自治体業務を革新するリコージャパンの新AIサービス「RICOH デジタルバディ for 自治体」
2025年9月19日、リコージャパン株式会社が、自治体向けの新たな生成AIサービス「RICOH デジタルバディ for 自治体」の提供を開始しました。
このサービスは、従来から企業分野で支持されてきた「RICOH デジタルバディ」のノウハウを活かし、自治体に特化した形でパッケージ化されたものです。
同サービスは、行政組織独自の情報環境やセキュリティ要件に最適化され、庁内データと連携させながら、職員の業務遂行を大きく支援することを目指しています。
「RICOH デジタルバディ for 自治体」とは?
- 自治体専用に設計された生成AIサービス
- LGWAN環境に完全対応(LGWAN: 地方公共団体専用ネットワーク)
- 庁内のデータを安全・柔軟に活用可能
- AIがナレッジデータを駆使し、職員からの質問に最適な回答を生成
- 入出力データはAIの学習に一切使用されず、セキュリティ重視
- 「Standard」と「Advanced」の2ラインアップを用意
このサービスは、自治体職員が日々行う多岐にわたる業務の「バディ(相棒)」として機能すべく開発され、職員からの様々な質問や相談に対し、蓄積されたナレッジや庁内情報をもとにAIが迅速・的確に回答します。
導入の背景と自治体業務への期待
日本の自治体業務は、複雑化・多様化の一途を辿る中、情報のデジタル化やサービスの効率向上が強く求められています。
特に、職員の業務負担や多様化する市民ニーズへの対応力強化は急務です。
こうした課題を解決するため、リコージャパンは企業向けで培われた生成AI技術を自治体向けに最適化し、「RICOH デジタルバディ for 自治体」を開発しました。
LGWAN環境への対応と安全性
- LGWANは全国の地方公共団体が利用するセキュアなネットワーク
- 外部通信を遮断し、情報漏洩リスクを最小化
- このAIサービスはLGWAN環境で動作、自治体独自のデータ活用が可能
- 入力・出力データはAIへ保存されず、機密データ流出リスクなし
AIサービスに求められる「安全性」「閉域運用」「柔軟なデータ連携」を守りつつ、これまで十分にデジタル化されていなかった庁内情報もAIによって積極的に活用できるようになりました。
主なユースケース:自治体業務での活用イメージ
- 職員からの問い合わせ対応:条例や制度、業務手順についての質問に即座に回答
- 庁内マニュアルの検索・活用:庁内ドキュメントをAIが解析し、必要な情報をすぐ抽出
- 議会準備・答弁資料作成支援:過去の議事録や関連資料からアウトラインを自動生成
- 市民サービス向上:問い合わせ業務の迅速化による市民満足度向上
- 文書作成・校正支援:通知文や案内文を自動作成、AIが表現を最適化
「RICOH デジタルバディ for 自治体」は、日々蓄積される膨大なデータや文書を、AIで素早く分析・活用できるため、職員の生産性向上と働き方改革を強力に推進します。
他社事例との比較:福島県田村市の実証
- 「exaBase 生成AI for 自治体運用パッケージ」の田村市導入により、実際にLGWAN環境下でも高いAI活用効果が示されている
- 庁内業務の効率化・迅速化と、セキュアな運用の両立が可能と実証
- 情報漏洩リスクが極めて低く、自治体職員のAI活用の壁を突破
リコージャパンの「RICOH デジタルバディ for 自治体」は、こうした事例を参考にしつつ、より幅広い自治体が導入しやすい設計とセキュリティ体制を確立しています。
職員・関係者の声—自治体での導入メリット
- 「思ったより簡単に使えた」:職員からは使いやすさを評価する声が多数
- 「業務時間が減り、本来業務に集中できる」:AIの活用で手続きや回答対応の効率化
- 「安全性への信頼が高い」:LGWAN対応、AI学習なしの安心感は現場で支持
- 「市民満足度が向上」:各種窓口対応の即応性が大幅に向上
導入初期の各自治体からは、短期間で業務効率の向上や職員負担の軽減、さらにセキュリティ面での信頼感と安心感など、ポジティブな反応が急速に広がっています。
今後の展望—自治体DXの加速へ
リコージャパンは、自治体業務のデジタル化やDX推進において現場起点のAI活用こそ重要と位置づけています。
AIが単なる「効率化の道具」に留まらず、職員と協働しながら知識や判断力を拡張する「相棒」として行政現場に定着することが目標です。
2025年秋以降は、自治体規模や業務内容に応じた柔軟なプラン提案や、導入支援サポートも積極的に進める方針が示されています。
- 多様化する自治体ニーズにAIが即応
- 庁内データ連携の高度化
- 職員・住民の双方へメリット拡大
- 企業分野で培った信頼と実績を自治体へ展開
リコージャパンの「RICOH デジタルバディ for 自治体」は、行政現場で必要とされる安全性、即応性、柔軟性を兼ね備えた、これからの自治体AI運用の新しい標準となる可能性を秘めています。
現場課題のリアルな解決へ向けて、全国自治体のDX推進がさらに加速することが期待されています。