みずほ証券によるリクルートホールディングス目標株価引き上げと株価動向
【最新ニュース】みずほ証券、リクルートHDの目標株価を引き上げ
2025年9月下旬、みずほ証券はリクルートホールディングス(証券コード:6098)の目標株価を従来の8,500円から8,600円へと引き上げました。投資判断は「中立」を継続していますが、バリュエーション(企業評価)に一定のプレミアム(上乗せ)を付与しています。株価の上昇要因としては、AIを活用したIndeed事業における応募者単価の上昇期待や、自己株式取得への期待が挙げられています。また、今後のビジネス環境の変化も見込まれており、企業価値の伸長が意識されています。
目標株価の背景と評価のポイント
- バリュエーション・プレミアム:リクルートHDは、AI技術を活用した今後の成長期待や収益構造の変化により、通常以上のバリュエーションが評価されています。
- HRテクノロジー事業の収益性改善:特にIndeed部門において、AIの導入が進んだことで応募者単価の上昇が期待され、その分野のEBITDA(営業利益+減価償却費+株式報酬費用等)が増額見直しされています。
- コスト削減効果:人員削減により固定費が減少し、利益率の改善に貢献しています。
- 自己株式取得の可能性:将来的な自社株買いへの期待も、株価の下支え材料となっています。
リクルート株価・アナリスト評価の概要
2025年9月19日時点での終値は7,930円でした。みずほ証券のほか、日系大手証券もレーティング「中立」を維持しつつ、目標株価を8,600円に引き上げています。アナリスト12名の平均レーティングはやや強気(4.3/5)とされ、多くが今後の成長余地に期待を寄せています。
理論株価・株価レンジ
指標 | PBR基準 | PER基準 |
---|---|---|
理論株価 | 7,897~7,905円 | 8,777~8,910円 |
上値目途 | 9,332~9,335円 | 9,688~9,504円 |
下値目途 | 6,462~6,475円 | 8,132~8,050円 |
PBR基準・PER基準双方から見ても、現在の株価(約8,000円)は理論的な価格レンジの中間付近に位置しており、極端な割安・割高感は見受けられません。
業績・財務指標の詳細
- 株価(2025/09/22):7,971円
- BPS(1株純資産):976円
- EPS(予想1株利益):297.2~328.3円
- PBR(株価純資産倍率):8.13~8.17倍
- PER(株価収益率):24.2~26.8倍
高いPBRやPERは、将来の成長期待が株価に織り込まれていると解釈できます。
事業の注目ポイント:AI・海外事業への期待
- HRテクノロジー部門(Indeedなど)は、AI活用により今後もマーケットリーダーとしての地位を強化する見通しです。また、グローバルでの採用市場でも競争力向上が評価されています。
- 自己株式取得など株主還元策の実施は、株価にとってプラス要素として市場で注目されています。
- 固定費削減の進展が収益性を高め、ディフェンシブな投資対象としても魅力が高まっています。
今後の見通しとリスク要因
- 目標株価の引き上げ要因は、主にAI活用・自己株買い・コスト削減などによる利益増加見通しですが、すでにプレミアムが株価に織り込まれているとの見方もみずほ証券は示しています。
- グローバル景気の変動や採用市場の動向、AI技術の活用成果など外部環境によっては、実際の業績が大きく変動するリスクもあります。
- 株価指標(PER・PBR)は高めですが、それは将来的な成長期待に基づくものです。成長基調が維持されなかった場合、株価調整のリスクが考えられます。
アナリストや投資家の評価まとめ
リクルートホールディングスの株価は、グローバルな成長戦略やAIを活用した競争力強化、人件費抑制による収益率向上が期待されている一方、すでに市場は一定のプレミアムを織り込んでいます。「中立」とする評価は、今後の業績進捗や外部環境動向を慎重に見極めたいという専門家の姿勢を反映しています。今後もAI戦略の成果や、採用市場の変動、株主還元姿勢などが株価動向に大きな影響を与えると考えられます。
投資判断を左右する注目点
- AI技術の進化と事業成長の両立
- タイトな雇用市場下でのマーケットリーダーシップ維持
- 株主還元の強化や安定した収益体質の構築
- 株価に織り込まれた成長期待をどこまで実現できるか
これらの要因を意識しつつ、引き続きリクルート株価とその評価軸を注視していくことが重要です。