アルファベット、売上高が初の1000億ドル突破!2025年第3四半期決算をわかりやすく解説

2025年10月29日(米国時間)に発表された米アルファベット(Googleの持株会社)の第3四半期(7~9月)決算は、世界中で大きな注目を集めています。売上高が初めて1000億ドルを突破し、純利益・EPSともに予測を大きく上回る過去最高を記録しました。
この記事では、決算発表の内容やその要因、各事業の動向、AIとクラウドの成長、株価への影響、今後の見通しまで、やさしく詳しくご紹介します。

アルファベットの2025年7〜9月期決算ポイント

  • 売上高:1023億ドル(前年同期比16%増)
  • 純利益:349億7900万ドル(前年同期比33%増)
  • 希薄化後EPS(1株利益):2.87ドル(前年同期比35%増)
  • 広告・クラウド事業ともに二桁成長
  • 過去最高の四半期業績を記録
  • 株価は時間外取引で急伸、GOOG株は約5%高

主要事業の成長とその要因

今回の決算で最も注目されたのは全事業が二桁成長を実現した点です。中心となる広告事業は引き続き堅調で、Google広告売上が741億8000万ドル(前年比12.6%増)と高い成長率を見せました。
また、Google Cloud(グーグルクラウド)部門の売上は151億6000万ドル(前年比34%増)と、AI需要の拡大を後押しに力強い成長を遂げました。YouTube広告も安定して成長しており、102億6000万ドル(前年比約5%増)と堅調です。

AIブームが業績を押し上げる

生成AIサービスの需要拡大が売上・利益拡大の最大の追い風となりました。アルファベットCEOスンダー・ピチャイ氏によると、同社のAI基盤「Gemini」のAPIは現在1分間に70億トークンを処理しており、Geminiアプリの月間アクティブユーザー(MAU)は6.5億人以上に達しています。直前四半期より2億人増加しており、その成長スピードには目を見張るものがあります。
さらに、AI関連の新興企業がGoogleクラウドのAI計算能力を求めて移行する動きも広がっており、クラウド部門の受注残高は1,550億ドルに達しました。クラウドがAI時代の競争力の源泉となりつつある現状が明確になりました。

株価急伸!市場予想を上回る好決算

アルファベットの決算発表後、株価は時間外で急騰しました。GOOG株は日本時間10月30日朝、4.8%高を記録(288.40ドル)、GOOGL株も同様に5%近い上昇を見せています。
これは、売上高も1株利益も市場予想を上回ったことによる投資家の期待を反映しています。アナリストの予想(売上高998億9000万ドル、EPS2.33ドル)に対して、実際の業績はいずれも大きく上振れました

設備投資と今後の成長戦略

売上・純利益拡大と並行して、アルファベットは設備投資の拡充を積極的に進めています。2025年通期のキャピタルエクスペンディチャー(設備投資)は910~930億ドルへ上方修正されました。主な投資先はAI対応のデータセンター拡張や新規AIモデル開発などで、これは中長期的な事業基盤強化に直結します。
特に注目されるのが、AI大規模言語モデル「Gemini」の検索サービスや他製品への組み込みです。AI領域への積極投資が、今後の競争力強化と収益拡大の鍵となる見通しです

事業ごとの売上と成長率(2025年第3四半期)

  • 全体売上高:1023億ドル(前年比+16%)
  • Google広告:741億8000万ドル(前年比+12.6%)
  • Google Cloud:151億6000万ドル(前年比+34%)
  • YouTube 広告:102億6000万ドル(前年比+約5%)
  • 検索&その他:565億7000万ドル(前年比+4.4%)

これらのデータは公式IRリリースや日本経済メディア報道に基づいています。

ユーザー・企業向けサービスも拡大

Google検索、YouTube、Gmailなどの基幹サービスは堅調さを維持し、ユーザー基盤が着実に増加しています。加えて、Google CloudやWorkspaceなどの企業向けサービスも、AI活用の広まりと共に契約数・売上高が加速しました。
特にAIを活用した業務自動化や新規プロダクト開発へのソリューション提供が、世界中の企業から大きな支持を集めています。

国内外の反応と注目の声

  • SNSでは「Googleつよすぎ」「AIバブルが次のステージ」との声
  • アナリストは「クラウドとAIが今後の成長エンジン」と評価
  • IT関連企業からは「GoogleのAI基盤導入が進むことで市場が活性化」と期待
  • 広告業界から「YouTubeや検索広告の安定成長の背景」を注視するコメントも

まとめ:アルファベットはAI時代の主役へ

2025年第3四半期決算で、アルファベットは「すべての事業で二桁成長」「AI需要によるクラウドの急成長」「四半期売上高初の1000億ドル突破」という大きな節目を迎えました。
生成AI・クラウドインフラの拡充、そしてユーザーサービスのさらなる高度化を背景に、今後も世界のIT・AI産業を牽引する中心的存在であり続けるでしょう。
売上高・純利益ともに過去最高を更新し、「AIが企業の競争力に直結する時代」へ、次のステージを築くアルファベットの挑戦に今後も目が離せません。

今後への期待と課題

  • AIの開発・利用が進む中、倫理やセキュリティ対策にも一層力を入れる必要性
  • グローバル規模のデータセンター拡張が、環境負荷や地域社会との調和という課題ももたらす
  • 競合他社とのAI技術競争が激化する中、アジャイルな経営判断が求められる

アルファベットは、その強大な資本力と技術力で、AI×クラウド×ユーザーサービスの相乗効果を最大限に活かし、次世代の成長へと舵を切っています。

参考元