シックスフラッグス、入場者数の減少で赤字転落 CEO退任を発表
2025年8月6日、米国を拠点とする大手テーマパーク運営会社シックスフラッグス・エンターテインメント(Six Flags Entertainment Corporation)は、2025年第2四半期の業績悪化を受けて、CEOの退任を発表しました。同社は親会社となったシーダー・ポイント(Cedar Point)を含む全体の入場者数が前年同期比で9%減少し、売上高の見通しも下方修正しています。この入場者数減少と経営状況の悪化が、同社の損失計上につながっています。
入場者数の減少が明らかに
シックスフラッグスは、2025年第1四半期に売上高が前年同期比約2倍となったものの、営業損失は拡大し、純損失は2億1900万ドルに達しました。前年同期の赤字1億3300万ドルと比べても大幅な悪化となっています。特に入場者数が2025年第2四半期は前年同期比9%減少し、テーマパーク業界にとって厳しい状況が続いていることが鮮明になりました。
2025年5月に公表された同社の四半期決算報告書によると、入場者数の減少は季節要因やカレンダーの影響も一因であり、イースター休暇の時期のずれによるイベントのスケジュール変更が集客に影響を及ぼしたことが指摘されています。実際、ナッツベリーファームの「ボイセンベリーフェスティバル」が従来の時期から遅れて開催され、これが第1四半期の集客減少をもたらしました。
CEOの退任と経営再建の課題
こうした業績悪化をうけて、シックスフラッグスのCEOは退任を表明しました。新しい経営体制のもとで、入場者数の回復と収益性の改善が急務となっています。なお、年間パスの販売は前年より6%増加し、約41,000枚の販売増となったため、一定の顧客基盤は維持されています。
売上高や費用の状況
2025年第1四半期の財務データを詳細に見ると、売上高は2億200万ドルに達しましたが、運営費用や販売管理費、減価償却費が大幅に増加し、特に減価償却費は前年の約10倍の1億2300万ドルに跳ね上がっています。このため営業損失が3億2100万ドルと膨らみ、財務負担を増大させています。また、金利費用も前年の約3億4000万ドルから8億7000万ドルと増えていることから、資金調達コストの上昇も業績に影響を与えていることがわかります。
業界・経済環境とシックスフラッグスの今後
テーマパーク業界は季節変動やイベントスケジュールの影響を強く受けるため、収益性の安定化には長期的な運営戦略が求められます。シックスフラッグスは過去数年間において合併や拡大を進めてきましたが、新たな経営体制では顧客体験の質向上やマーケティング戦略の見直し、コストコントロールなどを通じて入場者数回復を図る必要があります。
また、「天气(天気)」のキーワードが示すように、天候の変動もテーマパークの集客に大きな影響を与えるため、今後の天候状況や気候変動にも注意を払う必要があります。特に屋外型のテーマパーク運営においては、悪天候が入場者数の減少を招くリスクが存在するため、天候データを活用した柔軟な運営計画も重要となってきます。
まとめ
- シックスフラッグスは2025年第1・第2四半期を中心に入場者数減少と赤字拡大に直面している。
- コロナ後の回復途上で季節・カレンダーの影響が集客にマイナスの影響を与えた。
- CEO退任を発表し、新経営体制での業績改善が急務となっている。
- 年間パス販売は増加傾向にあるものの、運営費用や減価償却費など負担増加が続いている。
- 今後は天候リスク管理も含めた柔軟な事業運営が求められる。
今後のシックスフラッグスの動向は日本を含む世界のテーマパーク業界にも示唆を与える重要な事例といえるでしょう。