ガソリン価格が再び高騰、3週連続の値上がり続く――中東情勢が家計と企業に影響

日本全国でガソリン価格が急速に上昇しています。2026年3月2日時点でのレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットルあたり154.5円となり、先週から1.3円の値上がり、3週連続での上昇となりました。暫定税率廃止の効果が期待されていたものの、中東情勢の激化が相場を押し上げている状況です。

中東情勢が原油価格を急騰させている

ガソリン価格上昇の主な原因は、米国とイスラエルによるイランへの攻撃です。攻撃前の2月27日には、原油価格は1バレル=67ドル台前半と約7か月ぶりの高値を記録していました。しかし攻撃開始後の週明け以降は、1バレル=71ドル台へとさらに上昇しています。

さらに懸念されるのは、中東のホルムズ海峡が事実上封鎖されていることです。このホルムズ海峡は世界の石油輸送の大動脈であり、その封鎖は原油供給の大きな不安要因となっています。市場では、こうした地政学的リスクが価格に反映される前段階だと指摘する声もあります。

今後さらなる値上げが懸念される

北海道の例では、3月2日時点での平均価格が1リットルあたり159.5円で、先週より3円上昇しました。気になる今後の見通しについて、専門家は警戒を呼びかけています。

北海道銀行の地域総合研究所は、現時点でイラン情勢の激化に伴う価格転嫁をしたガソリンスタンドは「おそらく一部に限られているのではないか」と分析しており、イラン攻撃がガソリン価格へ本格的に反映されるのはまだ先だと見ています。その際には、最大で10%程度、つまり15円~16円程度の値上げが起こる可能性も視野に入れる必要があると指摘しています。

実際に、東京・足立区のガソリンスタンドでは、3月9日から1リットル5円の値上げに踏み切る動きが出ており、卸値の上昇を受けて各地のスタンドが値上げを加速させています。

暫定税率廃止も効果を発揮できず

2026年1月1日から、ガソリンの暫定税率が廃止されました。それまで1リットルあたり53.8円だったガソリン税のうち、25.1円分の特例税率がなくなり、本則税率の28.7円のみが適用されるようになったのです。

しかし店頭価格が大きく下がらない理由は、税率廃止と同時に燃料補助金が終了したからです。2025年末まで政府がガソリン元売り会社に支給していた激変緩和補助金は、同年12月30日で終了しました。税金が25.1円下がる一方で、それまで価格を抑制していた補助金がなくなったため、差し引きで価格が維持される結果となったわけです。

2026年2月時点では補助金なしで約156円を実現しており、暫定税率廃止による税負担軽減が徐々に価格に反映されてきています。しかし、中東情勢の悪化によるコスト上昇がこの効果を大きく上回る可能性があるのです。

軽油にも影響、運送業界への波及懸念

ガソリン以外の燃料も値上がりしています。3月2日時点で、軽油は1リットルあたり142.0円(1.3円の値上がり)、灯油は2,118.0円(12.3円の値上がり)となっています。

4月以降、全国のガソリンスタンドで軽油の仕入れ価格が暫定税率分(1リットル当たり17.1円)引き下げられ、運送会社への請求単価にも反映されていく見通しです。しかし原油高が続けば、この税率廃止の恩恵も消される可能性があります。

生活と企業活動への影響広がる

ガソリン価格の上昇は、一般消費者だけでなく企業活動にも大きな影響を与えています。給油に来た人からは「もっと上がるということなので、本当に困ってしまう」と不安の声が上がっています。

運送業などのエネルギー多消費産業にとって、こうした値上げは経営を圧迫する要因となります。さらに物流コストの上昇は、食料品やその他の商品の価格上昇につながる可能性があり、インフレ圧力が高まることになるでしょう。

2026年において、ガソリン価格は単なる個別の商品価格ではなく、日本経済全体に関わる重要なテーマとなっています。中東情勢の推移が、日本の家計と企業の負担を大きく左右する状況が続きそうです。

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