角野隼斗とスタジオジブリ副社長が語る「久石譲の音楽の力」 〜ジブリパークで感じた“食べるシーン”への情熱〜

ジブリパークとはどんな場所?

ジブリパークは、愛知県長久手市の「愛・地球博記念公園」内に広がる、スタジオジブリ作品の世界を五感で体験できるテーマパークです。
現在、「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」「もののけの里」「魔女の谷」の5エリアに分かれ、それぞれに映画の名シーンやキャラクター、独自の体験プログラムやグルメが楽しめます。
2022年秋にオープンしてから今年で3年目。今や国内外から多くのファンが訪れ、日本を代表する観光スポットとなっています。

角野隼斗とジブリパーク、特別な対談が実現

2025年秋、気鋭のピアニスト・角野隼斗さんと、スタジオジブリ副社長によるスペシャル対談が実現しました。テーマは「久石譲の音楽が持つ力」と「ジブリパークで感じた“食べるシーン”への情熱」。本対談はJ-WAVE(ラジオ)をはじめ、多くのメディアで注目を集めています。

久石譲の音楽が持つ力について

久石譲さんといえば『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』『千と千尋の神隠し』をはじめ、ジブリ作品に欠かせない音楽家です。
角野さんは「ジブリ作品の音楽は、映像以上に心に強く残る」と語ります。副社長も「久石譲の音楽は、登場人物の心情や世界観を音だけで雄弁に語る。あの旋律があるからこそ、ジブリの物語は普遍的になり、多くの人の人生と重なる」とあらためて音楽の力を実感しているそうです。

  • たとえば『となりのトトロ』の「さんぽ」は、子どもから大人まで何十年経っても口ずさめるほど親しみやすい旋律。
  • 『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』のオーケストラサウンドは、スケール感と繊細さが同居し、壮大な世界観を音に刻み込みます。
  • 『千と千尋の神隠し』のピアノ曲は、現実と幻想の狭間を漂うような、どこかノスタルジックな響きが特徴。

角野さんは演奏者としても「久石譲の音楽は、弾いているだけで物語の世界に吸い込まれていく」と語り、ジブリ副社長も「久石さん独特の、メロディーのリフレインが人の記憶に残り、何気ない日常さえ音楽のワンシーンに変えてしまう」と言及しました。

ジブリパークで感じた“食べるシーン”への情熱

今回の対談のもう一つの柱は、「ジブリ作品の食卓シーン」へのこだわり。
副社長は「ジブリ作品では、食べるシーンをとても大切に描いています。ただ食事をするだけでなく、登場人物の心情、関係性、物語の転換点など多くの意味を持たせている」と説明。
角野さんも「ジブリパークを訪れてみて、映画に登場した料理や、食卓の風景を実際に味や匂いで体験できる演出には感動した」と語ります。

  • 『千と千尋の神隠し』の冒頭で両親が豪快に屋台の料理を食べるシーン
  • 『天空の城ラピュタ』でパズーが目玉焼きをのせてトーストを食べる朝食
  • 『ハウルの動く城』のベーコンエッグを焼く朝食
  • 『魔女の宅急便』のニシンとかぼちゃのパイ

これらは映画の中で「食べること=生きること」「人とのつながり」「幸せの象徴」として丁寧に描かれています。パーク内では、実際に映画をオマージュしたメニューや、その場の雰囲気を再現したグルメ体験もできるのが大きな魅力です。

対談を通じて見えた“ジブリ流”の世界観

対談の中で、角野さんは「ジブリパークを歩いていると、映画で聴いた音楽が頭の中に自然と流れ出し、目の前の風景と重なる不思議な体験ができる」と話しました。副社長も「パークは“ジブリ作品の中に入り込む体験”をテーマに設計した。音楽・風景・食・体験全てが一体となった空間」と自信をのぞかせます。

  • 館内には名シーンごとの音響演出が施されており、特に「ジブリの大倉庫」エリアでは、有名なメロディや効果音とともに展示やジオラマが連動しています。
  • 季節ごとに食や体験メニューが変わり、訪れるたびに新たなジブリに出会うことができます。
  • 2025年11月には、サボイアS.21(『紅の豚』)の実物大模型展示がスタートし、飛行艇の世界観を間近で体感可能に。
  • 野外上映会や音楽イベント、季節限定のグルメ、さまざまなワークショップも随時開催されています。

久石譲の音楽とパーク体験の融合 ― 今後の展望

ジブリパークでは不定期で「野外上映会&コンサート」も開かれています。最新情報によると、2025年11月1日・2日には秋の夜空の下で映画作品の野外上映や、音楽家による生演奏が開催予定。今年は久石譲の代表曲を特集したストリングスコンサートも企画され、映画音楽をライブで味わう贅沢な体験が注目されています。

角野さんは「ライブの場でジブリ音楽を生で浴びることで、映画の情感や記憶がより深く心に刻まれる」とコメント。副社長は「ジブリの音楽や“食”のシーンがもたらす記憶の力を実感できるのがパークの大きな特徴」だと語っています。

ジブリパークの今後&最新イベント

2025年秋、開園3周年を迎えるジブリパーク。“どんどこ祭り”や、ラジオ放送「ZIP-FM GHIBLI DAY with ジブリパーク」など賑わいを見せる中、館内のカフェ「ロタンダ 風ヶ丘」もリニューアルオープン。新メニューや限定グッズも登場し、多くのジブリファンの期待が高まっています。
パークの様子や最新イベントは公式サイトやSNS、現地掲示にて随時発表されており、事前予約制のため来場前のチェックは必須です。

  • 「もののけの里」限定:きな粉づくり体験
  • 「魔女の谷」限定:映画メニュー再現の朝食、特製スイーツなど
  • ワークショップ:タイルアートや楽器製作、クリスマスリース作り 等
  • 秋の祭典:特別音楽イベントや野外上映会

「心に残る体験」を提供するジブリパーク

ジブリパークは、単なる映画の再現にとどまらず、「五感で味わうエンターテインメント」として成長を続けています。音楽、食、空間、体験――すべてが有機的につながる「ジブリの世界」に、これからも多くの人が心躍らせることでしょう。
角野隼斗さんとスタジオジブリ副社長の対談は、「記憶に残る音楽とシーンの力」をあらためて私たちに伝えてくれます。そして、ジブリパークがその体験の場として、さらなる進化と発展を続けていることを強く印象づけるものとなりました。

参考元