農家向け家庭雑誌『家の光』が創刊100周年を迎える

一般社団法人家の光協会が発行する農家向け月刊家庭雑誌『家の光』が、2023年5月号(4月1日発刊)で創刊100周年を迎えた。この記念すべき号では、農村の家庭にとって重要な「台所」をテーマにした特別企画や別冊付録が掲載されている。

100周年記念号の特別企画

5月号は100周年を祝う特別号であり、農家の台所の歴史を振り返る特集が組まれている。また、スペシャルインタビュー企画として、美輪明宏さんが登場し、彼の人生相談が読者の関心を集めている。さらに、農家を対象にしたダンスコンテストや、暮らしに役立つ豪華プレゼント企画も実施されており、読者の参加を促している。

『家の光』の歴史と変遷

『家の光』は大正14年に創刊され、農業協同組合の前身である産業組合中央会から発行された。この雑誌は、共同心の精神を重んじ、家庭や地域での助け合いの重要性を説いている。特に戦後は、生活改善運動を通じて農村の民主化と近代化に貢献し、発行部数は昭和36年1月号には180万部に達した。

現在も全国のJAを通じて販売されており、「食と農」「暮らし」「協同」「家族」をテーマに、幅広い世代の読者に向けて情報を提供している。特に、地方在住の女性を中心に支持されており、家族全員が楽しめる内容となっている。

過去の知恵を現代に活かす

『家の光』では、これまでの100年分の記事を掘り起こし、現代にマッチした内容にアップデートしている。料理や健康、手芸に関する記事は特に人気があり、読者の生活に役立つ情報が満載だ。例えば、季節の野菜を長く楽しむための保存方法や、昔ながらの調理技術が紹介されている。

また、農家のお母さんたちが編み出した知恵や、読者からのアイデアも多数掲載されており、台所は家族の歴史が詰まった場所として重要視されている。

地域の伝統食と文化を継承

『家の光』では、地域の伝統食を伝える女性グループや、農家の台所での生活を語る人々のストーリーも取り上げられている。これにより、農村の食文化を振り返り、次世代に伝える役割を果たしている。

100周年を祝う特別な企画

創刊100周年を記念して制作されたオリジナル曲『Rice vegetable meat』は、食と農の大切さを歌ったもので、ダンスコンテストも開催中だ。参加者はSNSで動画を投稿し、賞金を獲得するチャンスがある。応募の締切は10月31日までで、詳細は特設サイト(こちら)で確認できる。

手芸記事の歴史と現代の注目

『家の光』では、手芸記事も人気を集めており、農作業を効率的に行うための作業着の提案などが行われている。これにより、農村の女性たちの生活スタイルをより快適にするための情報が提供されている。

終わりに

『家の光』は、創刊100周年を迎えたことで、その歴史と伝統を振り返りつつ、未来に向けた新たな挑戦を続けている。読者にとって、生活に役立つ情報やコミュニティのつながりを提供し続けるこの雑誌は、次の200周年に向けても息の長い存在であり続けることが期待される。