全国の吉野家で「こどもごちめし」が利用可能に
子どもの食の支援を目的とした「こどもごちめし」が、全国の吉野家で利用可能になることが発表された。NPO法人Kids Future Passport(以下、KFP)は、株式会社吉野家の協力のもと、2025年3月17日から全国の吉野家店舗で年間10万食分の食事チケットを無償提供する。この取り組みは、地域の飲食店をこども食堂化するサービスとして、多くの子どもたちに食事を届けることを目指している。
10万食の食事支援で子どもたちの未来を支える
KFPが運営する「こどもごちめし」は、企業や個人の支援によって成り立つ子ども向けの食支援サービスである。2024年8月に行われた吉野家との取り組みでは、地域限定の458店舗で1万食の提供を実施し、多くの子どもたちから好評を得た。今回の新たな取り組みでは、対象店舗を全国に拡大し、合計10万食を提供することで、より多くの子どもたちに食事を届けることができる。
企画概要と利用方法
この取り組みの対象者は、こどもごちめしに登録したユーザーであり、利用できる店舗は全国の吉野家1,162店(2025年3月17日現在)となっている。ただし、一部店舗を除く。支援内容は、税込750円分のこどもごちめしクーポンで、毎月提供される予定数が設定されており、なくなり次第終了となる。提供期間は2025年3月17日から2026年2月28日までの約1年間である。
子どもの貧困問題と食支援の重要性
日本では、17歳以下の子どもの7人に1人が相対的貧困に直面しており、特にひとり親家庭の相対的貧困率は44.5%に達している(こども家庭庁 2022年調査)。このような状況において、学校給食のない休日や長期休暇中には、十分な食事をとることが難しい子どもも少なくない。KFPは、こうした現状を踏まえて春休み期間中からの提供を開始し、吉野家との協働により、子どもたちとその保護者が安心して食事を楽しむ機会を全国に広げていく。
今後の展開と持続可能な支援の拡大
「こどもごちめし」は、これまでお金による支援が主流であったが、吉野家の協力により「お食事チケット」という具体的な形での食の支援が可能となった。この機会を通じて、他の飲食チェーン店とも連携を進め、食事提供の枠をさらに拡大し、持続可能な子ども食堂の形を全国に広げていく意向が示されている。
NPO法人 Kids Future Passportの概要
KFPは、福岡県福岡市博多区に本拠を置くNPO法人で、2023年6月2日に設立された。会長は今井了介氏で、地域こども支援事業「こどもごちめし」を運営し、全ての子どもの健やかな成長を見守る持続可能な仕組みを目指している。公式サイトはこちらである。
終わりに
「こどもごちめし」の取り組みは、子どもたちの未来を支える重要な一歩となる。全国の吉野家との連携を通じて、より多くの子どもたちが安心して食事を楽しむことができる環境が整うことが期待される。今後もこのような支援活動が広がり、すべての子どもたちに明るい未来が訪れることを願いたい。