サグラダ・ファミリア、完成へ 「イエスの塔」除幕で世界一高い教会に

スペイン・バルセロナの世界的建築物サグラダ・ファミリアが、いよいよ完成の節目を迎えます。建設の中心となってきた「イエスの塔」の除幕式が10日に予定されており、完成すればサグラダ・ファミリアは世界一高い教会になる見通しです。

サグラダ・ファミリアは、建築家アントニ・ガウディが設計した未完の大聖堂として知られ、長年にわたって工事が続けられてきました。今回の「イエスの塔」は、高さ172.5メートルに達し、これまでの象徴だった外観にさらに大きな存在感を加えることになります。

今回の完成は、ガウディの没後100年という節目とも重なります。報道によると、除幕式とあわせてミサも行われる予定で、宗教建築としての意味合いと、歴史的な建築物としての価値があらためて注目されています。

「世界一高い教会」に

「イエスの塔」が完成すると、サグラダ・ファミリアはドイツのウルム大聖堂を抜き、世界で最も高いキリスト教の教会になる見込みです。 すでに長年、建築ファンや旅行者の関心を集めてきましたが、今回の節目で、その存在感はいっそう強まることになります。

塔の高さは172.5メートルで、バルセロナの街並みの中でもひときわ目を引く存在になります。ロイター通信による報道では、バルセロナで最も高い建物になるとされています。

NHKが特別番組を放送

サグラダ・ファミリアの完成が近づくなか、NHKは世界初の生中継や独占密着を含む3番組を放送すると伝えられています。長年にわたり工事が続いてきた巨大建築の節目を、国内でも広く伝える動きが始まっています。

完成をめぐる動きは、単なる建築ニュースにとどまりません。ガウディの理念、スペイン文化の象徴性、そして観光都市バルセロナの魅力を改めて世界に発信する出来事として受け止められています。

未完の大聖堂が長く愛されてきた理由

サグラダ・ファミリアが長い時間をかけて建設されてきた背景には、贖罪聖堂として寄付を基盤に工事が進められてきた事情があります。巨大な建築でありながら、資金や設計、施工の条件に左右されながら少しずつ形を成してきました。

そのため、サグラダ・ファミリアは「完成していないこと」自体が魅力の一部でもありました。未完のまま世界中の人々をひきつけ、完成の時を待ち続けてきた建築物として、独特の存在感を放ってきたのです。

一方で、完成の時期については以前から何度も見通しが変わってきました。観光客収入の減少などの影響で工程が遅れた時期もあり、プロジェクト責任者は、障害がなければ今後10年以内に完成する可能性が高いと説明していたと報じられています。

残る工事はどうなるのか

今回の「イエスの塔」の完成は大きな節目ですが、サグラダ・ファミリア全体がすべて完成したわけではありません。運営側は、栄光のファサードや階段を含む全体の完成を2034年ごろと見込んでいるとされています。

ただし、この階段工事などは技術面や周辺環境との調整が難しく、さらに遅れる可能性も指摘されています。 つまり、10日の除幕式は「完成」という言葉が持つ重みを感じさせる一方で、建築全体としてはなお仕上げの段階が続くことになります。

それでも、今回の節目はサグラダ・ファミリアにとって極めて大きな意味を持ちます。ガウディが思い描いた壮大な構想が、ついに主要な塔の完成という形で目に見える段階に入るからです。

バルセロナの空にそびえる新たな塔は、長い年月をかけて受け継がれてきた建築の物語を象徴する存在です。完成を前に、世界中の視線が再びサグラダ・ファミリアに集まっています。

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