応用情報技術者試験など3試験区分、2026年度からCBT方式へ移行
2026年度から、国家資格である「応用情報技術者試験」「高度試験」「情報処理安全確保支援士試験」が、従来のペーパー(紙)方式からCBT(コンピュータ・ベースト・テスティング)方式へ移行することが、情報処理推進機構(IPA)および関係省庁より正式に発表されました。これにより、受験者の利便性が大きく向上し、時代に即した新たな試験運用が始まります。
CBT方式導入の背景と目的
CBT方式とは、「Computer Based Testing」の略称で、試験問題の出題から解答、そして一部記述問題の入力までをコンピューター上で行う試験方式です。近年、デジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む社会情勢を背景に、先行して「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験」などでもCBT方式が導入されてきました(筆記試験から移行)。
今回の移行は、「受験者の負担軽減や試験の利便性向上」や「より多くの方に受験の機会を提供する」ことを目的としており、社会全体のDX推進や高度IT人材の育成にも貢献することが期待されています。
CBT方式が導入される試験区分
- 応用情報技術者試験(AP)
- 高度試験(8種)
- ITストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- ITサービスマネージャ試験
- システム監査技術者試験
- 情報処理安全確保支援士試験(SC)
以上の合計10区分がCBT方式へと一斉に移行します(「ITパスポート」「情報セキュリティマネジメント」「基本情報」はすでに移行済)。
移行スケジュールと試験の変更点
2026年度(令和8年度)から新しい方式で実施されます。春・秋の年2回実施であったこれまでの日程が見直され、「一定期間内に複数日設定し、その中から受験者が受験日と会場を自由に選べる」かたちに変わります。これにより、従来の「特定日一斉試験」の形態が変化し、土日や平日など柔軟に選択できることが想定されています。
試験時間の構成や問題内容は基本的に従来と大きく変わりません。午前・午後試験の区分、試験時間、内容・レベルは、今まで通り維持される予定です。ただし、手書きであった論述解答も、「キーボードによる入力解答」となる点に注意が必要です。入力方法や操作方法については、今後公式からガイドラインが公開される見込みです。
試験会場は全国各地に設けられ、主要都市部や地方都市でも広く受験の機会が提供される計画です。また、会場毎に用意されたコンピュータで受験するため、ご自身のPC持ち込みなどは不要です。受験申込もオンラインで進められる予定です。
CBT方式導入によるメリット
- 受験日・会場の柔軟な選択:都合の良い日、近くの会場を選べる
- 紙媒体不要:ペーパーレスで、環境にもやさしい
- 受験機会の拡大:従来よりも多くの受験生が試験に挑戦できる
- 負担軽減:遠方会場や特定日のみの受験からの解放
- 即時採点や合否通知の迅速化:システムで自動的に判定できる部分が増え、合格発表が早くなる可能性
注意すべき点・懸念点
- キーボード入力への適応:記述式問題もPC入力となるため、タイピング力が今後より重要に
- 操作方法への不安:普段紙ベースで学習していた方は、事前に公式ガイドラインや練習問題を活用して対応を
- 障害やトラブル時の対応:試験中のシステムトラブル等に対する事前確認やサポート体制が重要
CBT方式は、全ての受験者にとって初体験となります。特に午後試験の論述解答や図の記入などは、どのように画面上で実現されるか、公式のデモや説明資料が発表され次第、十分な情報収集が必要です。
受験生へのメッセージと今後の対応
2026年度からCBT方式へ完全移行するため、2025年度中には移行に関する詳細なガイドラインや模擬試験などが逐次公開される予定です。初めてCBT受験となる方は、事前に練習用サイトやサンプル問題でシミュレーションを行うことをお勧めします。
今後も、IPAや経済産業省、公式サイトなどで新しい情報が発表されますので、常に最新情報へ目を向けておくことが重要です。また、勉強スタイルや対策方法も、ぜひこの変化に合わせて見直していきましょう。働きながら、あるいは遠方に住む方、障害のある方など、さらに多様な受験者が応募しやすくなる仕組みへのアップデートが期待され、IT業界もこれを歓迎する姿勢を見せています。
これから応用情報技術者試験や高度試験、情報処理安全確保支援士試験を目指す皆さんにとって、CBT方式への移行は新しいチャレンジですが、より良い受験環境を活かして実力を存分に発揮していただきたいと思います。
まとめ
- 2026年度から、応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験がCBT方式に移行決定
- 受験日・場所の自由化、ペーパーレス、受験機会拡大など多くのメリット
- 午後試験の記述もPC入力に統一されるため、事前準備が重要
- 今後発表される公式情報や練習用コンテンツに常時注意しよう
IT業界全体の発展、そして個々人のキャリアアップのために、ぜひCBT方式を味方につけてチャレンジしてみてください!
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