カンブリア宮殿で東宝・松岡宏泰社長が語った「ヒット連発」の舞台裏とは

テレビ東京系の番組「カンブリア宮殿」では、毎回さまざまな企業のトップやキーパーソンを招き、その強さの秘密や変革の裏側を掘り下げています。2026年5月21日の放送回に登場したのは、日本を代表する映画会社・東宝株式会社の社長、松岡宏泰(まつおか ひろやす)氏でした。

東宝は、『鬼滅の刃』の劇場版、『ゴジラ』シリーズ、さらに「国宝」といった作品まで、次々に話題作を世に送り出し、近年は過去最高益を更新するなど絶好調。その「ヒット連発」のイメージの裏には、どのような戦略と考え方があるのか――今回の「カンブリア宮殿」では、その一端が紹介されました。

番組で取り上げられた東宝とはどんな会社か

東宝は、映画の制作・配給・興行、そして劇場運営など、映像エンターテインメントに関わる幅広い事業を展開する総合映画会社です。戦後から現在に至るまで、日本映画を語るうえで欠かせない作品を数多く送り出してきました。

  • 映画制作・配給:話題のアニメ映画や実写映画を手がける
  • 映画館運営:全国にシネマコンプレックスを展開
  • 舞台・ミュージカル:帝国劇場などでの公演も関わりが深い分野

長年培ってきた制作・配給のノウハウに加え、劇場ビジネスも含めた「トータルなエンタメ展開」ができることが、東宝の大きな強みです。

『鬼滅の刃』『ゴジラ』『国宝』…多彩なヒット作が示す東宝の顔

今回の放送では、東宝の象徴とも言える複数のヒット作品が、会社の「強さ」を語るキーワードとして紹介されました。

社会現象になった『鬼滅の刃』

劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』は、日本国内で歴代トップクラスの興行収入を記録し、まさに社会現象となりました。東宝は配給会社として、この大ヒットを支えました。

  • 原作・テレビアニメで培われたファン基盤を映画へつなげる戦略
  • 幅広い世代が楽しめる作品としてのプロモーション展開
  • 上映回数やスクリーン数の調整など、興行面での柔軟な対応

番組でも、『鬼滅の刃』の成功は、原作の力だけでなく、長年映画ビジネスに携わってきた東宝の配給・興行のノウハウがあってこその成果だと位置づけられていました。

日本が世界に誇る『ゴジラ』ブランド

『ゴジラ』シリーズは、東宝を代表する特撮映画であり、日本発のキャラクターとして世界的にも認知されています。近年は、日本国内向けの新作だけでなく、海外との連携も含めて展開が続いています。

番組では、東宝が『ゴジラ』というブランドを大切に育て、時代に合わせて表現を変えながら継続してきた姿勢が触れられました。長期にわたって愛されるシリーズを維持するには、単に同じものを繰り返すだけではなく、世代ごとの価値観や映像技術の進化に合わせたアップデートが必要です。

話題を呼ぶ『国宝』と「文化」としての作品づくり

番組の紹介文には、『国宝』というタイトルも挙げられていました。東宝は、アクションや特撮だけでなく、歴史や文化に光を当てた作品、重厚なドラマ性のある作品にも積極的に関わっています。

大衆的なエンターテインメントを提供しながらも、映画や舞台を通して「文化」に触れる機会を増やしていくことも、東宝が果たしている役割の一つとして紹介されました。

「ヒット連発」と「最高益」を支える東宝の強さ

カンブリア宮殿の放送では、東宝の最高益という結果に注目しつつ、その背景にある考え方や取り組みがテーマになりました。

バランスの取れた作品ラインアップ

東宝は、アニメ・実写・特撮・文学作品の映像化など、多様なジャンルの作品を手がけています。これにより、特定のジャンルだけに依存せず、幅広い層の観客にアプローチすることができます。

  • ファミリー向けの作品で、子どもから大人まで集客
  • アニメやコミック原作で、若い世代のファンを獲得
  • 社会派の作品や歴史作品で、より高い年齢層にも訴求

こうしたバランスの取れた作品ラインアップが、安定した興行収入につながり、そのうえで『鬼滅の刃』のような大ヒットが生まれることで、最高益に結びついていると紹介されました。

制作・配給・興行をつなぐ「現場感覚」

東宝は、自社が配給する作品を自社の映画館で上映することができる体制を持っています。番組では、この一体感のあるビジネスモデルが強みの一つとして挙げられました。

たとえば、観客の反応を劇場で直接感じ取ったうえで、次の作品の宣伝方法を工夫したり、上映回数の調整を行ったりすることができます。この「現場の声」を生かした判断が、ヒット作をさらに伸ばす力になっていると説明されました。

作品と観客を大切にする姿勢

松岡宏泰社長は、番組の中で、作品を単なる商品としてではなく、「観客にとっての大切な体験」として届けたいという思いを語っていました。また、映画館での体験を守りつつ、新しい視聴スタイルにも対応していく姿勢にも触れられました。

観客の変化や社会の変化に対応しながらも、「良い作品を届ける」という根本の部分をぶらさないことが、東宝の強さの源泉である、というメッセージが伝えられていました。

松岡宏泰社長が語る、これからの東宝とエンターテインメント

カンブリア宮殿での対談では、これからの映画・エンターテインメントのあり方についても話題が及びました。配信サービスの普及など、映像を取り巻く環境が大きく変化するなかで、東宝はどのような未来を見据えているのかが問われた形です。

変わる環境への適応と、変えない「核」

観客が映画に触れる手段は多様化しています。映画館、テレビ、配信サービス、ネット動画など、選択肢は以前より格段に増えました。

その中で松岡社長は、環境の変化に合わせた柔軟な対応は必要でありつつも、「物語の力」「映像の魅力」といったエンターテインメントの核となる部分は変えずに大事にしていきたいという考えを語っていました。

技術や視聴形態が変わっても、観客が心を動かされる体験を提供することは変わらない――東宝の作品づくりの軸が垣間見える発言でした。

日本発コンテンツの可能性

『鬼滅の刃』や『ゴジラ』など、日本発のコンテンツが海外でも注目を集める時代になっています。番組では、日本の作品が持つ独自性や魅力を大切にしながら、海外との連携や展開も視野に入れた取り組みが紹介されました。

国内でのヒットに満足するのではなく、世界に向けてどう届けていくかを考えることも、今の東宝にとって重要なテーマとなっていることが伝えられました。

カンブリア宮殿の放送から見えてくるもの

2026年5月21日の「カンブリア宮殿」は、東宝という一つの企業の成功物語にとどまらず、日本の映画・エンターテインメント業界がこれからどう進んでいくべきかを考えさせられる内容でした。

  • 長年の実績に甘えず、変化に対応し続ける姿勢
  • 作品と観客を大切にする、まっすぐなスタンス
  • 日本発のコンテンツを世界へ届ける可能性

『鬼滅の刃』『ゴジラ』『国宝』といった具体的な作品を通して語られた東宝の「強さの秘密」は、多くの視聴者にとって、映画ファンとしての楽しみと同時に、ビジネスのヒントとしても受け止められたのではないでしょうか。

東宝が今後どのような作品を生み出し、新たな「社会現象」を起こしていくのか。今回のカンブリア宮殿の放送は、その歩みを見守りたくなる内容となっていました。

参考元