モロゾフ名物チーズケーキが3日間だけ「クリスマス仕様」に――人気スイーツと業績のいま

洋菓子メーカー「モロゾフ」が、看板商品の名物チーズケーキを3日間限定で「クリスマス仕様」として販売すると話題になっています。一方で、同社の2025年2〜10月期決算では、カカオ豆価格の高騰などの影響により約2億0200万円の最終赤字となったことも明らかになりました。ファンにうれしい特別企画と、足元の厳しい経営環境――この二つのニュースを、やさしく整理してお伝えします。

3日間限定「クリスマス仕様」チーズケーキとは?

今回注目されているのは、モロゾフの名物チーズケーキが3日間だけ特別なクリスマスバージョンで販売されるというニュースです。詳細な日程や実施店舗は報道ベースの情報となりますが、「3日間限定」という短い期間での実施であることから、かなりレアな企画といえます。

モロゾフは毎年クリスマスシーズンに、多彩なケーキやスイーツを展開しており、なかでもチーズケーキ系のラインナップは定番人気です。公式サイトの2025年クリスマスキャンペーンページでは、以下のようなチーズケーキが紹介されています。

  • クリスマス モンブランのチーズケーキ
    北海道産マスカルポーネチーズを使ったチーズケーキの上に、風味豊かなマロンクリームを絞り、モンブランをツリーに見立てたデザイン。
  • クリスマス デンマーククリームチーズケーキ
    モロゾフ伝統のデンマーク産クリームチーズ使用のチーズケーキに、ホワイトチョコレートパウダーでかわいらしいサンタクロースを描いた、毎年人気のクリスマス仕様。
  • クリスマス マスカルポーネチーズケーキ
    北海道根釧地区の生乳でつくったマスカルポーネチーズを使い、抹茶とストロベリーパウダーでクリスマスツリーを描いた、見た目も華やかな一品。

今回の「3日間限定・名物チーズケーキのクリスマス仕様」というニュースは、こうしたモロゾフの人気チーズケーキシリーズを、さらに期間限定デザインで楽しめる企画として注目を集めています。とくに、デンマーククリームチーズケーキは「いつものおいしさをクリスマスだけの特別仕立てに」とうたわれており、ファンにとっては「毎年これを買うとクリスマスが来たと実感する」という存在になっています。

どんな味?どんな見た目?

「クリスマス仕様」のチーズケーキは、単にパッケージを変えるだけではなく、味わいとデザインにも工夫が凝らされているのが特徴です。

  • モンブラン+チーズケーキの贅沢な組み合わせ
    「クリスマス モンブランのチーズケーキ」は、ミルキーでなめらかなマスカルポーネチーズケーキに、まろやかなマロンクリームを絞ったケーキ。モンブランをクリスマスツリーに見立て、渋皮付き栗と金箔をトッピングした、まさに「映える」一品です。
  • サンタクロースやツリーのかわいいデコレーション
    デンマーククリームチーズケーキにはホワイトチョコレートパウダーでサンタを描き、マスカルポーネチーズケーキには抹茶とストロベリーのパウダーでツリーを描くなど、子どもから大人まで笑顔になる遊び心あふれるデザインになっています。

このように、モロゾフの「クリスマス仕様」チーズケーキは、伝統的なおいしさに季節感あふれるビジュアルをプラスした特別な一品として、毎年人気を集めており、今回の「3日間限定販売」も、早期の売り切れが予想される状況です。

価格帯と買いやすさ

公式情報によると、2025年のモロゾフのクリスマスチーズケーキは、おおむね税込1,200円〜1,800円前後という、手に取りやすい価格帯で用意されています。

  • クリスマス デンマーククリームチーズケーキ:税込1,296円(直径約17cm・容器含む)
  • クリスマス マスカルポーネチーズケーキ:税込1,296円(直径約17cm・容器含む)
  • クリスマス モンブランのチーズケーキ:税込1,836円(直径約11.5cm)

家族や友人とのホームパーティー用にも、自分へのごほうびにも、「ちょっと贅沢」だけれども「手の届く価格」を意識したラインナップとなっています。期間限定の「クリスマス仕様・名物チーズケーキ」も、この価格帯に近い設定になるとみられ、気軽に楽しめるクリスマススイーツとして期待が高まります。

クリスマスシーズン全体で見るモロゾフの戦略

モロゾフは、2025年のクリスマスキャンペーンとして、チーズケーキだけでなく、チョコレートケーキやプリン仕立てのケーキなど、多彩な商品を展開しています。

  • 「きらめく聖夜」などのチョコレートケーキ
    トリュフチョコレートや金箔で、星空がきらめくような華やかなデザインを施したチョコレートケーキも登場しています。
  • プリン仕立てのクリスマススイーツ
    人気のカスタードプリンにスポンジやクリームを重ねた「クリスマス スノーモンブラン」「クリスマス キャンドルライト」など、プリンとケーキのいいとこ取りをした商品もラインナップ。

こうした多様なクリスマス商品に加え、3日間限定の「クリスマス仕様・名物チーズケーキ」を投入することで、店頭への集客力アップと話題づくりを図っていると考えられます。

一方で…2025年2〜10月期は約2億円の最終赤字

一方、モロゾフの2025年2〜10月期連結決算では、最終損益が約2億0200万円の赤字となったことが報じられています。主な要因として挙げられているのが、カカオ豆価格の高騰です。

チョコレートを主力とする洋菓子メーカーにとって、カカオ豆はまさに「命」ともいえる原材料。その国際価格が大きく上昇したことで、原材料コストが重くのしかかり、利益を圧迫した形です。加えて、包装資材費やエネルギーコストの高止まり、人件費の上昇なども、業績の重荷になっているとされています。

モロゾフはチョコレートだけでなく、プリンやチーズケーキなど多彩な商品群を持っていますが、その中核にあるのはやはり「チョコレートのモロゾフ」というブランドイメージです。 カカオ豆価格の高騰は、その強みの部分を直撃しているともいえます。

なぜカカオ豆価格が上がっているの?

ニュースの中で触れられている「カカオ豆価格の高騰」は、モロゾフに限らず、世界中のチョコレートメーカーに影響を与えている問題です。ここ数年、カカオの主産地である西アフリカの天候不順や病害、政治・経済情勢の不安定さなどが重なり、生産量が減少傾向にあると指摘されています。

一方で、世界的なチョコレート需要は根強く、需要と供給のバランスが崩れることで価格が高騰。その影響が、日本の洋菓子メーカーの仕入れ価格にも跳ね返り、モロゾフのような企業の収益を圧迫している状況です。

厳しい環境でも「クリスマスには笑顔を届けたい」

このように、モロゾフは足元で原材料高による厳しい経営環境に直面している一方で、クリスマスシーズンには例年どおり、あるいはそれ以上に魅力的な限定商品を企画しています。

とくに、今回ニュースとなった「3日間限定・名物チーズケーキのクリスマスver.」は、同社にとっても

  • ブランドの存在感をアピールする
  • ファンとのつながりを深める
  • クリスマス商戦での話題づくりにつなげる

といった意味を持つ、重要な施策といえます。

経営的には難しい判断も多いなかで、「特別な日に、とびきりの笑顔を届ける」という洋菓子メーカーらしい姿勢を崩さない――そんなモロゾフの思いが、今回の企画にも込められているように感じられます。

消費者としてどう楽しむ?

今回のニュースを受けて、私たち消費者ができることは、とてもシンプルです。「食べて応援しながら、しっかり楽しむ」ことです。

  • 3日間限定のクリスマス仕様チーズケーキを、家族や友人と囲んで楽しむ
  • 毎年の「定番」として、クリスマス デンマーククリームチーズケーキやマスカルポーネチーズケーキを選ぶ
  • プリン仕立てのクリスマススイーツなど、少し珍しい商品にもトライしてみる

そうした一つひとつの選択が、モロゾフのような洋菓子メーカーを支える力になります。そして何より、おいしいスイーツと一緒に過ごす時間そのものが、私たち自身の心の豊かさにつながるはずです。

まとめ:話題のチーズケーキと、見えにくい裏側

モロゾフの「3日間限定・名物チーズケーキのクリスマス仕様」というニュースは、スイーツファンにとってうれしい話題です。一方で、その裏側では、カカオ豆価格の高騰などによる約2億0200万円の最終赤字という厳しい現実もあります。

それでもモロゾフは、チーズケーキやチョコレートケーキ、プリン仕立てのスイーツなど、多彩で楽しいクリスマス商品を用意し、「特別な日には、特別なおいしさを」という思いを形にし続けています。

今年のクリスマス、店頭でモロゾフのチーズケーキを見かけたら、ぜひその背景にも少し思いを馳せながら、「今だけ」のおいしさを味わってみてはいかがでしょうか。

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