ロス五輪世代の逸材DF小杉啓太、フランクフルトへ電撃移籍 堂安律の同僚に
U-22日本代表の19歳DF・小杉啓太が、スウェーデン1部ユールゴーデンからドイツ1部アイントラハト・フランクフルトへ完全移籍することが発表されました。
ロサンゼルス五輪世代を代表する左サイドバックが、欧州5大リーグの一つであるブンデスリーガにステップアップする大きなニュースとなっています。
フランクフルトが正式発表 移籍形態と契約内容
ドイツ・ブンデスリーガの名門アイントラハト・フランクフルトは19日、スウェーデン1部ユールゴーデンIFに所属していたU-22日本代表DF小杉啓太を完全移籍で獲得したとクラブ公式で発表しました。
クラブは小杉とトップチーム契約を締結し、契約開始日は2026年1月1日とされています。
発表にあたり、フランクフルトは「我々は、優れたボールハンドリング技術に加え、高い労働倫理と走る意欲も兼ね備えた若き左サイドバック、小杉啓太選手と契約しました」とコメント。
クラブとして、将来を見据えた重要な補強であることを強調しています。
ロス五輪世代の主力候補 小杉啓太とはどんな選手?
小杉啓太は2006年3月18日生まれの19歳で、いわゆるロサンゼルス五輪世代の有望株です。
ポジションは左サイドバック(左SB)で、攻守両面で存在感を発揮できる現代型のディフェンダーとして期待されています。
中学年代から湘南ベルマーレの育成組織で育ち、高校卒業のタイミングでスウェーデンのユールゴーデンに渡りました。
移籍初年度のシーズン途中には早くも主力に定着し、2年目の昨季にはUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)準決勝進出の立役者として評価を高めました。
世代別日本代表でも、U-15年代から中心的な役割を担い、2023年のU-17ワールドカップ、そして2025年のU-20ワールドカップと、2度の世界大会を経験しています。
まだA代表に招集された経験はありませんが、国際舞台でのプレー経験は同世代の中でも群を抜いていると言えるでしょう。
クラブと関係者の評価「技術・スピード・運動量を兼ね備えた左SB」
フランクフルトのスポーツダイレクター、ティモ・ハルトゥング氏はクラブを通じて次のように評価しています。
- 「小杉啓太は技術的に優れたボールタッチ、高い走力と運動量を兼ね備えた若い左SBだ」
- 「スウェーデンで主力選手として、また欧州カップ戦でもその実力を証明しており、大きな可能性を秘めている」
クラブ全体としても、小杉を「優れたボールハンドリング技術、高い労働倫理、走る意欲を兼ね備えた左サイドバック」と紹介しており、そのスタイルがブンデスリーガにマッチすると見込んでいることがうかがえます。
堂安律の同僚に 日本人ネットワークが広がるフランクフルト
今回の移籍により、小杉はフランクフルトで日本代表MF堂安律と同僚になります。
フランクフルトにはかつて長く在籍し「レジェンド」として愛された長谷部誠氏もおり、現在はクラブのU-21チームのコーチとして指導に携わっています。
すでに日本人選手・スタッフとのつながりがあるクラブ環境は、海外3年目を迎える小杉にとっても大きな支えとなりそうです。
ブンデスリーガは日本人選手が比較的多く活躍してきたリーグでもあり、言語や文化の違いがある中でも、適応しやすい土壌が整っていると言えるでしょう。
欧州5大リーグへのステップアップが意味するもの
小杉は高校卒業後、Jリーグを経由せずに直接スウェーデンへ渡り、欧州でのキャリアをスタートさせました。
そして今回、キャリア3年目にして欧州5大リーグ(ブンデスリーガ)へのステップアップを実現したことになります。
世代別代表ではすでに中心的存在であり、これまでの実績から、ロサンゼルス五輪世代の主力候補としての期待も大きくなっています。
さらに、北中米W杯を控える日本代表にとっても、ブンデスリーガで経験を積む左SBの存在は、選択肢を広げる意味で非常に重要です。
一部メディアでは、小杉を長友佑都(FC東京)の後継者候補とも紹介しており、日本代表の左サイドを将来的に託される存在として注目度が高まっています。
もちろん、現時点でA代表経験はなく、ここからの成長が求められますが、19歳という年齢を考えると、大きなポテンシャルを秘めていることは間違いありません。
ユールゴーデンでの成長と、フランクフルトでの新たな挑戦
ユールゴーデンでの2シーズンで、小杉はレギュラーポジションをつかみ、国内リーグだけでなく欧州カップ戦でも高いパフォーマンスを見せてきました。
特にECL準決勝進出のシーズンは、国際的なスカウトの目を引くきっかけとなり、その活躍が今回のブンデス移籍につながったと見られます。
一方、フランクフルトではすでに実績のある左SBが在籍しており、現地メディアやサポーターの間では「まずは半年ほど環境に慣れさせ、その後トップクラスの左SBの一人として競争していくのではないか」といった見方も出ています。
若い選手にとって、新たなリーグ・新たな戦術への適応は決して簡単ではありませんが、ハードワークを武器とする小杉なら一歩ずつ信頼を勝ち取っていくことが期待されます。
日本サッカー界への波及効果
今回の小杉の移籍は、「Jリーグを経由せずに欧州でキャリアを築き、さらに欧州5大リーグへ進む」という新しいモデルケースとしても注目されています。
近年、日本人選手の海外挑戦は低年齢化が進んでおり、その中でも小杉のように早い段階から欧州で結果を残し、次のステップに進む例は、後輩世代にとっても大きな刺激となるでしょう。
また、フランクフルトには堂安律に加え、クラブと強い結びつきを持つ長谷部誠氏も関わっており、日本とクラブの関係性はさらに深まりつつあります。
こうした環境の中で活躍すれば、日本代表にとっても、海外クラブとのネットワークにとっても、プラスに働く可能性があります。
今後に向けて期待されるポイント
小杉啓太のフランクフルト移籍で、今後注目したいポイントを整理してみましょう。
- ブンデスリーガでの適応力:
フィジカルコンタクトが激しく、攻守の切り替えが速いブンデスで、持ち味のスタミナとスピードをどこまで発揮できるか。 - 攻撃参加の質:
小杉は技術の高いボールタッチとオーバーラップを武器とする左SBと評価されており、クロスやビルドアップへの関与がどこまで伸びるかが鍵となります。 - 日本代表への飛躍:
A代表未経験ながら、五輪世代の主力候補であり、ブンデスで結果を出せば代表入りの可能性も高まります。 - 堂安律との連係:
同じクラブでプレーする日本人同士として、ピッチ内外でどのような相乗効果を生むかにも注目が集まります。
19歳という年齢を考えれば、焦る必要はありません。
まずはチームにフィットし、トレーニングやカップ戦などで少しずつ出場機会をつかみ、長期的に見て主力の座を狙っていくことが重要になるでしょう。
まとめ:19歳の大きな一歩、日本人左SBの新たな挑戦
スウェーデンのユールゴーデンで着実に力をつけてきた小杉啓太が、ついにブンデスリーガ・フランクフルトへ完全移籍という大きな一歩を踏み出しました。
ロサンゼルス五輪世代の中心候補であり、長友佑都の後継者とも目される左サイドバックが、欧州トップレベルの舞台でどこまで飛躍できるのか、多くのファンが期待を寄せています。
堂安律という心強い先輩日本人プレーヤーが同じクラブにいること、長谷部誠氏が指導者としてクラブに在籍していることは、小杉にとって大きな助けとなるでしょう。
これから始まるブンデスリーガでの挑戦は、本人にとってだけでなく、日本サッカー界全体にとっても重要な意味を持つものになりそうです。



