小島秀夫とジョーダン・ピールが贈る新感覚ホラー『OD』──ゲームと映画の垣根を超えた異色作、その全貌に迫る
話題沸騰──『OD』初の本格トレーラー公開、その“P.T.”的恐怖体験
2025年9月26日(金)、小島プロダクションがXbox Game Studiosとタッグを組み、監督・脚本に小島秀夫とジョーダン・ピールを迎えた最新ホラーゲーム『OD』(オーディー)の本格トレーラーが世界初公開されました。わずか3分強の映像ながら、登場キャストのソフィア・リリスが怪しげなキャンドルに火を灯し、正体不明の“ノック”に脅かされるシーンに、会場とSNSのファンたちは大きくざわつきました。ラストの圧倒的な恐怖をたたえたクローズアップは、小島氏伝統の“P.T.”の系譜を色濃く受け継いでいます。
名だたるクリエイターと豪華キャスト──〈ホラー・アンソロジー〉としての『OD』
『OD』は、アカデミー賞監督であり、“GET OUT”、“NOPE”など現代ホラーの旗手ジョーダン・ピールをはじめ、ソフィア・リリス、ウド・キア、ハンター・シェーファーといった実力派が顔をそろえます。小島秀夫自身が語る「これはゲームであり映画でもある——新たなメディア体験」であり、従来のゲームフレームワークを超えた実験的な作品として位置付けられています。
- 監督・脚本:小島秀夫、ジョーダン・ピール
- 主要キャスト:ソフィア・リリス、ウド・キア、ハンター・シェーファー
- 制作・技術:Unreal Engine 5+MetaHuman、Xbox Cloud Gaming
- ジャンル:エピソディック(連作)ホラー・アンソロジー
- サブタイトル:「KNOCK」(ノック)——これは小島秀夫自身の“ノック音”への恐怖から着想された第1話
“KNOCK”で描かれる“恐怖の限界”——P.T.との連続性と進化
トレーラー第1弾となった「KNOCK」では、プレイヤーはソフィア・リリス演じるキャラクターの主観視点で体験します。不気味な空間の中で、キャンドルを灯すたびに高まる緊張感、そして“ノック”の音とともに忍び寄る正体不明の存在——古典的なゴーストストーリーモチーフを、小島作品らしい独特なリズムと映像美で再構築しています。
かつて“P.T.”(2014年、KONAMI傘下時代に制作・発表、のちに“サイレントヒル”新作としてキャンセル)がもたらした、プレイヤーの精神を激しく揺さぶる“ヒューマン・ホラー”の系譜は本作にも生きています。「ODは“Fear Threshold”(恐怖のしきい値)を探求する作品、恐怖の過剰摂取(OverDose)に挑むメディア」と、小島氏自らが明言している通り、P.T.を現代技術で再構築し、さらなる高みへと押し上げているといえるでしょう。
技術革新と映画的没入感──Unreal Engine 5 & MetaHumanが生む次世代恐怖体験
『OD』はUnreal Engine 5とEpic GamesのMetaHumanツールを駆使し、現実と錯覚するほどのフォトリアリスティックな映像美を実現しています。小島プロダクションは、主要なセットや小道具・俳優の表情まで徹底して3Dスキャン(フォトグラメトリー)し、最新のクラウドゲーミング技術を組み合わせた“ハイブリッドなインタラクション体験”に挑戦中です。
Xbox Game Studiosとの連携によりゲームプレイそのものをクラウド上で処理し、従来のハード性能の制約を超えた表現が加速。フィル・スペンサー(Xbox責任者)は「これは挑戦的であり、唯一無二であり、間違いなく小島プロダクションの作品だ」とトレーラー公開の場で熱弁しました。
ホラー×インタラクションの新境地──ゲームでも映画でもない“次世代メディア”への進化
『OD』の真骨頂は、“プレイヤーが恐怖へどこまで耐えられるか”という極限の心理分析を軸とした構成にあります。従来のゲームの「進行」ではなく、オムニバス形式でエピソードごとに異なる恐怖のテーマとアプローチが登場。「KNOCK」(第1作)は“小島秀夫が感じるノック音の恐怖”を起点としていますが、今後は監督・脚本ごとに様々な「恐怖のかたち」が提示される予定です。
ジョーダン・ピール以外にも複数の有名脚本家・監督の参加が示唆されており、バラエティ豊かな恐怖劇場が実現。各エピソードは“観るだけ”ではなく、“主体的に体験する”ことでプレイヤーの反応や選択が物語・映像体験そのものに影響を与えていきます。
キャスト陣、その魅力と起用理由──リリス、キア、シェーファー
- ソフィア・リリス(『IT/イット』シリーズ)──トレーラーの主役。現実感あふれる表情と感情描写が本作のフォトリアリズムと完璧に融合。
- ウド・キア(『アイアン・スカイ』他)──謎の恐怖キャラクターを知的に怪演。
- ハンター・シェーファー(『ユーフォリア/EUPHORIA』)──実験的な役柄で、新たな恐怖の一端を担う。
「OD」プロジェクトが業界に与える波紋と今後の展望
小島プロダクションとXbox Game Studiosのパートナーシップは、従来のパッケージゲームビジネス/映画ビジネスの枠を突き破り、クラウドネイティブ時代の新たな体験価値を追求する象徴ともいえる存在となりました。ジョーダン・ピールは自身のSNSで「まったく新しい恐怖を、世界中のプレイヤーと一緒に作りたい」と語り、今後も複数の名だたるクリエイターがジョイン予定であることも判明しています。
特に「OD」は、複数のエピソードが連作アンソロジー形式で展開され、それぞれがコラボ監督の体験・トラウマなどをテーマに“あなたの恐怖耐性”を試す仕掛けとなっています。“ノックは小島の恐怖だが、ピール監督はピール監督自身の恐怖を描くエピソードを用意する”という発言は、今後の展開への大きな期待を集めています。
現時点でリリース日や価格等は未発表ながら、トレーラー公開後の反響は極めて大きく、「P.T.の再来」、「映画とゲームの境界を超えた新時代のホラー」など称賛の声がSNSを埋め尽くしています。今後の続報にも要注目と言えるでしょう。
OD――ホラー表現の未来へ、その“扉(ドア)”はいま開かれる
『OD』は、“恐怖を昇華する唯一無二のインタラクティブ体験”としてホラー表現の進化と、エンターテインメントの新たな可能性を切り拓く存在となることでしょう。「KNOCK」で始まるこの旅路に、多くのプレイヤーが挑戦したくなることは間違いありません。