水谷豊、時代劇「無用庵隠居修行9」で見せる円熟の演技とシリーズへの愛情
水谷豊さんは、2025年9月23日午後7時よりBS朝日で放送される「無用庵隠居修行9」に主演します。2017年に始まったこのシリーズは、水谷さん演じる隠居旗本・日向半兵衛がさまざまな事件に巻き込まれながら悪を成敗する痛快な時代劇で、多くの人々から愛されてきました。第9作に至った今でも、毎年1作ずつのペースで放送され、シリーズの継続と発展に水谷さんは強い意欲を示しています。本人は「次回作があれば10作目の大台になりますが、あるんじゃないですかぁ?」とユーモアを交えて語り、作品への愛情を隠しません。
シリーズの原点―隠居旗本・日向半兵衛の物語
「無用庵隠居修行」は、直木賞作家・海老沢泰久氏による短編小説が原作で、江戸時代を舞台としています。主人公の日向半兵衛は、出世争いに精魂尽き果てた直参旗本で、「無用庵」と呼ばれる庵で隠居生活を始めます。ところが彼の静かな日々は、江戸の市中で起きるさまざまな事件に巻き込まれ、また庶民や下級武士とのふれあいを通じて、世の中の巨悪に立ち向かうことになる、という流れです。
シリーズの魅力は、半兵衛の情の厚さと人間味あふれる活躍、武士のコミカルな日常、そしてサスペンスフルな展開です。毎回、時代背景や社会問題を反映させつつ、観る者に感動と笑いを届けてきました。
第9作の見どころ―山口馬木也と憧れの水谷豊との共演
今回「無用庵隠居修行9」には、俳優・山口馬木也さんが出演し、子どもの頃から憧れていた水谷豊さんと夢の共演を果たします。山口さんが演じるのは、従来の役柄からは一転して“極悪侍”。その役どころと変身ぶりに、視聴者の期待が高まっています。
- 山口馬木也さんは、これまで「タイムスリッパー」などで爽やかさやヒーロー性が強かったですが、今回の共演を機に、悪役としての新たな側面を引き出しました。
- 水谷さんとの直接的な絡みや、重厚な演劇的駆け引きが、物語を一層引き締めています。
シリーズのキャスト陣も豪華です。レギュラーの岸部一徳さん、檀れいさんとの“空気みたいな関係”と形容される掛け合いも、これまで同様の安心感と温かさをもって作品を支えています。
社会背景とのリンク―第9作で描かれる身近な事件
第9作では、時代劇ながら現代社会にも通じるテーマが扱われます。例えば、幕府が流通米を蓄えていた義倉が盗賊に狙われるという事件は、米の価格高騰など現在の経済状況ともリンクしています。時代劇が過去の物語を扱いながら、いまの社会問題への共鳴を図る構成は、視聴者にとっても興味深いポイントです。
- 米騒動を背景に、庶民や武士たちの日常が生き生きと描写されるため、視聴者は登場人物たちの生活感に自然に共感できます。
- 半兵衛が巨悪にどう立ち向かうのか、心情や成長も丁寧に描かれており、シリーズを通して受け継がれる“善悪”のテーマが際立っています。
監督やスタッフ、名作時代劇へのこだわり
「無用庵隠居修行」の監督は吉川一義さん。テレビ朝日系列の「だましゑ歌麿」シリーズでも水谷さんとタッグを組み、信頼関係を築いてきました。原作・脚本へのリスペクトに加え、4K高画質時代劇として映像美も追求されており、時代考証や美術にも細部まで徹底したこだわりが感じられます。
また、江戸庶民のリアルで生き生きした生活風景や、武士社会の閉塞感、そして時代の節目にある価値観の変化を物語に巧みに盛り込んでいるのが特徴です。
水谷豊の時代劇俳優としての魅力
水谷豊さんは、若い世代から高齢層まで幅広いファンを持つ国民的俳優です。「無用庵隠居修行」では、老練でありながらチャーミングな半兵衛という役柄に、人生経験と柔軟な演技力を融合させています。シリーズが9作にわたり続いたことについて、「ビジターからホームへ戻るような感覚」「できる限り続けたい」という率直な想いを語るなど、演じることへの誇りと喜びが随所に見受けられます。
- シリーズを通して作品や共演者への感謝の気持ち、現場づくりの温かさが伝わってくるインタビューも印象的です。
- 「空気みたいな関係」と自ら形容するほど、共演陣やスタッフとの一体感が、作品の安定感や安心感を支えています。
大ヒットの流れを受けた近況―「相棒」の動員300万人と今後の展開
水谷豊さん主演の人気ドラマ「相棒」は、わずか1カ月で300万人の動員を達成し、水谷さん本人の俳優人生にとっても重要な節目となっています。シリーズのファンからは「無用庵隠居修行」と「相棒」両方の活躍に熱い声援が寄せられています。なお、「結婚発表はない」と報じられていますが、プライベートと仕事を分け、演技や作品づくりに集中している水谷さんの姿勢は変わりません。
まとめ:水谷豊が紡ぐ時代劇の奥深さ、夢の共演とシリーズの未来
「無用庵隠居修行9」は、水谷豊さんが主演・岸部一徳さん・檀れいさんとともに継続する長寿シリーズです。今回は山口馬木也さんの新たな挑戦と夢の共演が見どころであり、江戸の“米騒動”を題材にした社会性を盛り込むことで、時代劇としての普遍的な面白さと現代への共鳴を両立させています。
- 水谷豊主演、シリーズ第9弾がBS朝日で放送
- 山口馬木也が憧れの水谷豊と共演、「極悪侍」に抜擢
- 米騒動や江戸庶民の生活を通じて、現代へのメッセージも
- 次回作「第10弾」への期待も高まる
- 「相棒」の動員記録や水谷豊の俳優としての軌跡にも注目
水谷豊さんが描く時代劇の粋と、シリーズの進化、そして信頼と絆に満ちた共演者・スタッフとともにつくりあげる物語。その奥深さを改めて感じさせる一作となるでしょう。