『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が話題沸騰中!モラハラ男の変化とドラマの魅力を徹底解説
TBS系の火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が大きな反響を呼んでいます。夏帆と竹内涼真がW主演を務める本作は、2025年10月7日から放送が開始されており、視聴率やネット配信での再生数で次々と過去最高記録を更新しているのです。谷口菜津子氏による同名漫画を原作とするこのドラマは、「料理」をテーマに男女の価値観や「当たり前」を見直していく再生ロマンスコメディとして、多くの視聴者の心をつかんでいます。
空前の大ヒットを記録するドラマの実績
本作の人気ぶりは数字に如実に表れています。第一話の再生回数は、TVerとTBS FREEを合わせて520万を突破し、TBSの火曜ドラマとしては過去最高を叩き出しています。視聴率でも個人3.9%、世帯7.0%を記録しました。さらに、第3話の無料配信再生数は442万回を突破し、TBSドラマとして各話の歴代1位の成績を残しています。
これはTBSの看板枠である日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』の個人6.0%・世帯10.4%、NHK大河ドラマ『べらぼう』の個人5.0%・世帯8.8%に次ぐ数字です。すでに大作ドラマの背中が見えており、場合によっては視聴率で抜き去るジャイアントキリングを起こす可能性もあります。
かつてTBSの火曜10時は、新垣結衣主演で社会現象にまでなった『逃げるは恥だか役に立つ』や綾瀬はるかの『義母と娘のブルース』など、局としても黄金枠として扱われていました。その後、前回放送の『初恋DOGs』では世帯平均5%以下という苦戦を強いられていたため、今作の成功は局にとって大きな意味を持っています。
ストーリーの核となるモラハラ男の成長
本作の物語の中心となっているのは、海老原勝男(竹内涼真)というキャラクターです。彼は「料理は女が作って当たり前」という令和の時代には少し珍しい亭主関白思考を持っています。大学時代から交際をしていた山岸鮎美(夏帆)とは交際6年目を迎え、同棲生活にも慣れていました。勝男がプロポーズをしたところ、鮎美から別れを切り出されてしまいます。その原因は、まさに勝男のモラハラ的な思考にあったのです。
しかし、このドラマが多くの視聴者を魅了しているのは、ここからの展開です。勝男は料理を作ることを通じて、それまで当たり前だと思っていた価値観や考え方を見つめ直し、少しずつ成長していくのです。このテーマは、現代社会における性別役割分担や家事分担の問題に深く関わっており、多くの視聴者が自身の人生と重ね合わせているのでしょう。
モラハラ男が変わるために必要なこと
本作で浮き彫りになっているのが、「モラハラ男」が変わるために必要な条件です。ドラマの中では、鮎美が勝男に対して「夫にだけは言いたいことを言えない」という、多くの妻たちが抱える悩みが描かれています。こうした関係性の中では、相手の意見や気持ちが正当に伝わらないまま、ストレスが溜まり続けることになります。
モラハラ的な思考を持つ人間が変わるためには、相手の声を本当の意味で「聴く」姿勢が不可欠です。本作では、勝男が料理という実体験を通じて、それまで見えなかった相手の努力や気持ちに気付いていく過程が丁寧に描かれています。つまり、知識や理屈ではなく、体験を通じた理解が重要なのです。
また、変化のためには「相手の気持ちを尊重する」という基本的な姿勢も必要とされます。本作は、こうした普遍的な人間関係の課題を、ラブコメというエンタメ的な枠組みの中で提示することで、より多くの視聴者に届いているのだと言えるでしょう。
最新話での新しい展開と出演陣の充実
2025年11月4日に放送された第5話では、新たなキャストが加わり、ストーリーに新しい展開をもたらしています。シンガーソングライターの石崎ひゅーいが、中条あやみ演じる柏倉椿の元カレ・亮を演じることになりました。石崎がTBSのGP帯ドラマに出演するのは今作が初となります。
第4話では、それまでの自分を見つめ直した椿が、一度別れた元カレとやり直すことを「元失恋仲間」の勝男に伝えています。このエピソードは、本作全体のテーマである「自分自身と向き合い、成長する」というメッセージを象徴しています。椿に変化をもたらした元カレ役を、俳優としても活躍の場を広げている石崎が演じることで、ドラマにさらなる深みが加わっています。
サポート役の充実した演技
本作の魅力は、主演コンビだけには留まりません。バーテンダーの太平役を務める楽駆は、自分を見つめ直す作品としての本作の魅力について語っています。彼は「お芝居をしていてすごく楽しい」とコメントしており、出演者全員が心から本作に向き合っている姿勢が伝わってきます。また、太平役の妻を演じるサーヤとの共演についても、楽駆は充実した現場の雰囲気を伝えています。
こうしたサポート役の充実こそが、本作全体の質を高めている要因の一つです。各キャラクターが物語の中で独立した役割を果たしながらも、全体として「自分たちの人生を見つめ直す」というテーマに向かっていく構成は、脚本の完成度の高さを示しています。
現代社会への問いかけ
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が多くの視聴者に支持されている理由は、単なるエンタメ性だけではありません。本作は、現代社会における家事分担、ジェンダー平等、そして相手への理解と尊重といった、多くの家庭が直面する現実的な課題に真摯に向き合っています。
「料理は女が作って当たり前」という考え方は、一見すると古い価値観に思えるかもしれません。しかし、現実にはこうした考え方が根強く残っている家庭も多いのです。本作が重要なのは、こうした「当たり前」とされていた価値観に対して、あえて問いを投げかけているところです。それは、視聴者自身の人生を見つめ直すきっかけとなり、より良い人間関係を築くための気づきをもたらします。
まとめ
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は、高い視聴率と配信数の実績から、単なる流行ドラマではなく、多くの視聴者の心に深い響きを与えている作品だと言えます。モラハラ男の成長、そしてそれに伴うヒロインの変化という基本的なストーリーラインの中で、「料理」という日常的なアクティビティを通じて、人間関係における理解と尊重の大切さが描かれています。
これからも放送が続く本作がどのような展開を見せるのか、そして視聴者がどのような共感と気づきを得るのか、注目が集まっています。現代社会が直面する様々な課題に向き合いながら、エンタメとしての質も高く保つ本作は、ドラマの新たな可能性を示唆しているのです。




