自民党内の石破茂首相問題が揺れる:辞任要求から激励デモまで

2025年7月に入り、日本の政界では自民党の石破茂首相をめぐり激しい動きが相次いでいます。参議院選挙の結果を受け、党内から「石破おろし」の声が高まり、一時は辞任する意向が報じられましたが、本人は否定し留任の意志を示しています。そんな中、官邸前では石破首相への支持を示すデモも予定されており、与党内外が揺れ動いています。この一連の動きを「両院議員総会」開催の可能性など政治的な節目を軸にまとめました。

参議院選挙での自民党の苦戦と党内の反応

7月21日に公表された参議院選挙では、自民党が公明党と共に両院での過半数を維持できず、少数派となる苦戦を強いられました。これがきっかけで、党内における石破茂首相の責任論が噴出し、辞任を求める動きが活発化しています。自民党内の複数の若手議員は「石破首相が辞任しないならば、我々は行動する」と発言し、党としての対応を議論中です。また、高知県支部連合会が党本部に辞任要求を提出し、尾崎正直衆議院議員が明確に辞任を求める姿勢を示すなど、石破首相への圧力が明確になっています。

辞任報道の混乱と本人の意思

一時は複数メディアが「石破茂首相は8月末までに辞任する意向」と報じ、辞任不可避との見方も広まりました。首相はこれを強く否定し、今後も職務を続ける考えを示しています。石破首相は、政治の安定を保つ必要性や日本が直面する物価上昇や日米関税交渉の継続などを理由に挙げ、「辞任報道は虚偽だ」と強調しました。また、党内の分裂は許されないとの認識を関係者と共有し、危機感を持って団結を呼びかけています。

「石破辞めるな」官邸前デモの計画

石破首相を支持する市民や団体は、7月25日の夜に首相官邸前で大規模なデモを予定しています。デモの主催者は、この行動を「抗議でも褒め殺しでもなく、激励のため」と明言し、石破首相への支持と激励の意思を示そうとしています。政治的な混迷の中で、首相を辞めさせるのではなく、引き続き頑張ってもらいたいという声が根強いことを示しています。

「石破おろし署名運動」と両院議員総会の行方

自民党内では、石破首相の辞任を正式に求めるためには、両院議員総会を開催することが必要ですが、その要件となる「議員の3分の1」の賛同を得る署名集めが難航しています。署名の締め切りは週明けに延期されたと報じられ、党内での統一した結論は未だ出せていません。両院議員総会が開催できるか否かが、今後の党内政治の行方を左右するとみられています。

自民党青年局長からの申し入れ

この状況を踏まえ、中曽根康隆自民党青年局長は森山浩行幹事長に対し、石破首相や党幹部が「自ら責任を取ることを求める」との緊急申し入れを行いました。党内で責任を明確にし、政治的混乱を収束させるための注文とみられています。

今後の展望

石破茂首相の去就問題は、党の団結や政治の安定に大きな影響を与える政治の節目となっています。選挙結果に対する責任論は根強いものの、首相本人は当面職にとどまる意向を示しており、党内の署名集めや両院議員総会の開催を巡る動きが注目されています。官邸前のデモや党内からの激励も含め、今後しばらくは政権運営の行方から目が離せません。

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