DeNA次期監督は相川亮二氏に決定 三浦大輔監督は涙の退任、ファン追悼の「三浦コール」が甲子園に響く

横浜DeNAベイスターズでこの秋、大きな世代交代の瞬間を迎えました。2025年シーズン限りで退任した三浦大輔監督(51)の後任として、チームのディフェンスチーフ兼野手コーチだった相川亮二氏(49)の内部昇格が決まりました。球団としての正式発表は間もなく行われる予定ですが、すでに重鎮たちの去就は球界だけでなく、ファンの間でも大きな話題となっています。

三浦大輔監督の退任――涙の舞台裏

9月中旬に三浦氏が辞意を表明して以来、球団は後任人事の検討を進めてきました。三浦監督は、DeNAの指揮官としてリーグ2位から2年連続の「下克上」日本一を目指し、ファンの期待を背負って今季もクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージへとチームを導きました。しかし、待ち受けていたのは甲子園での阪神タイガースとの激闘。アドバンテージ1勝を含めて0勝4敗で敗退し、惜しくも日本シリーズ進出はなりませんでした。

退任会見では、三浦氏が涙をこらえきれない姿が印象的でした。今季限りで退任を表明した監督が、これまでの選手やスタッフ、そして何よりファンへの感謝を語るなかで、時折声を詰まらせる場面も。「最後の指揮を甲子園で取ることができたのも、みなさんの力があってこそ」と語った言葉に、ファンの胸を打つものがあったのは間違いありません。

また、時の人となった三浦監督の姿は、多くのメディアでも大きく取り上げられました。会見時には、相川氏らコーチ陣と並んであいさつする三浦監督の姿が画像・写真としても配信され、その表情からやり切った充実感とともに、わずかな名残惜しさも浮かんでいるように見えました。

阪神ファンも巻き込んだ「三浦コール」――X(旧Twitter)でトレンド入り

三浦監督の最後の舞台となった甲子園球場では、DeNAのファンだけでなく、阪神のファンまでもが一体となって「三浦コール」を送る感動的なシーンがありました。X(旧Twitter)では「#三浦コール」のハッシュタグがトレンド入りし、「不覚にも涙が出そうになった」「サプライズで花束を贈られた監督の表情が忘れられない」といったファンの声が続出しました。

阪神ファンたちは本来のライバル意識を超えて、長年プロ野球界を牽引してきた三浦監督の功績と人柄に敬意を表す形で、最後の別れを演出。球場内外で一体となった拍手とコールは、まさにプロ野球ファンならではの「越境した共感」の瞬間でした。

相川亮二新監督へ託される、DeNAの未来

三浦監督の退任が決まった後、球団は「リーグ優勝できる監督」を条件に、外部招聘も含めて広く検討を重ねました。その結果、現役時代は横浜(現DeNA)で捕手として活躍し、ヤクルト、巨人でもプレーした相川氏が最適と判断されました。相川氏は、三浦政権下でヘッド格として作戦面を担い、チームのAクラス入りに大きく貢献した実績があります。

現役時代は、強肩強打の捕手として日本代表にも常連で選出され、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)やオリンピックなど大舞台の経験も豊富です。指導者としては2019年から巨人でバッテリーコーチを務め、2度のリーグ優勝に貢献。2022年からは故郷・横浜に戻り、投手・野手の双方に詳しい経験を活かしながら現場を支えてきました。

相川氏は「もうDeNAのユニフォームを着ることはないと思っていたけれど、こうして戻ってくることができて感謝している。何とか優勝、そして結果で恩返しをしたい」と抱負を語っています。チームへの思い入れは強く、今後は「戦力と課題をしっかりと把握し、選手たちとともに新しい歴史を作っていきたい」と意気込みました。

選手育成と組織改革――新体制への期待

相川新監督の就任で、球団の目指す方針も明確になってきました。現役時代の経験から、投手・野手両面の戦力把握に強みを持ち、特に捕手としての洞察力を活かした選手育成に期待が寄せられています。実際に、山本選手を正捕手に成長させた手腕もあり、育成と補強を両立する手腕が今後も求められるでしょう。

また、球団の編成部門も大きな変化を迎えています。萩原龍大チーム統括本部長が今季限りで退任することが発表されており、組織改革や補強を担ってきた指揮官の交代も進むわけです。新監督、新編成トップ体制のもとで、DeNAがさらなる高みを目指す動きが加速していくのは間違いありません。

ファンの期待と、野球界の新しい風

DeNAの秋の大転換は、ファンにとっては寂しさと期待が入り交じる出来事でした。「三浦監督の最後の監督業は多くの人に感動を与えた」「相川新監督なら、このチームをまた一つ上に引き上げてくれる」と、それぞれの立場で新たな未来に思いをはせる声が続々と寄せられています。

XなどのSNSでは、三浦監督への感謝と、相川新監督への期待の声が交差し、時には熱い議論になることも。それだけ、DeNAというチームがどれだけ多くの人に愛され、期待されているかがうかがえます。

おわりに――新たな歴史への第一歩

今秋、横浜DeNAベイスターズは三浦大輔監督の涙の退任、阪神ファンをも巻き込んだ「三浦コール」、そして相川亮二新監督の誕生という大きな転換点を迎えました。三浦監督が最後の舞台で見せた“男泣き”と、それを支えた球団内外のファンの熱い思い。そのバトンを引き継ぐ相川新監督と新体制が、これからのプロ野球界にどんな風を吹かせていくのか――。新たな歴史へのスタートは、今まさに始まろうとしています。

三浦監督の功績は、選手たちの心に、そしてファンの胸に、確かに刻まれました。そして今、DeNAは新たな“男気”とともに、再び夢を追い始めます。今後のチームの行方に、どうか皆さんもぜひ注目してください。

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