埼玉県に新しい学びの風—高校生のための研究者データベース開設
埼玉県教育委員会は、2025年11月1日、高校生が課題研究や総合的な探究活動に役立てることができるポータルサイト「学・SAITAMAリサーチデータブック」を開設しました。このサイトは、県内大学の研究者情報を中心に、地域の教育・研究・企業などさまざまな分野のデータを集約したものです。
背景には、高校生が「学際的」な学びを深め、未知の課題に挑戦する力や将来のキャリア形成を後押しする狙いがあります。
本記事では、「学・SAITAMAリサーチデータブック」の詳細と、その背景、そして11月に行われた自治功労表彰についてもご紹介します。
「学・SAITAMAリサーチデータブック」とは?
「学・SAITAMAリサーチデータブック」は、埼玉県内の大学研究者(教授等)の情報や各分野のオープンデータ、県内の教育関連施設・企業情報をまとめ、高校生が簡単にアクセスできるよう設計されたポータルサイトです。
「学際的な学び」を養うことを目的とし、総合的な探究の時間や課題研究、進学先・進路を検討する際の調査・情報収集に役立つ内容が盛り込まれています。
データベースの特徴
- 県内すべての大学研究者情報を網羅:数多くの学問分野・研究テーマから興味のある教授などを探せます。
- 教育・地域・企業データと連携:「埼玉」の文字に由来した7つのカテゴリーで、関連情報を整理しています。
- 教科横断型・キャリア志向の学びをサポート:高校生が教科の枠を超え、探究学習や課題設定に活用できます。
「学・SAITAMA」の7つのカテゴリー
「SAITAMA」の頭文字ごとに、以下の7つの情報が提供されています。
- S(Speciality 研究者・大学):県内大学の研究者、分野ごとの専門家情報
- A(Area 市町村情報/Analysis オープンデータ情報/Attraction 県立学校の取組み):地域の統計情報、各自治体や学校の取り組み、企業・施設データ
- I(Interaction 教育プログラム):高大連携や企業連携プログラム、外部機関イベントの案内
- T(Tradition 県施設情報):博物館、美術館、図書館などの情報
- M(Materialization キャリア情報):県内の産業、企業、キャリア形成に役立つ情報
高校生が得られるメリット
- 自分の興味や疑問を深掘りできる:教室で学んだことを、大学ではどのように専門的に研究しているのか知ることで、探究の幅が広がります。
- 進路選択のヒントが得られる:将来の目標や学びたい学問分野を具体的にイメージしやすくなります。
- 地域と繋がった活動のきっかけに:地元企業や地域イベントを知ることで、社会との接点が生まれます。
データベース活用の具体例
- 課題研究のテーマ探し:例えば「環境問題」に関心がある場合、地域のデータや大学の研究者情報を活用して、自分だけの探究テーマを作成することができます。
- 教科内容の発展学習:数学で学んでいる統計や理科で学ぶ生態系の知識が、大学でどのような最先端研究に繋がっているかを理解できます。
- キャリア教育・進路検討:県内企業情報や大学での活動を知ることで、将来どのような分野で活躍したいのか具体的に考えるきっかけになります。
開設の背景—「学・SAITAMAプロジェクト」
埼玉県教育委員会は、2023年度より「学・SAITAMAプロジェクト」をスタートさせ、高校生の探究活動や学際的な学びを支援してきました。本プロジェクトの一環として、県内大学・研究者・企業等と連携し、「学ぶ力」と「未知への挑戦力」を育む教育を推進しています。
この流れの中で、データベースの開設は「未来を担う若者たちの力を引き出す」鍵となる取り組みです。
自治功労の受賞で地域を盛り上げる—埼玉県地方自治功労賞が5部門で5氏に
2025年11月、埼玉県地方自治功労賞にて、5部門5名の受賞者が決定しました。これは、地域社会を支え、県民の安全・安心や生活の向上に貢献した公務員や地域活動の実践者などを顕彰する伝統ある賞です。
授賞式は11月12日、さいたま市内で開催されます。
地方自治功労賞とは
埼玉県地方自治功労賞は、県内の自治体や地域コミュニティ運営において、長年にわたり顕著な功績をおさめた個人や団体を表彰するものです。毎年、公共サービスや地域活動において模範と認められる方が顕彰されます。
今回の受賞部門と受賞者
2025年の受賞は、以下の5部門・5名です。それぞれ、教育、社会福祉、防災、まちづくり、地域経済の分野などで大きな貢献をされました。
- 教育分野:学校教育・生涯学習推進への貢献
- 社会福祉分野:地域福祉の充実とネットワーク構築
- 防災分野:自治体の防災計画や地域防災リーダーとしての活躍
- まちづくり分野:住み良い地域社会の形成への尽力
- 地域経済分野:地域産業や地場企業への支援・発展への貢献
こうした活動が今、県全体の連帯感や地域力の強化、住民満足度の向上に大きく寄与しているとして、多くの祝福が寄せられています。
受賞者からの喜びの声:「自治功労表彰を頂きました!」
受賞者は、「まさか自分が選ばれるとは…」「周囲の支えに感謝」と語り、日々の地域活動の大切さややりがいを改めて感じているそうです。特に、若い世代に向けて「一人の思いが地域や社会に広がっていく」と温かいメッセージを発信しています。
自治体・県関係者からも、「今後も受賞者のような存在が地域を明るく牽引してくれることを期待しています」とコメントが発表されています。
教育と自治の両輪で、未来に向かう埼玉県
2025年秋、「学び」と「自治貢献」の両側面で注目を集めている埼玉県。高校生の新しい学びのチャンスを創出する「学・SAITAMAリサーチデータブック」と、その背後で地域社会の活動を支える多数の自治功労者の存在——。
この二つが合わさり、埼玉県全体がさらに豊かに、そして若い世代にとって魅力的な場所へと発展する基盤が整いつつあります。
自治体・教育関係者・企業・地域住民が一丸となって「これからの埼玉県」を盛り上げていく姿に、大きな期待が寄せられています。
関連情報
- 「学・SAITAMAリサーチデータブック」は埼玉県教育委員会公式サイト等からアクセス可能です。
- 地方自治功労賞は毎年複数の部門で顕彰が進められ、県民一人ひとりの取り組みが称えられています。
- 今後の地域イベント、探究学習発表会などでも、自治体と地元大学の協力体制が進められていく予定です。




