すかいらーく、1年で58%急成長!好決算と上方修正で株価が上場来高値を更新

外食チェーン大手のすかいらーくホールディングス(証券コード:3197)の株価が、ここ1年で大きく上昇しました。2024年12月2日の株価が2,305円だったのに対し、2025年12月1日の株価は3,636円となり、約58%の大幅な上昇を記録しています。

株価上昇の道のり

すかいらーくの株価は、2025年を通じてさまざまな動きを見せました。年明けの1月23日には2,265円と期間の最安値を記録しましたが、その後は緩やかに回復の歩みを進めました。2月にかけて2,500円台へ上昇し、3月には勢いを増して3,000円台を回復。4月から10月にかけては、2,900円台から3,100円台の比較的狭いレンジでの取引が続きました。

この状況が大きく変わったのが11月です。11月13日に発表された2025年12月期第3四半期の決算が好調だったことがきっかけになりました。

好決算と上方修正が株価を押し上げる

11月13日の決算発表では、すかいらーくの好調ぶりが明らかになりました。2025年12月期第3四半期の売上収益は3,396億4,200万円で、前年同期比15.3%の増収を達成。営業利益は238億5,400万円で、前年同期比23.7%の増益という2桁の増収増益を実現しました。

この決算の良さは、複数の要因から生まれています。既存店舗の売上高の伸長に加え、新規出店やM&A(企業買収・合併)の効果が大きく寄与しています。これらの要因が組み合わさることで、企業全体の業績が大きく改善されたのです。

さらに重要だったのが、通期業績見通しの上方修正と増配の発表です。会社が将来の見通しを良くしたということは、投資家にとって非常にポジティブなシグナル。このニュースを受けて、株価はさらに上昇する加速度がついたのです。

上場来高値を更新

好決算の後も、すかいらーくの株価は好調な流れを保ち続けました。11月28日には一時的に3,748円をつけ、上場来高値を更新しました。これは、同社が上場してから記録した最高値です。その後、12月1日の終値は3,636円となりましたが、それでも1年前と比べ大きく上昇した水準を保っています。

株主にとっての注目ポイント

すかいらーくは12月26日に株主優待の権利が確定する予定です。株主優待とは、一定数の株式を保有している株主に対して企業が進呈する優待特典のこと。この時期に株式を保有している投資家にとって、さらなる利益のチャンスになります。

アナリストの見方は慎重

一方、証券会社のアナリストたちの見方は必ずしも強気ではありません。2025年12月2日時点でのアナリストの判断は「売り」とされており、平均目標株価は2,700円で設定されています。これは現在の株価から約27.86%の下落を予想していることを意味します。アナリストの内訳としては、中立が2人、売りが1人、強気売りが1人となっており、見解が分かれている状況です。

投資判断のポイント

好決算と上方修正によって株価が大きく上昇したすかいらーくですが、ここからの見通しについては、投資家ごとの判断が分かれるところです。企業の好業績と増配の発表は確実なポジティブ要因ですが、すでに上昇した株価がさらに上昇するのか、それとも調整局面に入るのかは、今後の経営動向や市場全体の状況に左右されるでしょう。

外食産業全体の動向、消費者の外食支出の傾向、新規出店計画の進捗状況など、複数の要因を検討することが投資判断には重要になります。好決算という明るいニュースがある一方で、アナリストの慎重な見方もあることから、投資判断には各個人の投資スタンスやリスク許容度を考慮する必要があります。

まとめ

すかいらーくホールディングスは、1年で58%という大幅な株価上昇を記録し、業績の好転を株価に反映させました。好決算、上方修正、増配という三つの好材料が相まって、市場での評価が大きく高まりました。一方で、すでに株価が大きく上昇した段階での投資判断には、企業の今後の成長ポテンシャルと現在の株価水準のバランスを冷静に見極めることが大切です。

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