年度の重点は実行にあります。マタモロス施設の拡張とモンテレイ新工場の稼働を、予定通りで予算内での完了を目指します」とコメントしています。
SMC事業の大幅な成長機会
同社が特に注力している事業分野が、シート成形複合材料(SMC)の直販事業です。SMC市場全体で2億ドルを超える商機が存在することが確認されており、同社はこの領域での事業拡大を積極的に進めています。
2025年度のSMC関連の新規受注は、年間ベースで2,100万ドルの受注規模に達しました。これらのプロジェクトは、2026年第3四半期までに本格的な量産体制に入る見込みです。同社の現在の生産能力は、このSMC市場機会の約3分の2に対応可能であり、必要に応じてさらなる生産設備の増設も可能な体制となっています。
メキシコ施設への拡張により、このSMC事業の成長ポテンシャルを最大限に活用する計画です。新しい施設は、技術的能力の強化と将来の成長を支える増加した生産能力を備えることで、同社の競争力をさらに高めるとされています。
2026年度の展望と財務目標
2026年度については、2025年度比で0~5%の売上増加を見込んでいます。ただし、新規プログラムの本格始動により、その後の成長加速が期待されています。同社は、現在のパイプラインから今後数年間で1億5,000万ドルの増収が見込まれると説明しており、2027年には売上高3億ドルを超えることを目指しています。
2026年度の資本支出計画では、全社的な設備投資として2,500万ドルから3,000万ドルを予定しており、このうちメキシコ拡張プロジェクトが大部分を占めます。また、経営陣の交代に関連する後継者育成費用として、約100万ドルの一時的な費用が予想されています。
営業マージンと経営効率
2026年度の売上総利益率(グロスマージン)は、17~19%の範囲を見込んでいます。これは業界の動向や原材料価格の変動を考慮したものとなっています。同社は、過去12カ月間の資本雇用利益率(ROCE)が8.0%であり、現金を除くベースでは10.2%の高い効率性を達成しています。
2026年度の売上原価および販売管理費(SG&A)には、メキシコ施設の移転・非資本的な建設費用として約250万ドル、経営陣の後継者計画関連で約100万ドル、合計約350万ドルの一時的な費用が見込まれています。これらは主に年度前半に集中すると予想されています。
グローバル事業基盤の強化
同社は、米国、カナダ、メキシコの6つの生産拠点を運営しており、2025年度末時点で1,239名の従業員を雇用しています。この従業員の約66%は労働協約の対象となっており、安定した労使関係を構築しています。
生産設備は、圧縮成形機54台、樹脂注入成形機4台、射出成形機24台の合計82台の成形機を保有しており、250トンから5,500トンの様々な規模の機器を備えています。オハイオ州コロンバスの本社に加え、マタモロス、モンテレイ、カナダのコボーグ、サウスカロライナ州ガフニー、ミネソタ州ウィノナに生産施設が配置されています。
市場見通しと事業成長の課題
同社の事業は、米国、メキシコ、カナダの経済状況に大きく影響されます。特に、北米のトラック産業サイクルの動向、原材料の価格変動と供給状況、労働力の確保、新規プログラムの確実な立ち上げなどが重要な要因となります。
また、新規または高い関税の導入、メキシコにおける安全保障上の懸念、金融市場の変動性など、マクロ経済的なリスク要因も存在します。同社の経営陣は、これらの課題に対応しながら、メキシコ拡張プロジェクトとSMC事業の成長を通じて、今後の企業価値向上を実現することを目標としています。
経営体制の変更
同社のデビッド・デュヴァルCEOは、2026年5月31日に退職する予定です。新体制への移行プロセスは順調に進行しており、後継者育成と組織体制の整備が行われています。




