米国が発動した相互関税、日米間で食い違い続く

2025年8月6日午後1時1分(米国東部時間午前0時1分)、米国はトランプ政権が7月31日に発表した新たな「相互関税」を正式に発動しました。これにより、日本を含む特定の国々への関税率が引き上げられ、特に日本への関税はこれまでの10%から15%に改定される見込みとなりました。しかし、日米間ではこの関税措置に関する軽減措置に食い違いが見られ、今後の交渉が注目されています。

相互関税とは何か?

相互関税とは、ある国が他国に対して一定額の輸入品に上乗せ関税を課し、相手国からの不当な関税や貿易障壁に対抗するための措置です。今回の発動は、主に米国が安全保障を理由に追加関税を課してきた品目などに対して、各国の対応から見てさらなる関税引き上げを実施するものです。

トランプ政権の新たな大統領令とその内容

2025年7月31日に発令された大統領令には、新たな相互関税の税率が明記されています。これにより、今後通関される貨物には新税率が適用されるとともに、これまで15%だった自動車関連などの追加関税は据え置きか若干の軽減が議論されました。しかし、今回は日本に対しても、15%への税率引き上げが予定されていることが明らかとなりました(JETRO 2025年8月1日, ANNnewsCH 2025年8月6日)。

日本政府の対応と交渉状況

赤澤経済再生相は8月6日、米国商務長官と直接会談し、日米間で合意した軽減措置の速やかな実行を求めました。特に、今回の相互関税の適用に関わり、米国側が日本に対して特例を認めなかったことについて、修正要求を行う構えです。日本は、相互関税の中で自動車・同部品関税を25%から15%に引き下げるこれまでの合意を重視し、この軽減措置が確実に守られるよう強く促しています(ニュース内容2, ニュース内容3)。

軽減措置をめぐる日米間の食い違い

発動当日の時点で、米国は日本に対して相互関税を適用する際の特例から日本を除外し、その結果15%の上乗せ適用の可能性を示唆しています。一方、日本側はこれまでの交渉経緯や両国の合意を背景に、15%引き下げという軽減措置の適用を強く求めており、この点で食い違いが顕著になっています。この溝がどのように解消されるかが今後の焦点となるでしょう(ニュース内容1、性能商務長官との会談の報道)。

関税発動の具体的なタイミングと影響

米国通関時点で2025年8月6日午後1時1分以降に通関される貨物には、新たな相互関税が適用されることとなります。ただし、船舶積載済みかつ10月5日までの通関分については適用除外となり、従来のベースライン関税10%のみが課される扱いです。これにより、米国向け日本製品などの輸出コストが今後増加し、企業の価格戦略や輸出動向に影響を与えることが懸念されています(JETRO 2025年8月1日)。

関税措置の広範な影響と今後の展望

  • 企業活動への影響: 関税率引き上げは企業にとってコスト増を招き、輸出製品の価格競争力を低下させる恐れがあります。特に自動車や鉄鋼分野での影響が注目されています。
  • 日米経済関係: 軽減措置をめぐる日米の意見対立は、両国の経済関係全般や貿易政策にも波及し、今後の二国間交渉の強化や調整が求められます。
  • 交渉の行方: 赤澤経済再生相の米商務長官との会談で示されたように、双方が速やかな合意履行と修正要求を協議しており、関税引き上げの具体的運用に注目が集まっています。

まとめ

2025年8月6日の米国による相互関税の正式発動は、日米双方にとって重要な経済問題を再燃させました。日本側は、軽減措置の適用を訴えて速やかな交渉の実現を目指しており、米国側も安全保障等を理由とした関税政策を強化する意向を示しています。両国間での合意内容の食い違いを解消し、安定した通商関係を維持するための協議が今後も続く見込みです。

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