間寛平から横山裕まで──『24時間テレビ』マラソンが紡ぐ感動の歴史
『24時間テレビ』のチャリティーマラソンは、日本のテレビ史に残る壮大なチャリティイベントとして、毎年多くの視聴者に深い感動を与え続けています。その原点となったのは、間寛平さんの挑戦でした。1992年、間さんが初めてマラソンランナーを務め、挑戦こそ中断されたものの、その情熱は視聴者の胸を打ち、翌年1993年の200km完走、そして1995年の阪神淡路大震災復興支援600km完走という偉業につながりました。その後も次々と著名人によるチャレンジが繰り広げられ、今年(2025年)もまた新たな物語が生まれています。
間寛平が作った“走る歴史”〜チャリティーマラソン誕生秘話
- 1992年に初挑戦したものの、沿道の観衆が殺到し中断。
- 翌1993年にリベンジ達成。200km、24時間の挑戦を完走し、テレビの枠を超えたドラマを提供。
- 1995年には阪神淡路大震災復興支援として、神戸から東京まで600kmを7日間で走破。普段のおちゃらけたキャラクターとのギャップ、そして震災復興への真剣なまなざしが多くの人の心を揺さぶりました。
「一番最初に始めたり、一週間ずっと走ったりと超人的だった」「阪神大震災復興支援で神戸から東京まで走ったこと」「イメージと違ってひたむきだったから」と、視聴者の声も絶えることなく、その功績は今も語り継がれています。間寛平さんのひたむきな姿勢は、チャリティマラソンの原点として、多くの後輩たちのチャレンジにつながりました。
2025年:横山裕 “リーダー超え”の105km 完走――SUPER EIGHTの絆と涙
今年の『24時間テレビ48』のチャリティーマラソンランナーは横山裕さん(SUPER EIGHT)。彼は44歳で105kmの距離に挑みました。スタートは8月30日午後8時11分、そして翌31日午後8時45分に見事ゴール。スタートからゴールに至る約24時間、SUPER EIGHTメンバーが見守る中、仲間や視聴者の応援を力に変えました。
- ゴール時点の募金総額は7億40万8600円に達し、多くの人の思いと支援が集まりました。
- 横山さんは「皆さんのおかげで完走することができました。本当にありがとうございます」と涙をにじませて感謝の言葉を述べました。
- 目的別募金として「マラソン子ども支援募金」を立ち上げ、経済的に困難な子どもたちへの支援のために力を尽くしました。自身も幼少期に経済的不安を抱え、弟たちは養護施設で暮らした経験があり、その思いが今回のチャレンジに反映されました。
- ステージではSUPER EIGHTメンバーが楽曲「オニギシ」を歌唱し、絆溢れるエールのやり取りが会場を温かく包みました。
「感動しなかった」マラソンランナーランキング──2025年版の新たな論争
毎年多くのドラマが生まれる中、今年は『24時間テレビ』マラソンに対する“感動しなかったランナーランキング”も話題となっています。例年設定される「感動したランナーランキング」に対し、最も印象が薄かったり、期待値とのギャップが話題になるケースも。このランキングは視聴者の多様な意見から生まれ、ランナーの実力や人柄、エピソードの有無、そして番組演出などが複雑に絡み合っています。
- 2025年版ランキングではヒロミさんが3位、高橋尚子さんが2位に。
- 1位は視聴者投票による意外な人物で、これまでのチャリティマラソン出演者の新たな評価が反映されました。
- ランキングが話題になった理由として、視聴者の感情が年々多様化していること、マラソンの“感動”の意味が世代によって異なることなどが挙げられています。
ただ、こうしたランキングは「感動を強制するものではない」「それぞれのチャレンジには必ずストーリーがあり、誰かの心に必ず響いている」といった受け止め方も広がっており、あくまで多様な視点のひとつとして注目されています。
チャリティランナー“印象に残っているランキング”──イモトアヤコを超えた1位は?
今年もう一つ話題になったのが「印象に残っているチャリティランナーランキング」。番組史上、強い印象を残したランナーにスポットが当たりました。
- 例年ランクインするイモトアヤコさんを抑え、2025年版では新たなランナーが1位を獲得。
- このランキングは、マラソン距離だけでなく、そのチャレンジに込められた想いや、ランナーごとのドラマが評価される傾向にあります。
- 印象深さは、完走までの葛藤や逆境を乗り越えたシーン、また応援する家族や仲間、支援への熱い気持ちなど、多面的な要素で作られています。
『24時間テレビ』マラソンはなぜ人の心を動かすのか
間寛平さんが切り拓いた“走ることによる支援”は、毎年新しい物語とともに受け継がれ、社会へ“生きる力”と“絆”を伝え続けています。過酷な距離を走り抜く姿、支援の輪が広がる募金、そしてそれを後押しする視聴者や応援団の声──これらは単なるエンターテイメントではなく、「人が人を思いやる力」を具現化する場でもあります。ランナー一人ひとりの背景や目的、意志に共感することで、私たちの心は自然に動かされていくのでしょう。
チャリティマラソンの新たな息吹──2025年を経て
2025年、横山裕さんの105kmマラソン完走は「リーダー超え」と称され、SUPER EIGHTメンバーとの強い絆が際立ちました。また、目的別募金制度が拡充され、「マラソン子ども支援募金」、「パラスポーツ応援募金」(イモトアヤコさんら)、「能登復興支援募金」など、寄付の選択肢がひろがっています。
- これまで以上に支援の幅が広がり、実際に支援の必要な子ども・障がい者・災害被災地へ直接届く仕組みが強化されました。
- 一般募金(福祉、環境、災害支援)も継続して受付中です。
- 視聴者・出演者・関係者が一丸となって社会貢献の意識を高めています。
過酷なマラソンを走り抜く時間は、決して一人の力では成し得ません。“みんなの応援”という温かい風が背中を押し、誰かの人生を少しでも明るくする──その連鎖が、現在も『24時間テレビ』の大きな魅力となっています。これからも、このチャリティマラソンが多くの人々の笑顔と希望につながることを願っています。
まとめ──「走る」ことがつなぐ未来へ
間寛平さんが起点となった歴史、そして多様化するチャレンジ――その全てが『24時間テレビ』マラソンの豊かさを伝えています。“誰かのために走る”姿勢のバトンは、時代をこえて受け継がれ、2025年の横山裕さんの涙とともに新しいページが開かれました。これからも各ランナーの奮闘、その一歩一歩が社会への優しさ、そして未来への希望となっていくはずです。