日経トレンディが発表!2025年ヒット商品ベスト30と今年の顔──社会とトレンドの熱量を解説

2025年11月、日本の一大経済情報誌「日経トレンディ」が恒例の「2025年ヒット商品ベスト30」を発表しました。今年も社会現象となった商品やサービス、そしてその背後にある人々の想いが幅広く反映されています。その発表内容と注目の人物、さらに時代の空気を象徴する出来事について、やさしく丁寧に解説します。

2025年を代表するヒット商品の全体像

今年のランキングは、多くの人が体験し共感できる商品にスポットが当たりました。特に1位には、国を挙げたビッグイベントが登場し、2位、3位にも日本文化や最新テクノロジーが顔をそろえています。

  • 1位 「大阪・関西万博withミャクミャク」

    今年最大の社会現象となったのが「大阪・関西万博」と、公式キャラクター「ミャクミャク」グッズでした。開催地には累計2,500万人が来場、関連グッズのヒットも後押しし、230億円以上の黒字を記録。まさに「イベント×キャラクターIPビジネス」の新たな成功モデルです。

  • 2位 「国宝」

    人気俳優・吉沢亮さん主演の映画『国宝』がシニアから若者への逆転現象を生み、興収162億円超え。一過性のブームに留まらず、日本伝統芸能・歌舞伎への関心が高まるきっかけともなりました。

  • 3位 「Nintendo Switch 2」

    新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」は、わずか発売4日で初代の2倍となるセールスを達成。「機種変更」のような手軽さがユーザーニーズを的確に捉え、話題性と購入欲を両立させました。

  • 4位 「平成女児売れ」

    「平成レトロ」カルチャーが若い世代で一大トレンドに。90年代〜2000年代初頭のキャラクターやアイテムの再評価が進み、現代流のアレンジも人気です。

  • 5位 「せいろブーム」

    日本古来の蒸し料理道具「せいろ」の再流行。無印良品の商品は特に反響が大きく、発売10日で完売。家庭で手軽に使える点も支持を集めました。

  • 6位 「麻辣湯(マーラータン)」

    ピリ辛&美容健康志向の若者を中心に、麻辣湯が大ヒット。クラブ業界でも話題となり、10年前の流行を繰り返すかたちでリバイバルしています。

生活スタイルを変えたユニークなプロダクトたち

  • 「THE ANSWER」〜個別対応型の教育サービスが6位にランクイン。AIや最新テックを駆使した学び方が評価されています。
  • 「長崎スタジアムシティ」〜地方創生の新しいかたちとして注目され、レジャー×地方活性化の成功事例となりました。
  • 「アレンジ系希釈飲料」〜好みや気分に合わせて割る“自由さ”が忙しい現代人のライフスタイルにマッチしました。
  • 「スマートリング」「大人のやる気ペン」など、ガジェット系アイテムも例年以上に支持を集めています。

このように“生活に彩りと便利さ”をもたらす商品が全体的に強い印象となりました。

今年の顔に選ばれたSKY-HIと森香澄

日経トレンディは今年、トレンドの発信者「今年の顔」として、アーティストSKY-HIさんと、フリーアナウンサー森香澄さんを選出しました。

  • SKY-HIさんは、アーティストでありながらBE:FIRSTなど新世代アイドルのプロデュースでも話題に。クラブ業界で10年前から流行した麻辣湯についても語り、その幅広いカルチャー感度が話題に。「マルチな活躍と影響力の大きさ」が評価されています。
  • 森香澄さんは、フリーアナウンサーとしてテレビだけでなくSNSでも高い人気。今回の発表会にて純白のドレス姿で登場、SNS上では「バックも美しい」「女神様」「ナイス肩甲骨」と、その美しさと健康的な魅力が称賛の的となっています。

ヒット商品の背景にある社会と消費者マインド

ランキングから見える今年のおおきな傾向は、「共感」と「体験」です。

  • リアルな体験や共有ができるイベント・商品が注目されています。大阪・関西万博のヒット、麻辣湯のリバイバルは、みんなで盛り上がる楽しさ・文化的共通体験の価値が再認識された証拠です。
  • 新旧融合の流れにも注目です。平成女児売れのような「懐かしさ」と今の価値観のミックス、せいろブームの再来は、「古いものを新しく楽しく楽しむ」志向が広がっている表れです。
  • コロナ禍明けで外出・イベント解禁に心理的な“振り戻し感”もあるといえます。リアルな交流や対面体験、家族や友人との食事・おでかけ商品がランクインしました。

時代を映す多様な顔触れ──トップ30のさらなる主な商品群

  • ラブブ(ペット系サービス・商品)
  • 「お~いお茶PURE」シリーズ
  • クイックル洗面ボウルクリーナー
  • アサヒ ザ・ビタリスト(健康飲料)
  • 辛ラーメン トゥーンバ(グルメ系ヒット)
  • 大人のやる気ペン(文房具)
  • ピュオーラ 炭酸ハミガキ(オーラルケア)
  • Moflin(AIペット)
  • 弾けるしゅわしゅわアイスバー
  • 映画『8番出口』
  • ジャングリア沖縄(旅行系)等。

会場の盛り上がりと著名人たちのコメント

発表会場には今年の顔であるSKY-HIさん、森香澄さん、「来年の顔」として宮世琉弥さんも登壇、さらにはMrs.GREEN APPLEさんのビデオメッセージも放映されるなど、多彩なゲストが今年の熱気を象徴しました。

森香澄さんの“美背中”披露には、そのヘルシーな美しさを賛美する声がSNSで溢れた一方、SKY-HIさんは「10年前からクラブ業界で麻辣湯が静かな人気だった」といったトレンドの裏話を披露。「過去の流行が現在のヒットにつながっている」との見立てが、参加者の感嘆を誘ったようです。

今後のトレンド予測と若い世代への影響

日経トレンディは「2026年ヒット予測100」も同時発表し、誰もが主人公になれる社会・分散型コミュニティの活発化、Z世代の新しい消費パターンなども指摘していますが、今年の結果からも「原体験」や「みんなで楽しめること」が今後さらに重視される気配があります。

2025年ヒット商品ベスト30の意義──消費と社会をつなぐ羅針盤

1980年代から37年目を迎えた日経トレンディのベスト商品発表は、今年もまた単なる売上ランキングや流行語の域を超え、「社会の空気」「人々の気持ち」を映し出す生きた記録となりました。これからの新商品や、サービスのあり方、人々の暮らしの未来を考えるうえで、今年のリストは貴重なヒントを与えてくれています。

参考元