航空自衛隊の最新ステルス戦闘機F-35B、8月7日に新田原基地へ配備
防衛省は、2025年8月7日(木)に航空自衛隊の新田原基地(宮崎県)へ最新鋭のステルス戦闘機F-35Bの最初の4機を配備することを正式に発表しました。今回配備されるF-35Bは、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)性能を持つ型で、国内初の配備とされます。今後、計42機をアメリカより調達し、新田原基地を拠点に運用される見込みです。
F-35Bの特長と配備の経緯
- F-35B戦闘機は通常の航空機のような滑走路での離着陸に加え、垂直着陸が可能なSTOVL型。
- 防衛省はもともと、騒音の大きい垂直着陸訓練は緊急時を除き新田原基地で行わない方針でしたが、馬毛島の飛行場工事の遅延に伴い、今年2月に夜間を含む垂直着陸訓練実施を表明。
- F-35Bは高度なステルス性と優れた運動性能を持ち、防衛力強化の重要な戦力として期待されている。
地元・自治体からの反発と防衛省の対応
新田原基地周辺の住民や宮崎県、新富町からはF-35B配備に対して強い反発の声が上がっています。特に騒音問題や安全面への不安が大きく、配備決定に対して「事前に不安の解消に努めるべきだ」との意見が県知事からも出されています。
宮崎県知事は、8月7日の配備を前に防衛省から具体的な説明や住民への丁寧な対応がないことを批判し、「配備前に不安解消が筋」と強調しました。しかし現時点で国(防衛省)からの明確な回答は得られていない状況です。
防衛省の説明と今後の予定
- 配備にあたり、2025年9月中旬にF-35Bの飛行実演を実施予定。米軍パイロットによる短距離離陸や垂直着陸を含むデモで機体の性能や騒音の実態を住民に体感してもらう計画。
- この飛行実演をもとに、防衛省は基地周辺住民の負担軽減策の検討結果を示す考え。
- 関係自治体および住民への説明が終了するまでは、飛行実演以外のF-35Bの飛行訓練は行わない方針。
配備の意義と今後の課題
F-35Bの配備により、日本は自衛隊の戦闘機部隊の能力を大幅に向上させる見込みです。特に多様な離着陸環境に対応可能なSTOVL機の導入は、防衛戦略の多角化に貢献します。一方で、今回の配備を巡る地元住民の不安と反発は防衛省にとって重要な課題です。
防衛省、九州防衛局は地域の理解促進と騒音対策、安全対策を両立させる必要があり、今後の説明と対話の進展が注目されます。