岡山県・香川県でカメムシ類注意報発令 果樹農家に広がる不安と対策のポイント

岡山県と香川県で、カメムシが平年よりも多く発生するおそれがあるとして、「カメムシ類注意報」「病害虫発生予察注意報」が発表されました。
カメムシは、モモなどの果物の果汁を吸ってしまうため、果樹農家にとってはとても頭の痛い害虫です。この記事では、今回の注意報の内容や被害の特徴、そして農家や一般の人が気を付けるべきポイントを、やさしい言葉でわかりやすくまとめます。

2年ぶりの「カメムシ類注意報」発令とは?

まず、岡山県では2年ぶりに「カメムシ類注意報」が出されました。
この注意報は、近い将来、カメムシが平年より大幅に多く発生し、農作物に被害が出るおそれが高いと判断されたときに出されるものです。

また、香川県でも県内全域でカメムシが例年の約4倍という多さで確認されており、「病害虫発生予察注意報」が発表されています。
特に、果汁を好んで吸うカメムシが多く見られ、モモなどの果物への被害が懸念されています。

なぜ今、カメムシが増えているのか

今回のカメムシ多発が心配されている背景には、いくつかの理由があると考えられています。
ただし、ここではニュースとして伝えられている事実を中心に、一般的に指摘される要因を整理しておきます。

  • 温暖な気候:冬の冷え込みが弱いと、カメムシが越冬しやすくなり、翌年の個体数が増える傾向があります。
  • エサとなる植物の豊富さ:カメムシは多くの植物の果実や種子の汁を吸います。周辺の雑草や樹木に実が多い年は、カメムシが増えやすくなります。
  • 発生時期と作物の生育ステージの重なり:果物が実をつけ始める時期と、カメムシが成虫となって活動を活発化させる時期が重なると、被害が広がりやすくなります。

岡山県と香川県の発表では、平年と比べてカメムシの目撃・捕獲数が明らかに多いことが確認されており、このままいくと果樹を中心に被害が広がる危険性が高いと判断されています。

カメムシが与える被害の内容

一般に「カメムシ」と聞くと、「くさい虫」というイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、農業の現場では作物の品質を落としてしまう重要な害虫として問題になっています。

果汁を吸うカメムシの特徴

果樹などに被害を出すカメムシは、ストローのような口(口針)を果実に刺し込んで、果汁を吸うという特徴があります。
このとき、見た目には小さな針の跡だけに見える場合もありますが、中身の細胞は壊れてしまい、時間が経つとさまざまな症状が出てきます。

モモなどの果物に起きる具体的な症状

  • 変形:果実の一部がへこんだり、全体の形がいびつになったりします。
  • シミ・斑点:表面に茶色っぽいシミや斑点が出ることがあります。
  • 内部の褐変:外側は一見きれいでも、中の果肉が茶色く変色している場合があります。
  • 品質低下:味が落ちたり、日持ちが悪くなったりして、市場に出荷できなくなることもあります。

特に、岡山県や香川県ではモモやその他の果樹が地域の大切な農産物となっており、カメムシによる小さな被害でも、出荷規格を満たせず大きな損失につながるおそれがあります。

岡山県の対応:防除の徹底を呼びかけ

岡山県は、「カメムシ類注意報」を2年ぶりに発令し、農家に対して防除の徹底を呼びかけています。
ここでいう「防除」とは、害虫の発生をできるだけ抑え、被害を少なくするための対策のことです。

県からは、次のような点が特に重要だとされています。

  • 発生状況のこまめな確認
    果樹園やその周辺の雑木林などで、成虫や幼虫の数を定期的に見て回ることが勧められています。早めに気づくことで、被害の広がりを抑えやすくなります。
  • 適切な時期の防除
    カメムシが果実を好んで吸う時期に合わせて、防除を行うことが大切です。県が出す情報を参考に、薬剤散布などのタイミングを調整する必要があります。
  • 周辺環境の管理
    果樹園の周りの雑草や樹木にもカメムシが潜んでいることがあるため、草刈りや枝の整理など、環境整備も重要な対策となります。

香川県内では例年の約4倍のカメムシを確認

香川県では、県内全域でカメムシの発生数が例年の4倍に達しているとして、「病害虫発生予察注意報」が出されました。
この「予察注意報」は、病害虫が今後広がっていく可能性が高いときに、早めに注意を呼びかけるためのものです。

香川県も岡山県と同様に、果汁を吸うタイプのカメムシによる果樹被害を特に懸念しています。モモをはじめ、他の果物にも被害が出るおそれがあるため、農家には早めの対策が求められています。

農家がとるべき具体的な対策

ここからは、岡山県や香川県の呼びかけの内容も踏まえながら、果樹農家が実際に行うべき主な対策を整理します。

1. 定期的な見回りと早期発見

  • 園地とその周辺をこまめに観察
    カメムシは葉の裏や枝のすき間、草むらなどに隠れていることが多いので、時間を決めて定期的に見回ることが大切です。
  • 果実の状態のチェック
    小さなシミや変形など、初期の異変を早めに見つけることで、被害の範囲を推測しやすくなります。

2. 県やJAの情報の活用

  • 発生予察情報を確認
    県やJA、農業関係機関が出す「発生予察情報」や「注意報」をこまめにチェックし、発生が多い時期や地域を把握することが重要です。
  • 防除暦や指導資料を参考に
    作物ごとに推奨される防除のタイミングや使用できる薬剤が整理されていますので、それに従って計画的に防除を行う必要があります。

3. 薬剤防除の適切な実施

  • 登録された薬剤の使用
    作物と害虫の種類に合わせて、国や県に登録された薬剤を、決められた用量・回数で使用することが基本です。
  • 散布時期の工夫
    カメムシが果実に集まりやすい時期や、活動が活発になる時期を狙って散布することで、効果を高めることができます。
  • 周囲への配慮
    風向きや時間帯に注意し、近隣の住宅や他の作物への影響が少なくなるように配慮することも大切です。

4. 物理的な防除や環境整備

  • 防虫ネットなどの活用
    規模や品目によっては、防虫ネットやシートを使って物理的にカメムシの侵入を防ぐ方法も検討されています。
  • 周辺の雑草・雑木の管理
    カメムシの「すみか」になりやすい場所を減らすために、園地周辺の草刈りや枝の整理を行うことが有効です。

一般の家庭や生活への影響と注意点

カメムシは農作物への被害だけでなく、秋から冬にかけて家の中に入り込んでくる害虫としても知られています。
今回のようにカメムシが多い年は、農家だけでなく一般家庭でも姿を見る機会が増える可能性があります。

家庭でできるカメムシ対策

  • 窓や戸のすき間をふさぐ
    網戸の破れや窓のすき間を点検し、テープやパッキンなどでふさいでおくと侵入を減らすことができます。
  • 洗濯物の取り込み時に注意
    ベランダで干した洗濯物にカメムシがついていることがあります。取り込む前に、軽く振って確認すると安心です。
  • つぶさないで処理する
    カメムシは強いにおいを出すため、素手でつぶさないことが重要です。ティッシュや紙でそっとつかみ、袋などに入れて口をしっかりしばって処理しましょう。

カメムシ発生情報に今後も注目を

今回、岡山県と香川県で発表された「カメムシ類注意報」や「病害虫発生予察注意報」は、農作物への被害を最小限にするための早めの呼びかけです。
特に、モモをはじめとした果樹を栽培している農家にとっては、今後しばらくの間、発生状況の確認と防除の徹底が欠かせない状況となっています。

一方で、一般の生活者にとっても、カメムシは身近な存在になりやすい虫です。
においへの対策や住まいへの侵入防止など、家庭でできる対策を知っておくことで、安心して過ごすことができます。

今後も、各自治体や農業関係機関が発信する情報を確認しながら、地域全体で被害を減らす取り組みが求められています。

参考元