佐賀バルーンフェスタの原点と進化 -空に舞う夢、佐賀から世界へ-
佐賀バルーンフェスタの原点は佐賀ではなかった
佐賀バルーンフェスタは今や国内外から多くの来場者が集まる、日本を代表する熱気球の祭典ですが、その原点は実は佐賀県ではありません。
熱気球大会の始まりは1978年、福岡県甘木市で開催された「バルーンフェスタ・イン九州」という小さな集まりでした。当時は5機ほどの熱気球が参加し、地元の有志によって運営されていました。
しかし開催場所が福岡空港の運行に影響することから、1980年より佐賀県佐賀市へ会場を移して以降、毎年11月に大会が開催されるようになりました。佐賀での最初の大会には14機が参加し、以降徐々に規模を拡大していきました。
佐賀の地で育まれた「バルーンフェスタ」の進化
1981年には「バルーンフェスタ・イン佐賀」として再スタート、そして1984年にはアジアで初となる国際大会を開催し、「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」と大会名称も改められました。
熱気球日本選手権も併催されるようになり、佐賀は国内屈指の熱気球競技大会の開催地として、その名を全国へと広げていきました。
このような発展の根底には、熱気球を愛する人々の情熱と、地域のボランティア、市民、自治体、そして協賛企業による惜しみない支援がありました。
地域の力で世界的イベントへ成長
佐賀バルーンフェスタは地域活性化の成功例としても高く評価されています。大会運営には毎日300人規模の市民ボランティアが参加し、得られた利益やノウハウは全て地域に還元されています。
こうした継続的な地域連携と運営力によって、世界屈指の「国際熱気球大会」として成長。開催当初は無名だった佐賀の地が、今や世界のバルーニストが憧れる舞台となりました。
国際舞台での佐賀バルーンフェスタの存在感
大会総合優勝者には「パシフィック・カップ」が授与され、国内外のトップ選手が集う場となっています。
また、1989年、1997年、2016年の計3回、熱気球世界選手権が佐賀で開催されるなど、アジアを代表する熱気球の祭典として国際的な評価も得ています。
2016年大会には世界31カ国から105機以上の競技気球が空を彩りました。大会累計来場者数は2022年までで約2,880万人もの人々を魅了しています。
バルーンフェスタを支える地域活動~清掃ボランティアの取組み~
大会期間中は地域の協力が不可欠です。熱気球の安全な離陸・着陸のため、九電グループが佐賀城鯱の門周辺の清掃を実施するなど、地元企業や団体による環境美化活動も活発に行われています。
こうした市民参加型の取組みが、観光客を温かく迎え、佐賀の魅力を一段と高めています。
佐賀の伝統と融合する新しいバルーングッズ
佐賀インターナショナルバルーンフェスタを盛り上げる新しい取り組みとして、「佐賀錦」や「肥前びーどろ」など、佐賀の伝統工芸とコラボレーションしたバルーン関連グッズが発表されました。
これらは単なるお土産品に留まらず、地域文化の発信と観光振興の両面から大きな期待が寄せられています。
- 佐賀錦: 鮮やかな色彩と高度な技術で織り上げられる伝統織物。バルーンモチーフをあしらった限定品が登場。
- 肥前びーどろ: 江戸時代から続く伝統ガラス工芸。バルーン型のオーナメントなども販売予定。
これら新グッズは大会の象徴である“空への夢”や“佐賀の誇り”を形にしたものであり、多くの方の関心を集めています。
市民と熱気球が作る佐賀の未来
佐賀バルーンフェスタの歴史は、熱気球への憧れと地域への愛着が合わさった、まさに「夢の共演」の軌跡です。
大会を支える市民の熱意、自治体・協賛企業の惜しみない協力、伝統工芸と融合する新しい挑戦——全てが佐賀の地に根付き、今も進化を続けています。
佐賀の空を彩る無数のバルーンは、世界中の人々の夢や憧れ、そして地域の誇りを乗せて舞い上がります。これからも“佐賀の空”は、皆の夢と希望を運ぶ舞台として輝き続けるでしょう。
来場者へのおすすめポイント
- 早朝のフライトや夜間係留イベント「ラ・モンゴルフェ・ノクチューン」は必見。バーナーの光に照らされる熱気球の幻想的な姿に感動が広がります。
- 大会期間中は各種アトラクションや体験イベントも盛りだくさん。子供から大人まで楽しい思い出づくりができます。
- 佐賀の郷土料理や物産品ブースも充実。伝統工芸グッズはお土産にもぴったり。
- ボランティア活動や清掃イベントの参加を通じて、「支える側の楽しみ」も体験できます。
まとめ
佐賀バルーンフェスタは、福岡県甘木市で始まった熱気球への情熱が、佐賀の地で地域の希望となり、やがて世界を舞台に躍進した祭典です。
地域の協力、伝統文化の融合、ボランティア精神、そして空への夢——全てが集結し、佐賀の秋を彩るこのフェスタ。今年も多くの人々が佐賀の空と心を一つにすることでしょう。



