3月21日は「世界ダウン症の日」、2025年のテーマは「ここにいるよ」

公益財団法人日本ダウン症協会(Japan Down Syndrome Society、以下JDS)は、3月21日の「世界ダウン症の日」に向け、毎年ダウン症の正しい理解を促進するための啓発活動を展開しています。今年も特別な啓発ポスターを制作し、全国での掲示を呼びかけています。2025年のテーマは「ここにいるよ」であり、ダウン症のある若者たちの成長物語を通じて、彼らの存在を広く知ってもらうことを目指しています。

世界ダウン症の日の意義

毎年3月21日は、国連によって制定された「世界ダウン症の日」として認識されています。この日は、ダウン症候群の特徴である21番目の染色体が3本存在することに由来しています。国際ダウン症連合(Down Syndrome International)もこの日を祝う活動を行っており、ダウン症に対する理解を深めるための重要な機会とされています。

「ダウン症」という名称は、最初にこの症状を報告したイギリスの医師ジョン・ラングドン・ダウンに由来しています。ダウン症の正しい理解を広めることは、社会全体の意識を高めるために不可欠です。

啓発ポスターの制作と成長の記録

JDSは、2013年から毎年ダウン症についての啓発ポスターを制作しており、今年は2014年に登場した子どもたちが成人期にさしかかる姿を再度撮影しました。ポスターには、当時のポーズを再現し、同じ色のTシャツを着た彼らの現在の姿が映し出されています。特設サイトでは、各モデルの好きなことや最近の成長エピソードも紹介されており、彼らの個性や成長を感じることができます。

また、啓発ポスターの制作過程を収めたメイキング動画も公開されており、制作の裏側を知ることができる貴重な機会となっています。

サポートシステムの改善を求めるメッセージ

国際ダウン症連合は、2025年のテーマを「Improve Our Support Systems(サポートシステムの改善)」と設定しています。ダウン症のある人々が地域社会で生活し、受け入れられるためには、適切なサポートが必要です。家族や周囲の人々もサポートを必要としていることが多く、すべての人が必要なサポートを受ける権利があることを訴えています。

このメッセージを広めるために、JDSは「ここにいるよ」というスローガンを掲げています。これは、ダウン症のある人たちが社会の一員として存在していることを知らせる重要なメッセージです。

啓発ポスターの掲示呼びかけ

JDSは、企業や学校、病院、公共施設など、さまざまな場所で啓発ポスターを掲示してもらうよう呼びかけています。申し込みフォームから必要事項を送信すると、ポスターが送料無料で発送されます。また、PDF形式でのダウンロードも可能で、印刷して掲示することもできます。ダウン症のある人々の存在を知ってもらうことが、啓発ポスターの目的です。

終わりに

ダウン症についての理解を深めることは、社会全体の意識を変える大きな一歩です。JDSの取り組みを通じて、ダウン症のある人たちが「ここにいるよ」と声を上げることで、より多くの人々が彼らの存在を認識し、理解を深めることが期待されます。未来に向けて、ダウン症のある人たちがより良い環境で生活できるよう、啓発活動が続けられることを願っています。

詳細は、JDSの公式サイトをご覧ください。